異世界探訪記

Luckstyle

文字の大きさ
71 / 141

七十日目。エルフ族の集落にて

しおりを挟む
七十日目。
 ダッシラーさん以下兵士さん達は朝にここを発った。街へ捕らえた盗賊達を送るらしい。昨日は一昨日の戦闘で出来た死体を回収していたのだとか。
 こちらの被害は負傷者が出たくらいでほぼ皆無。そこで判明したのが、エルフ達の実力が領兵の平均を凌駕していた事実。
 一緒に戦ったベルデットさんの言だったので確実にそうなのだろう。事実として、負傷者は兵士さん達から出て、エルフ達からは出ていないとの事。

 まぁ、戦地が森の中だったから兵士より動きやすいし、多少はね?

 山狩りが終わった後にダッシラーさんの方から、不安に思うかもしれないが、定期的に兵を派遣してこの地の安定を図り、ついでに兵士達を鍛えたい。との内容の会話をされたんだとか。
 そんな事を言われたから、ベルデットさんは恐縮してしまった様で、「この土地で平和にひっそりと暮ら、治安維持に関わる兵士達の実力向上に役立つなら願ってもないことだ」と返したそうな。村の事で手一杯だが、この領に対して割と愛着を持っているのかな?嘘も方便と言われればそこまでなのだが。
 まぁ、それを俺に嬉しそうに伝えてくれるベルデットさんを見ていると嘘ではなさそうに感じた。

 そうそう、ラスティーもダッシラーさんに着いて一旦帰った。店をもう少し休むんだとか言っていたかな?

 水道工事は俺が動けなかった間に完成したらしい。まぁ、動けなかったのが3日も続いたのだから当たり前か。
 それと、水車小屋の建設は約二週間後に再開らしい。
 それまでは毎日三回水をかけるんだと言っていた。

 昼過ぎになると少年少女達が遊びに来た。彼等に誘われて家を出て、なんちゃってカルタや草笛、魔法を使わない火起こしなどで遊び、着いた火は夕餉の準備に使われて誇らしそうな少年少女達にほっこりした。

 夕餉の時に俺の事を語った。一悶着有ったが、最終的にはその事実を受け入れ、今まで通り接してくれる事で話は着いた。
 そこで俺は旅に出る事も伝えた。すると、ギルビットさんがついて行くと言いだしたのでベルデットさんや集落の皆に確認を取ると、昨日の内に話しをされたらしい。断る理由もないので嬉しい感情を伝えながら了承した。
 出立は水車小屋が完成した一週間後。それまでは慌ただしいしく、やる事をやり終えてから憂い無く旅がしたいとギルビットさんが伝えてきたのだが俺も同じ考えだったのでむしろ俺から願いたかった。
 水道計画は俺の発案だしね。
 それまでに服の新調やバッグの新調、大きな物だとこれくらいだが、他にもやっておきたい事は色々あるから出立は意図せずともそこまで延びるだろう。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語

紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。 しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。 郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。  そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。 そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。 アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。 そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...