異世界探訪記

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七十一日目。エルフ達の集落にて

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七十一日目。
 今日は集落総出で石拾い。集落内ではなく、森に出向いてだ。
 何故かというと、そろそろノーム族の皆に石を届ける時期だからだそうだ。大体2ヶ月に一回届けているらしい。
 今回は兵士さんを待って出発するそうなので、何時もより準備期間が一日二日長くてもかまわないらしいのだが、エルフ達はいつもの調子で石を回収して回っているとベルデットさんは石を拾いながら話していた。
 そう言う俺は狩り組の数人に誘われて森へ入り、そびえ立つ大岩を砕く仕事をして回った。
 岩を砕いたことを覚えていたようだ。ニッコニコでやってって空気を出さないで欲しい。
 因みに、あの時砕いた岩も持って行くそうだ。大分昔な気がするが、まだアレから二ヶ月も経ってなかったんだな。
 まぁ、ここに来てから良くも悪くも刺激的な経験をさせて貰っていると思う。

 で、砕け散った岩を回収して持って帰ったらベルデットさんに大目玉を食らった。
 最近では回収した石の量での勝負が流行っていたらしく、俺を使っての岩の回収は不正行為と見なされたらしい。
 この石回収のルールとして、実力で回収してこいと言うのが第一に掲げられていたのもいただけない。計量の際に俺が暴露しておいた。
 で、一緒になって怒られた。いや、解ってたなら協力するなと言われましても、勝負になっているって知ったの戻ってきてからなんですけどね……。
 因みに、優勝は若人筆頭のハヌラット君。ではなく、実力ナンバースリーのメヌエットさん。実力ナンバースリーは若者限定だけどね。当然、山狩りにも参加していたらしい。
 俺は特別賞をいただいて、今後俺の名を関した岩砕きチャレンジが開催される運びになった。
 ちょっと恥ずかしい。
 後、副賞で栄誉住民の資格を授与され、晴れてこの集落に籍を置かせて貰うことになった。
 夕餉の時に教えて貰ったことだが、この集落への俺の貢献が評価され、俺の知らないところで話が進んでいて、俺がこの集落の住民になった旨の書状をダッシラーさんに持たせてあるとの事だった。
 泣くほど嬉しかった。

 午後はここの住人になれたわーいと浮かれ気分の中で開催された岩砕きチャレンジに参加して、力自慢が頑張ってかけらを作っている中で岩を粉砕して埒外の評価を貰って笑い転げたり、夕餉の時間まで楽しく、テンションおかしく過ごした。


 因みに、メヌエットさんは女の子で美人。背が低く、華奢な印象を受けるとだけ書いておこう。
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