異世界探訪記

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七十日目。エルフ族の集落にて

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七十日目。
 ダッシラーさん以下兵士さん達は朝にここを発った。街へ捕らえた盗賊達を送るらしい。昨日は一昨日の戦闘で出来た死体を回収していたのだとか。
 こちらの被害は負傷者が出たくらいでほぼ皆無。そこで判明したのが、エルフ達の実力が領兵の平均を凌駕していた事実。
 一緒に戦ったベルデットさんの言だったので確実にそうなのだろう。事実として、負傷者は兵士さん達から出て、エルフ達からは出ていないとの事。

 まぁ、戦地が森の中だったから兵士より動きやすいし、多少はね?

 山狩りが終わった後にダッシラーさんの方から、不安に思うかもしれないが、定期的に兵を派遣してこの地の安定を図り、ついでに兵士達を鍛えたい。との内容の会話をされたんだとか。
 そんな事を言われたから、ベルデットさんは恐縮してしまった様で、「この土地で平和にひっそりと暮ら、治安維持に関わる兵士達の実力向上に役立つなら願ってもないことだ」と返したそうな。村の事で手一杯だが、この領に対して割と愛着を持っているのかな?嘘も方便と言われればそこまでなのだが。
 まぁ、それを俺に嬉しそうに伝えてくれるベルデットさんを見ていると嘘ではなさそうに感じた。

 そうそう、ラスティーもダッシラーさんに着いて一旦帰った。店をもう少し休むんだとか言っていたかな?

 水道工事は俺が動けなかった間に完成したらしい。まぁ、動けなかったのが3日も続いたのだから当たり前か。
 それと、水車小屋の建設は約二週間後に再開らしい。
 それまでは毎日三回水をかけるんだと言っていた。

 昼過ぎになると少年少女達が遊びに来た。彼等に誘われて家を出て、なんちゃってカルタや草笛、魔法を使わない火起こしなどで遊び、着いた火は夕餉の準備に使われて誇らしそうな少年少女達にほっこりした。

 夕餉の時に俺の事を語った。一悶着有ったが、最終的にはその事実を受け入れ、今まで通り接してくれる事で話は着いた。
 そこで俺は旅に出る事も伝えた。すると、ギルビットさんがついて行くと言いだしたのでベルデットさんや集落の皆に確認を取ると、昨日の内に話しをされたらしい。断る理由もないので嬉しい感情を伝えながら了承した。
 出立は水車小屋が完成した一週間後。それまでは慌ただしいしく、やる事をやり終えてから憂い無く旅がしたいとギルビットさんが伝えてきたのだが俺も同じ考えだったのでむしろ俺から願いたかった。
 水道計画は俺の発案だしね。
 それまでに服の新調やバッグの新調、大きな物だとこれくらいだが、他にもやっておきたい事は色々あるから出立は意図せずともそこまで延びるだろう。
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