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14.大変なことになりました……。
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いつの間にかまどろんでいていて、馬の嘶く声で目が覚めた。馬車の外で男達が話している。目的の場所に到着したようだ。
ゼラは、壊れ物を扱うように、丁寧に運び出された。男の太い腕に横抱きにされているのがわかる。
周りを吹いていた風がやむ。どうやら室内に入ったみたいだ。
階段を上り、少し進んだところで柔らかい何かの上に下ろされた。
しばらくその感触を確かめていると、暗闇に閉ざされていた世界が、光を取り戻す。目隠しが取られたのだ。
「……!」
そこは、豪華な装飾がなされた部屋だった。ゼラはその部屋のソファに座っている。周りに何人か拘束されている人達がいて、全て若い女性だった。
嫌な予感がする、猛烈に。
ゼラの目隠しを取った男が言う。
「……これは上玉ですねぇ。今すぐにやっちゃいたいぐらいですよ。」
言わんこっちゃない。きっと怪しい商売か何かに巻き込まれたのだろう。それよりやるって、何をされるんだろう。殴られでもするのだろうか。
「そんなことをしたら、商品にキズが付くだろう。いくら値引きされると思ってるんだ。」
遠くで別の男が答えた。
商品、という言葉を聞いて確信した。ミレニアさんは、ゼラを奴隷商に渡したのだ。
しかし、城下町で奴隷の取り引きが行われる場所といえば限られている。西外れの陰気な区画しかない。
場所はわかったけれど、どうやって逃げればいいか分からなかった。おそらくこの部屋でオークションが行われはしないだろうから、逃げ出すとしたら移動の時だ。チャンスは一度きりだろう。
「可愛いですねぇ。キスぐらいなら、してもばれませんよ。」
前にいた男が、ゼラの頬に指を這わせた。
首を振って抵抗すると、男は気味悪く笑ってゼラの頭を押さえつけた。
怖い。男の顔が近づいてきて、その醜さが明らかになる。
悲鳴を上げたかったが、猿ぐつわのせいで漏れでたのは小さなうめき声だった。
柔らかいものが、唇に触れた。
脳が現実を理解したくないと言っている。キスなんて、今まで誰ともしたことがなかったのに。
視界がうるんできた。男はゼラの顔を見て興奮を高めたようだった。
「それぐらいにしておけ。」
別の男が言う。
「はいはい、分かりましたよー。」
それから男達が、部屋を去った。しばらく息を整える。
ショックだったけど、気持ちを落ち着かせなきゃ。大丈夫、なんとかなる。溢れそうになった涙を引っ込めていると、男達が帰ってきた。
彼らは何かを手にしている。何だろう。近づいてくると、それが瓶に入った液体だと気づく。毒かもしれないそれを、無理やり飲まされた。
上から飲まされたので、上手く吐き出すことができない。液体は、当然のように喉を通って体内に染み込んだ。
苦くも、甘くもなかった。なんだ、水だったのか。
そう思った直後、身体が異変を察知する。視界がぼやけ始めた。まばたきを繰り返すと、眠気がしてくる。
これは、睡眠薬ーー。
そこで意識が、ぷつりと途絶えた。
ゼラは、壊れ物を扱うように、丁寧に運び出された。男の太い腕に横抱きにされているのがわかる。
周りを吹いていた風がやむ。どうやら室内に入ったみたいだ。
階段を上り、少し進んだところで柔らかい何かの上に下ろされた。
しばらくその感触を確かめていると、暗闇に閉ざされていた世界が、光を取り戻す。目隠しが取られたのだ。
「……!」
そこは、豪華な装飾がなされた部屋だった。ゼラはその部屋のソファに座っている。周りに何人か拘束されている人達がいて、全て若い女性だった。
嫌な予感がする、猛烈に。
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「……これは上玉ですねぇ。今すぐにやっちゃいたいぐらいですよ。」
言わんこっちゃない。きっと怪しい商売か何かに巻き込まれたのだろう。それよりやるって、何をされるんだろう。殴られでもするのだろうか。
「そんなことをしたら、商品にキズが付くだろう。いくら値引きされると思ってるんだ。」
遠くで別の男が答えた。
商品、という言葉を聞いて確信した。ミレニアさんは、ゼラを奴隷商に渡したのだ。
しかし、城下町で奴隷の取り引きが行われる場所といえば限られている。西外れの陰気な区画しかない。
場所はわかったけれど、どうやって逃げればいいか分からなかった。おそらくこの部屋でオークションが行われはしないだろうから、逃げ出すとしたら移動の時だ。チャンスは一度きりだろう。
「可愛いですねぇ。キスぐらいなら、してもばれませんよ。」
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首を振って抵抗すると、男は気味悪く笑ってゼラの頭を押さえつけた。
怖い。男の顔が近づいてきて、その醜さが明らかになる。
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柔らかいものが、唇に触れた。
脳が現実を理解したくないと言っている。キスなんて、今まで誰ともしたことがなかったのに。
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別の男が言う。
「はいはい、分かりましたよー。」
それから男達が、部屋を去った。しばらく息を整える。
ショックだったけど、気持ちを落ち着かせなきゃ。大丈夫、なんとかなる。溢れそうになった涙を引っ込めていると、男達が帰ってきた。
彼らは何かを手にしている。何だろう。近づいてくると、それが瓶に入った液体だと気づく。毒かもしれないそれを、無理やり飲まされた。
上から飲まされたので、上手く吐き出すことができない。液体は、当然のように喉を通って体内に染み込んだ。
苦くも、甘くもなかった。なんだ、水だったのか。
そう思った直後、身体が異変を察知する。視界がぼやけ始めた。まばたきを繰り返すと、眠気がしてくる。
これは、睡眠薬ーー。
そこで意識が、ぷつりと途絶えた。
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