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第八篇第四章 許されざる疑念
裏帝軍の刺客
しおりを挟む断崖の前で途方に暮れるロード達はある人間
の接近に感付いて其方へと視線を向ける。
其処へ茂みの木の上を軽く跳んで現れたのは
黒髪を高い位置で結い上げたポニーテールに
チョーカーを巻いた女性だった。
其の女性はロード達の存在に気付くと木の上
から宙をくるりと一回転しながら降り立つ。
「貴方達も反乱軍の人間ば追うてここまで来たと?ばってん…一足遅かったとね…奴等は帝国軍の追手ば撒いたそうや…」
高い声で博多弁を話す黒の肩を出したボディ
スーツに光沢のあるショーパンを履いた細身
の其の女性は肩に翠色のマントを掛ける。
ロード達にとってはそろそろ見知って来た
政府直下裏帝軍の証であった。
「裏帝軍…!」
「任務で来たとに間に合わんなんて…て思うとったら。少しラッキーばい…今話題ん人に会えるなんて」
ロード達は直感的にシェリーの目の前へと
出張る様に身体を出すも其の女性はロード達
の行動にクスクスと笑い始める。
「何がおかしいんや…舐めやがってホンマに…!」
「うんうん、まあそん反応はわかるし、お姫様も重要な人間なんやけど今話題なんな君ばい…!」
其の女性がサッと伸ばした人差し指の先に
居たのは何と驚きの人物だった。
「とりあえずうちは裏帝軍幹部エマ。少しお話よかね?ロード君…!」
エマと名乗った女性に指を指されたロードに
周りの視線が一気に向けられて行く。
今話題とはどういう意味なのか?
ロードも息を呑んでエマの言葉を待つ。
「こりゃ政府が追うとう人間達んことなんやけど。そん人間達はある高貴なお方ん関係者なんや。ロード君、君…思い当たる節があるんやなかかなあ?」
「……誰のことだよ…?」
「まあそん反応ならそれはそれでよかばい。続くるばい?そん人間達はある高貴なお方んなにか秘密ば握っとう可能性が高かけん今追われる身になっとーったい、実は…。そん人間達が最近になって顔ば見しぇ始めた…そこしゃぃなしてだか君がおるっちゃんね?ロード君…」
エマが笑顔で話す言葉の中に転がっていた
ヒントから其の追われる人間達とはランスと
ガスタの事だと全員が察し始める。
するとエマがロードに問い掛ける。
「君はなんであん人間達に近付いたと?あん人間達んなんば知っとーと?教えて欲しかね」
後ろ手に手を組んでニッコリと笑みを見せる
エマの言葉にロードが緩りと口を開く。
「アンタに教える義理はねぇよ…!」
つれないなあ、と言った様な呆れ顔を見せた
エマは仕方なしとばかりに断崖の前でロード
達を前にしながら緩りと次の言葉を放つ。
「じゃあもう少しこみいった話ばしようかな?そん高貴なお方ってんなね?プレジアん国王様んことなんや」
エマの一言にロードの表情が一層曇る。
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