異世界探訪記

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八十二日目。ノーム族の集落にて

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八十二日目。
 ノーム族の集落に着いた。以前見回ったときより広がっている気がする。
 たどり着いたときは前回会った熱烈(?)な歓迎を受け、エドヴァンさんとエルットさんが言葉の応酬から腕相撲へ雪崩れ込み、その勝敗が決まったら互いの検討を称え合う一連の流れに商隊の皆とギルビットさんと俺意外唖然としていた。

 その後にギルビットさんからエドヴァンさんに三つ石を渡して食べて貰うと、
「食糧難なら食べるしかない」
「いつも貰ってる菓子より旨くはないが、味が複雑で、飽きの来ない主食になる」
「味はいつも貰っている菓子より複雑。飽きは来ないが菓子より見劣りする」
との返答を貰った。
 最初に食べて貰ったのが街で買ってきた石。二つ目がメヌエットさんの精製した石。最後が俺の精製した石だ。
 これをどうしたのか聞かれたので経緯を話すと、それならいくつかで良いから主食の石を持って行ってくれと言われた。
 採掘された主食用の石は売られている石より魔素の割合が高く、メヌエットさんの精製した石より低い。これを合わせれば多少味の良い主食が混ざって豪勢な気分が味わえるとエドヴァンさんはご機嫌だった。

 その他には報奨金と慰謝料で買い上げた工具を進呈。こちらは諸手をあげて喜んでいた。その後にハルスヴォルグさんの名前を挙げつつ定期的に卸すことを了承させ(ギルビットさんの脅し)、夕餉は持ってきた石を二割くらい混ぜた宴会になった。
 こっちは持ってきた食材と、ノーム族が狩ってきたウサギや魚、キノコや筍が振る舞われた。
 聞いた話によると俺が出て行った後、氷室を作って収穫してくれていたらしい。
 糠を持ってきてないから前と同じように胡椒の代用品として使ったら街出身にどん引きされた。
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