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第四編第二章 絶望のオアシス
ダフマ奪還戦
しおりを挟む「シャラムってヤツの私兵団かな?」
「そうだろうな。金で掻き集められた兵隊達だろう…だが、此処まで来てしまった以上は突き進むのみさ」
槍を持った私兵団に囲まれたシャーレと
ポアラの二人だったが数を凌駕する事の
出来るチカラを得た事で表情は穏やかな
ままで余裕すら感じられる程であった。
私兵団はと言えば目的も何も解らない
若い二人の突撃に慌てた様子を見せており
陣の形成は噛み合い切っては居ない。
そんな中、其の綻びを感じ其処を崩そうと
動いたのは物事を自身の頭の中で測り
計算する事の出来るシャーレであった。
愛刀である青龍刀型良業物水明燦雅を用いて
身体と刀で半月を描く様に舞いながら
振り切った刀から次縹色(渋みのある青色)の
荒波を呼び起こすと敵の私兵団をたった一撃
で軽々と呑み込み囲まれた現状を打破する。
そして二人は目線を合わせ頷くと一気に
宮殿内へと駆け込んで行くが、中にもまだ
私兵団達は大勢で迎撃体制を整えて居た。
「今度はアタシっ」
身体に翠色のオーラを纏ったポアラは空中へ
飛び上がると階段で待ち構える私兵団達を
薙ぎ払う様にばったばったと殴り捨てる。
そして階段上からポアラの頭上目掛けて
重たそうな家具を落下させて来るがポアラは
其の家具を大地のギフトの特性の一つである
“重力”を使って踊り場の壁に進行をずらす。
「わっ、これ結構高そうなんだけど…」
「向こうも混乱してしまってるのだろう、ああ、勿体無い勿体無い」
咄嗟に壊した家具は結構値打ちのありそうな
物で二人は其れを眺めて少し申し訳なさを
覚えてしまったが、諦めて上を目指す。
「混乱は間違い無くしてるよねっ」
「其れも仕方ないだろう…民が反乱を起こす事は想定出来ても、私達の様に顔すら知らない者達に殴り込みを掛けられるなど誰が想像出来ようか…」
「あははっ…確かに…。でも通りすがりのアタシ達にすら戦う理由を与えちゃったシャラムってヤツが悪いだよっ…!」
「フィオナちゃんと…家族を会わせてあげよう…!」
「うん…ッ!」
戦う理由を改めて口にした事で二人の勢いは
加速度を着々と上げて行き押し寄せる私兵団
を物ともせずに、進撃を続けて行く。
そして三階にまで上がって来た二人は視線の
先に神殿の扉かの様な重厚な扉を見付けると
其の先へと足を止めずに向かって行く。
重厚な扉を開けて其の先の部屋に足を進めた
二人は何と待ち構えた百人程の私兵団達から
銃口の先を突き付けられてしまう。
距離としては目の前の私兵団と二人の距離は
近い場所でも十五メートルは離れて居た。
其処に私兵団の幹部クラスであろうか
二人の男女が前に出ると問い掛けて来る。
「何者だい?アンタ達」
「此処が何処か弁えておるのであろうな。侵入者共…」
声を発したのは踊り子の様な出立ちの女性と
ガラベーヤという所謂エジプトの民族衣装を
着た中年の男性の二人であった。
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