異世界探訪記

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八十五日目。キノコの森の入り口前にて

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八十五日目。
 北へ一日歩いてキノコの森前までやってきた。相変わらず戦争中なのかと思うほどの轟音が轟き、見上げる程のキノコが燃え上がっている。
 ギルビットさんが言うにはあそこまで連続して炎上するのは有り得ないとの事だった。明日はキノコの森に近寄る事になったので、その時に色々解ることも出てくるだろう。
 解ることと言えば、ここでは魔素の濃度が高いらしい。いつの間にかギルビットさんとハヌラット君が魔素感知の魔法陣を使っていたらしく、うずくまった所を見かけた。
 試しに俺も使ってみたんだが、エルフ族の集落とはかけ離れた光に包まれてラスティーに引っ張られるハメに陥ってしまった。ギルビットさんとハヌラット君はギルビットさんがハヌラット君の肩を持ち、ハヌラット君はメヌエットさんに掴まる電車ごっこになっていた。
 一瞬見えた光景としては、強烈な光を放つ地面と、そこから俺の身長二人分位まで立ち上る光のカーテン。カーテンと言っても布のようではなく、トウモロコシ畑に迷い込んでしまったような感覚だ。光の海に飛び込んだと言い換えれば良いのだろうか。

 その後、視力が回復した俺達は光量を抑えられないか検討し、話し合いながら歩いていたら今居る野営地に到着した感じだ。その間にダッシラーさんやミネルヴァさんが先頭に立って襲ってきた獣に当たっていて、見事にとどめを刺して人族の食糧にしていた。
 最果ての森から洞窟まで、そこまで獣が襲ってくることはなかったが、やはりこっちは獣に襲われる確率が高いな。
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