RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
419 / 954
第十篇第三章 反乱と革命のストリンジェンド

銀狼ノアvs暴刃ギルド

しおりを挟む





反乱軍幹部ギルドが太刀を構え革命軍総長の
ノアに向けて駆け出した瞬間にギルドの一歩
を起点に大地のギフトの特性の一つ“振動”が
発動し震脈を突いたかの様に大地が揺れる。

ノアは自身の身体から下半身に掛けて波動を
流し込み揺らぐ自身の身体を地面に引き付け
体勢を保ちながらギルドの師が打った名刀・
吹雪狼ふぶろを構えるのだった。



「ハッ…アンタの刀とこうして巡り会えたんだ…やっぱり俺はツイてんだろッ!?なあッ!!師よッ!!」



振り下ろされたギルドの太刀を見切り躱した
ノアは刀身ごと脇に仕舞い込むと次の一歩を
踏み出すと同時に真横に刃を薙ぎ払う。

ギルドは身体を横に捻り回避を試みるもノア
の剣撃は想像より早くほんの少し刃が自身の
身体へと触れ肩口から鮮血が舞う。

だが、其れも何のその。

ギルドはノアの身体に掴み掛かろうと自身の
大きな左手の手のひらをグッと伸ばすも其の
動きも振り上げられたノアの蹴りに因り真上
に弾かれると真下から振り上げられたノアの
剣先から放たれた銀色の旋風がギルドの身体
に直撃し突風ごと吹き飛ばされる。

ギルドの身体は岩盤を貫いて鉄鋼区域の地面
に大きな音を立てながら転がって行った。

しかし、身体から多量の出血を起こしながら
ギルドは直ぐ様に立ち上がりノアを見遣る。



「何で一気に攻め込んで来ねェ!?驕りか?ノア・クオンタム…!」


「さあな…」


「俺は“今”を必死に生きてる…だからよォ…どんな劣勢も俺を止める事なんざ出来ねェよッ!!」



ノアはギルドの身体から流れ出た多量の波動
とギフトのオーラに次の一手を察し身構える
姿勢を見せるとギルドは眼前でニヤリと不敵
な笑みを浮かべて視線を向けて来る。



「(侍の魂が生きてる限り…刀も死なねェ…そうだよなァ!?)」



ギルドはとある流浪人との会話を思い出して
自身の身体に檄を入れる。



「大地覚醒…“ 暴象刃鎧ランページウォリアー”ッッッ!!!!」



ギルドが覚醒を起こす。

其の身体に象の頭を象った鎧を纏い肩には
象の耳の形の防具が追加され全身の筋肉が
一気に増強され大きく変化した。

そして、顔から首に掛け黒いラインが入ると
ギルドは太刀を構えて重たい一歩を踏み出し
革命軍総長ノアへと斬り掛かって行く。

ギルドの放った太刀の振り下ろしをまたも
躱したノアであったが、其の剣先が触れた
大地は先程迄の比では無く激しく鳴動する。

更に其処からギルドが太刀を振り上げた事で
ノアの眼前の大気すら振動の恩恵を受け揺れ
始めると暴れ回るギルドの攻めが勢いを苛烈
に上げて行くのが止まらない。



「どうしたッ!?師の刀が泣いてるぜッ!?革命軍総長ノア・クオンタムッッ!!」



ノアの眼前にまたしても強く振り上げられた
ギルドの太刀が迫り来る。


しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!

風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。 185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク! ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。 そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、 チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、 さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて―― 「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」 オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、 †黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!

神木さんちのお兄ちゃん!

雪桜
キャラ文芸
✨ キャラ文芸ランキング週間・月間1位&累計250万pt突破、ありがとうございます! 神木家の双子の妹弟・華と蓮には"絶世の美男子"と言われるほどの金髪碧眼な『兄』がいる。 美人でカッコよくて、その上優しいお兄ちゃんは、常にみんなの人気者! だけど、そんな兄には、何故か彼女がいなかった。 幼い頃に母を亡くし、いつも母親代わりだったお兄ちゃん。もしかして、お兄ちゃんが彼女が作らないのは自分達のせい?! そう思った華と蓮は、兄のためにも自立することを決意する。 だけど、このお兄ちゃん。実は、家族しか愛せない超拗らせた兄だった! これは、モテまくってるくせに家族しか愛せない美人すぎるお兄ちゃんと、兄離れしたいけど、なかなか出来ない双子の妹弟が繰り広げる、甘くて優しくて、ちょっぴり切ない愛と絆のハートフルラブ(家族愛)コメディ。 果たして、家族しか愛せないお兄ちゃんに、恋人ができる日はくるのか? これは、美人すぎるお兄ちゃんがいる神木一家の、波乱万丈な日々を綴った物語である。 *** イラストは、全て自作です。 カクヨムにて、先行連載中。

処理中です...