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第九篇第三章 ポルナダベトルの戦い
舞い上がる飛竜と古代の角竜
しおりを挟む「大地覚醒…“猛破壊角”…!!」
リゼアの姿がトリケラトプスをモデルとした
姿へとまたも変貌を遂げて行った。
そして、二振りの鉞を勢い良く黒道の岩土を
叩き割る様に振り下ろすとシャーレを見遣り
睨みを強く効かせて来た。
すると、軽く息を吐いてシャーレが呟く。
「流水覚醒…“雅清飛竜”…!」
シャーレが逆巻く次縹色の流水の渦を身体に
纏い腕から伸びたマントの様な翼をヒラリと
靡かせる様に軸足を起点に一回転する。
「アレが…シャーレの覚醒…!」
初めて其の目に見たシャーレの覚醒にロード
もソフィアとの戦いの最中に息を呑む。
「ほう…其れが童の覚醒か…だが、まだ目醒め立て…赤子の様な波動である…!」
「なら一歩ずつ赤子の様に踏み締めて行けばいいのさ…臆して怯む事が無ければ…人はいつだって強く歩いて行けるのだから…!」
言葉と共にマントを翻しシャーレが活火山の
上空高くに舞い上がって行くとリゼアは其の
優雅な姿を見上げる。
そして、急激に滑空し自身を目指して加速を
始めたシャーレに向けて片方の鉞で大気へと
ヒビでも入れるかの如く薙ぎ払う。
すると特性“振動”が発動し滑空するシャーレ
を襲うと空中で体勢を崩してしまった。
「脆い…脆いのである。さあ、臆さず怯まず踏み締めるのは良いが…滅して更なる極楽を知るのも一興ぞ!!」
「さあ…其れはまだ早いかもしれない」
空中で体勢を崩した筈のシャーレが水と成り
弾けて消えて行くとリゼアは表情を変える。
そして、背後から聞こえて来た其の声に焦り
を催してリゼアは咄嗟に振り返る。
だが、其の反応は間に合わない。
振り返ると同時に振られた鉞は特性“泡沫”に
因って背後を取っていたシャーレのマントの
盾に防がれると片手で振り上げた青龍刀の
一撃がリゼアの肩付近を襲った。
そして、覚醒したリゼアの肩に備えられて
いたトリケラトプスの首元の襟飾りの様な
固い防具を斬り裂いて鮮血が舞う。
「よしっ…!シャーレの一撃が入ったっ!」
「おおっ!やるじゃねぇかッ!アイツ!」
ロードとソフィアの元に割って入った後で
ロードの真隣に立っていたポアラは笑顔で
ガッツポーズを見せていた。
「ははっ…ポアラ。見直したんじゃねぇのか?」
「な、なにがっ…!」
「ん?いつもスケベスケベ言ってっからよ。単なるスケベじゃなかったーってよ。何をあせってんだ?オメェは…」
「あ、そ、そっちね…」
不思議な顔をして首を傾げるロードを前に
ポアラはまさか此の鈍感男が色々と気付いて
居るのかと焦って表情を赤らめた事を後悔し
何やら恥ずかしさが込み上げていた。
「…ポアラ、顔赤いけどオメェ…」
「なんでもないってばっ!!」
何故か大声で言葉を割られロードは先程より
大きく首を傾げてハテナを浮かべた。
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