RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第三篇第一章 革命家との邂逅

風の向くままに

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親睦を深めていた一同だったが、酒を
飲み始めた者もおり、ロードは匂いに
やられたのか断りを入れて外へと出る。

昼下がりからの酒盛りに酒の苦手な
ロードは耐えられなかったのだろう。

珍しく一人で風の向くままに足を運ぶ。

酒場町カンピオンノールの外れから
潮の匂いを感じ取ったロードはそのまま
海側へと郊外に抜けて行った。

人の多かった酒場町とは打って変わり
人気の無い林道をひた歩き海辺を目指す。

そんな折だった。

ロードが通り過ぎた背後から野太い
男の声が聞こえて来る。



「其処行く兄ちゃん。そっちはただの海辺だ、行き止まりだぜ」



ロードは其の声に振り返ると岩場に
腰掛け大刀を抱えた男の姿があった。

妙に高そうな黒と紫の花吹雪の羽織を
肩に掛けた男が緩りと立ち上がる。

無精髭を生やした其の男の肌の見える
箇所には無数の傷跡があり雰囲気を
感じさせる佇まいをしている。



「ボーっと歩いてるだけなんだ、だから海でも見て来るよ、悪いなオッサン」


「そうかい。コイツァ呼び止めて悪かったな」



ロードは手を上げて見せた後に再びまた
海辺へ向かおうと踵を返して歩き出す。



「…ッ!やっぱり待て兄ちゃん…!」



ロードの背中に何かを見つけた其の
大男はまたもロードを呼び止める。



「しつけぇなッ!何だよオッサン…ッてそれ…!」



今度は振り返ったロードも何かに気付き
表情に緊張を走らせて立ち止まる。



「オッサン…反乱軍か?」


「あ?まあな。そんな事よりソイツァ…とんでもないお宝だろ?兄ちゃん…」


「お宝…?」


「其の背中にあんのは此の国に七振りしかない名刀の一振り…最上大業物鳳炎おおとりのほむらに間違いねぇやな…?」



ロードは其の大男が指して居た物が背負った
刀だと知り、背中に軽く首を向ける。



「ん?ああ。そうだけど其れが何だよ」


「まさかこんな所でお目に掛かれるたァな…ツイてるぜ、俺ァよ」


「…何だ、ただの刀マニアか?オッサン」



何やら喜びの感情を露わにした其の大男は
堪らず笑みを浮かべてロードを見る。



「刀マニアか…まあ、間違っちゃいねぇか。つう訳でよ、其の刀寄越せッ」


「……は?寄越せって。マニアじゃなくてただの刀狩りじゃねぇかッ!!」


「つべこべ言うな、抵抗すんなら斬って奪う迄よォ!!」



正に、言葉を交わす余地は無し。

其の大男は手に持った太刀を何の躊躇も
無く鞘から引き抜き、其の場の地面に
力強く鞘を差し込んで太刀を構える。



「テメェ!!人の話を聞けッ!!」


「オラ寄越せッ!此の国の名刀をよォ!!」


「チッ…良く絡まれる人生だぜ。ニャロウが…!」



ロードは仕方無く背中から刀を抜刀すると
突っ込んで来る其の大男を迎え撃つ。

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