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第1章 リリアの巫女(いわやのはなのみこ)
第71話 再戦
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「その角を曲がったところにいる」
全員に聞こえる程度の小さな声で注意し、進軍を止めた。
前回安全装置で停止させたゴーレムはやはり動いているようだ。
角から様子を窺っていたジャンがこちらに頭を振って見せた。
「例の魔法陣が見当たらない」
例の魔法陣とは、前回ゴーレムの停止に使った安全装置の事だ。
そしてジャンの報告は予想可能な選択肢の中で一番面倒臭いものだった。
「もう改善されているのか… 仕事が早いな」
「それじゃ、予定通りお願いするわね、お二人さん」
思わず愚痴る俺にリンが笑い掛けて来た。
安全装置が無いのなら正攻法しか無い。
バレているのならコソコソ隠れていても仕方ない。
「よぅ、再戦と行こうぜ」
バスタードソードを肩にかつぎゴーレムの前に進み出て、言葉が通じるかは分からないが啖呵を切ってみた。
「鈍器ブラザーズの登場だぜ」
ジャンも一緒について来るが。
いや、俺のは剣だから、一緒にしないで…
そういえばジャンに抗議するのを忘れていたな。
ジャンの大振りの一撃がゴーレムの膝関節に炸裂する。
相変わらずの野球スイングで力任せの一撃だが、ゴーレムの表面に傷をつけるだけだった。
「ジャン、左手を送り過ぎだ、せっかくのクレイモアの重さを利用出来て無い」
「そんな事言われても…」
両手剣の場合、右手と左手の位置関係が特に重要となる。
虎切もそうだが、剣を振るのは左手であり、右手は軌道修正と減速に用いる。
左手を急に止める事で振られる剣の支点が変わり切っ先が加速し、達人がやれば鉄でも斬れるという。
これが『真田流抜刀術』の手の内だ。
「俺の左手の動きをよく見てるんだ」
右手に力を込めるのは最初の加速だけで無駄な力みは剣の動きを遅くする。
左手は頭の上からへその前まで最短距離を最速で振り下ろす。
この時、右手は剣の加速と重さにより、自力では絶対に出せないスピードで振り下ろされる。
疾風の加速と朧のしなやかさ、そして踏鳴の踏み込みで打撃力を強化する!
バスタードソードでゴーレムの左脚を袈裟斬りに狙う。
切っ先が左脚の膝関節に当たる寸前に左手を止める。
完璧なタイミングだった。
『パァン‼』
鋭い音と光が発生し、ゴーレムが左肩から右の腰あたりにかけて真っ二つに斬れた。
「なんだなんだ!?」
ジャンがびっくりして飛び上がった。
俺のバスタードソードは刃渡り1メートルで、攻撃のリーチは腕の長さを合わせてもせいぜい2メートル。
ゴーレムの身長は4メートルほどあり、普通に斬った時、計算上はゴーレムを真っ二つには出来ない筈だ。
驚いて飛び上がったジャンが着地した時、ゴーレムの上半身が地面にずり落ちて地響きを立てた。
「ソニックブーム?」
ダラが自信なさそうに呟いた。
「剣で音速を超えたって事?」
ジャンがイマイチわかってない顔で尋ねた。
「音速って確か、時速1200キロ以上、1分で20キロ、秒だと330メートル程度よね?」
リンは計算が得意な様で、パパっと計算して見せた。
「いや、無理だろ、どう考えても」
ダラは俺に尋ねて来るが、俺自身何が起こったのか理解出来ていない。
一般人でも鞭の先端なら音速を超えるというし、もしかしてステータス的にはそうであっても辻褄は合うのか…?
「まぁ、颯竢が凄いって事だけは分かった」
ジャンは屈託のない笑顔で笑った。
「これが…ゴーレム…?」
ミカが驚いたように呟いた。
「コイツがウヨウヨいるんだ。 ミカちゃん知り合い?」
ジャンが軽い口調でミカに笑い掛ける。
「知ってはいますけど、合ってはいませんね」
ゴーレムに対して『知り合い』という言い回しをしたのがおかしかったようで、ミカがクスクスと笑った。
「どちらにしても私達が行くなら倒すしかないようだわ」
リンの指摘にジャンも思わず納得した。
「だったら颯竢、さっきのやつのやり方教えてくれよー」
「俺もぜひ教わりたいな」
ジャンにつられてダラも寄って来た。
「もう少し緊張感というものがあっても良いとは思わない?」
リンは呆れた顔でミカとフミナに声を掛けた。
「エルがいなくなってスキルの編集が出来なくなったからな、コツコツ練習するのみだ」
ダラは腕を組んでうなずいた。
「そっかー、ゴルフでいう所の壁を作るって感じかー」
「ゴルフの事は詳しくないからよく分からないけど…」
俺の動きを見て、ジャンが納得したように剣を振る。
「ふむ、確かに音が変わったな」
ダラは自分が振る剣の音の変化を自覚してニヤリと笑う。
ジャンもダラも結構真剣に練習をしている。
「皆さん、仲がよろしいんですね」
フミナがうらやましそうに言うとリンが首を振って否定した。
「フミナ、それは少しだけ違うわ」
「違うんですね? すみません」
真顔で否定するリンにフミナが慌てて謝罪したが
「ジャンの頭が可哀想なおかげで楽し気に見えているだけよ」
リンは滅茶苦茶言っているが、フミナはコクリと頷いた。
「あれ? 今ちょっと馬鹿にされたような?」
俺の手ほどきを受けてダラと一緒に素振りをしていたジャンがリンの方に振り返るが
「気のせいよ」
「そ…そっかー? あれー?」
ジャンとリンのやり取りを見ていたミカも『ふふ』と笑った。
フミナもミカも少しだけ馴染んできたように見える。
姉妹を見るリンの目が優しく笑ったように見えた。
「ほら、あまりゆっくり練習してる暇は無いのよ?」
リンに急かされてジャンとダラは剣を納めた。
通路を進むと2体のゴーレムが大扉の前で待ち構えている。
扉の向こう側のゴーレムは相変わらずこっちにあまり興味が無いようだ。
自分の担当は奥から来る奴ですと言わんばかりだ。
「やっとここまで戻って来たな」
「安心するのはアイツを倒してからにして欲しいわ」
いきなり気が抜けた事を言うジャンにリンがツッコミをいれる。
「それじゃ、颯竢に教わったやつ早速試してみるか」
ジャンはクレイモアを鞘から引き抜き大上段に構えた。
その横でダラも無言で抜刀する。
ダラさんも試し斬りする感じね…
いつでも飛び出せる様にバスタードソードを抜き、リン達の前に立って警戒する。
ジャンは手前のゴーレムの左脚の膝関節に一文字斬りの一撃をいれるとバックステップで間合いを取る。
ジャンお得意の野球スイングだが、手の内を理解する事で切っ先のスピードが急速に増し、ゴーレムの膝関節を破壊していた。
そのタイミングを見計らってダラがゴーレムの正面に飛び込むと
右脚の太ももに左袈裟斬りを叩き込む。
左上から右下に向けて振る剣筋で、振りにくそうに感じるが、手の内を理解した後なら逆に振りやすく感じるかもしれない。
ダラの振った刀はゴーレムの右脚を太ももから斜めにスパッと切断した。
両脚を破壊され、ゴーレムが仰向けに倒れこんだ。
奥にいたゴーレムは手前のゴーレムが邪魔でこちらに近付けない。
「案外、シュールな絵面だな…」
ダラが刀を鞘に格好よく納めながら呟いた。
とは言え放置すると危険かもしれない。
『疾風!』
ジャンとダラの横を走り抜け、倒れたゴーレムを蹴り飛び上がる。
『朧!』
鎖骨から両肩の関節、肘へと捻りを伝達させ剣を高速で振り下ろす。
『手の内!』
剣を振る支点を左手に変え、切っ先の速度を加速させる。
『踏鳴!』
左足で倒れたゴーレムの頭を強く踏み込み、上半身の体重を急速に前方に移動させる。
『パァァァン!』
さっきより激しい音が鳴り響き、奥にいたゴーレムが正中線から真っ直ぐに真っ二つに割れた。
やはりバスタードソードの刃による直接の剣戟ではなく真空刃のような物で斬れているようだ。
クレイモアを肩にかついだジャンが何かを言いたげな顔で近付いてきた。
「どうかした?」
「いや、まぁ、そっちのは百歩譲って良いとしよう」
ジャンは真っ二つになったゴーレムを指差して言った。
「?」
「踏み込みでゴーレムの顔面をかち割るのはどう考えても納得いかねーよ!」
「そうね…」
ジャンの抗議にリンもうなずく。
先に倒れていたゴーレムの頭部が俺の足の下で砕け散っていた。
「ふっ。 心強くて助かるな。 いよいよ神殿に突入だがみんな準備は良いか?」
ダラの質問に全員うなずいた。
ホリウチ神父が敵か味方か分からない以上、最大限に注意する必要があった。
神殿前の大扉の前、誰かが唾を飲み込む音が大きく響いた。
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全員に聞こえる程度の小さな声で注意し、進軍を止めた。
前回安全装置で停止させたゴーレムはやはり動いているようだ。
角から様子を窺っていたジャンがこちらに頭を振って見せた。
「例の魔法陣が見当たらない」
例の魔法陣とは、前回ゴーレムの停止に使った安全装置の事だ。
そしてジャンの報告は予想可能な選択肢の中で一番面倒臭いものだった。
「もう改善されているのか… 仕事が早いな」
「それじゃ、予定通りお願いするわね、お二人さん」
思わず愚痴る俺にリンが笑い掛けて来た。
安全装置が無いのなら正攻法しか無い。
バレているのならコソコソ隠れていても仕方ない。
「よぅ、再戦と行こうぜ」
バスタードソードを肩にかつぎゴーレムの前に進み出て、言葉が通じるかは分からないが啖呵を切ってみた。
「鈍器ブラザーズの登場だぜ」
ジャンも一緒について来るが。
いや、俺のは剣だから、一緒にしないで…
そういえばジャンに抗議するのを忘れていたな。
ジャンの大振りの一撃がゴーレムの膝関節に炸裂する。
相変わらずの野球スイングで力任せの一撃だが、ゴーレムの表面に傷をつけるだけだった。
「ジャン、左手を送り過ぎだ、せっかくのクレイモアの重さを利用出来て無い」
「そんな事言われても…」
両手剣の場合、右手と左手の位置関係が特に重要となる。
虎切もそうだが、剣を振るのは左手であり、右手は軌道修正と減速に用いる。
左手を急に止める事で振られる剣の支点が変わり切っ先が加速し、達人がやれば鉄でも斬れるという。
これが『真田流抜刀術』の手の内だ。
「俺の左手の動きをよく見てるんだ」
右手に力を込めるのは最初の加速だけで無駄な力みは剣の動きを遅くする。
左手は頭の上からへその前まで最短距離を最速で振り下ろす。
この時、右手は剣の加速と重さにより、自力では絶対に出せないスピードで振り下ろされる。
疾風の加速と朧のしなやかさ、そして踏鳴の踏み込みで打撃力を強化する!
バスタードソードでゴーレムの左脚を袈裟斬りに狙う。
切っ先が左脚の膝関節に当たる寸前に左手を止める。
完璧なタイミングだった。
『パァン‼』
鋭い音と光が発生し、ゴーレムが左肩から右の腰あたりにかけて真っ二つに斬れた。
「なんだなんだ!?」
ジャンがびっくりして飛び上がった。
俺のバスタードソードは刃渡り1メートルで、攻撃のリーチは腕の長さを合わせてもせいぜい2メートル。
ゴーレムの身長は4メートルほどあり、普通に斬った時、計算上はゴーレムを真っ二つには出来ない筈だ。
驚いて飛び上がったジャンが着地した時、ゴーレムの上半身が地面にずり落ちて地響きを立てた。
「ソニックブーム?」
ダラが自信なさそうに呟いた。
「剣で音速を超えたって事?」
ジャンがイマイチわかってない顔で尋ねた。
「音速って確か、時速1200キロ以上、1分で20キロ、秒だと330メートル程度よね?」
リンは計算が得意な様で、パパっと計算して見せた。
「いや、無理だろ、どう考えても」
ダラは俺に尋ねて来るが、俺自身何が起こったのか理解出来ていない。
一般人でも鞭の先端なら音速を超えるというし、もしかしてステータス的にはそうであっても辻褄は合うのか…?
「まぁ、颯竢が凄いって事だけは分かった」
ジャンは屈託のない笑顔で笑った。
「これが…ゴーレム…?」
ミカが驚いたように呟いた。
「コイツがウヨウヨいるんだ。 ミカちゃん知り合い?」
ジャンが軽い口調でミカに笑い掛ける。
「知ってはいますけど、合ってはいませんね」
ゴーレムに対して『知り合い』という言い回しをしたのがおかしかったようで、ミカがクスクスと笑った。
「どちらにしても私達が行くなら倒すしかないようだわ」
リンの指摘にジャンも思わず納得した。
「だったら颯竢、さっきのやつのやり方教えてくれよー」
「俺もぜひ教わりたいな」
ジャンにつられてダラも寄って来た。
「もう少し緊張感というものがあっても良いとは思わない?」
リンは呆れた顔でミカとフミナに声を掛けた。
「エルがいなくなってスキルの編集が出来なくなったからな、コツコツ練習するのみだ」
ダラは腕を組んでうなずいた。
「そっかー、ゴルフでいう所の壁を作るって感じかー」
「ゴルフの事は詳しくないからよく分からないけど…」
俺の動きを見て、ジャンが納得したように剣を振る。
「ふむ、確かに音が変わったな」
ダラは自分が振る剣の音の変化を自覚してニヤリと笑う。
ジャンもダラも結構真剣に練習をしている。
「皆さん、仲がよろしいんですね」
フミナがうらやましそうに言うとリンが首を振って否定した。
「フミナ、それは少しだけ違うわ」
「違うんですね? すみません」
真顔で否定するリンにフミナが慌てて謝罪したが
「ジャンの頭が可哀想なおかげで楽し気に見えているだけよ」
リンは滅茶苦茶言っているが、フミナはコクリと頷いた。
「あれ? 今ちょっと馬鹿にされたような?」
俺の手ほどきを受けてダラと一緒に素振りをしていたジャンがリンの方に振り返るが
「気のせいよ」
「そ…そっかー? あれー?」
ジャンとリンのやり取りを見ていたミカも『ふふ』と笑った。
フミナもミカも少しだけ馴染んできたように見える。
姉妹を見るリンの目が優しく笑ったように見えた。
「ほら、あまりゆっくり練習してる暇は無いのよ?」
リンに急かされてジャンとダラは剣を納めた。
通路を進むと2体のゴーレムが大扉の前で待ち構えている。
扉の向こう側のゴーレムは相変わらずこっちにあまり興味が無いようだ。
自分の担当は奥から来る奴ですと言わんばかりだ。
「やっとここまで戻って来たな」
「安心するのはアイツを倒してからにして欲しいわ」
いきなり気が抜けた事を言うジャンにリンがツッコミをいれる。
「それじゃ、颯竢に教わったやつ早速試してみるか」
ジャンはクレイモアを鞘から引き抜き大上段に構えた。
その横でダラも無言で抜刀する。
ダラさんも試し斬りする感じね…
いつでも飛び出せる様にバスタードソードを抜き、リン達の前に立って警戒する。
ジャンは手前のゴーレムの左脚の膝関節に一文字斬りの一撃をいれるとバックステップで間合いを取る。
ジャンお得意の野球スイングだが、手の内を理解する事で切っ先のスピードが急速に増し、ゴーレムの膝関節を破壊していた。
そのタイミングを見計らってダラがゴーレムの正面に飛び込むと
右脚の太ももに左袈裟斬りを叩き込む。
左上から右下に向けて振る剣筋で、振りにくそうに感じるが、手の内を理解した後なら逆に振りやすく感じるかもしれない。
ダラの振った刀はゴーレムの右脚を太ももから斜めにスパッと切断した。
両脚を破壊され、ゴーレムが仰向けに倒れこんだ。
奥にいたゴーレムは手前のゴーレムが邪魔でこちらに近付けない。
「案外、シュールな絵面だな…」
ダラが刀を鞘に格好よく納めながら呟いた。
とは言え放置すると危険かもしれない。
『疾風!』
ジャンとダラの横を走り抜け、倒れたゴーレムを蹴り飛び上がる。
『朧!』
鎖骨から両肩の関節、肘へと捻りを伝達させ剣を高速で振り下ろす。
『手の内!』
剣を振る支点を左手に変え、切っ先の速度を加速させる。
『踏鳴!』
左足で倒れたゴーレムの頭を強く踏み込み、上半身の体重を急速に前方に移動させる。
『パァァァン!』
さっきより激しい音が鳴り響き、奥にいたゴーレムが正中線から真っ直ぐに真っ二つに割れた。
やはりバスタードソードの刃による直接の剣戟ではなく真空刃のような物で斬れているようだ。
クレイモアを肩にかついだジャンが何かを言いたげな顔で近付いてきた。
「どうかした?」
「いや、まぁ、そっちのは百歩譲って良いとしよう」
ジャンは真っ二つになったゴーレムを指差して言った。
「?」
「踏み込みでゴーレムの顔面をかち割るのはどう考えても納得いかねーよ!」
「そうね…」
ジャンの抗議にリンもうなずく。
先に倒れていたゴーレムの頭部が俺の足の下で砕け散っていた。
「ふっ。 心強くて助かるな。 いよいよ神殿に突入だがみんな準備は良いか?」
ダラの質問に全員うなずいた。
ホリウチ神父が敵か味方か分からない以上、最大限に注意する必要があった。
神殿前の大扉の前、誰かが唾を飲み込む音が大きく響いた。
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