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第十二篇第二章 プリズングァザ救出戦
海王の参戦
しおりを挟む「チートじゃないか…君のチカラは…」
「ちげーよ…俺のチカラじゃない。俺とシェリーの二人のチカラだ…!」
ロードの言葉にシェリーは頬を赤らめて身体
を震わせると照れ臭そうに笑みを浮かべる。
大監獄プリズングァザの外庭でのロードの姿
にどよめくアレス隊と看守達。
勢いは完全にロード達が握っていた。
そんな状況下にエンターフェーズから出て
正面の出入り口から一人の眼鏡の男が静かに
姿を現すと全員の視線が其方に集まる。
「あらら、何なん?此れは…。此れだけ雁首揃えてだいぶ苦戦してるんとちがう?アレス君……」
「……ば、バレット中将…!」
七支刀を構えながらゆらりゆらりと不気味さ
を醸し出しながら大群の中央を歩いて中央へ
向かうバレットに誰しもが道を開ける。
「君がロード君かいな?初めまして、ボクは中将のバレット。あんまりにも外がやかましいさかい鎮めに来たわぁ」
「……新手か…。狙い的にはいい感じなんじゃねぇのか…?」
「何で笑うてるん?まあ、直ぐにそないな感情何処かへ飛んで消えて行くで…ボクの此のチカラでな…!」
バレットは七支刀を振り上げると水色の水流
を巻き起こし其の水流を大きな鮫の姿へ変化
させニヤリと笑みを浮かべる。
其の瞬間だった。
ロードの背後から鈍色の銃弾が其の水色の鮫
の姿を貫き只の水へと回帰させる。
辺り一帯に雨の様に降り注ぐ其の水を見上げ
バレットは表情を曇らせると其の弾丸が飛び
込んで来た方向に目を向ける。
すると、其の方向から鋼の鎧を纏うライフル
を手にした男が跳んで着地する姿を見遣る。
「へぇ、流石は伝説の兵士やな。会えて光栄やで、レザノフ・スタールマン…!」
「昔、貴方に良く似た男と対峙した事がありましたよ…彼の名前もワグナーだった。つまり息子さん、ですかね?」
「ボクの父ツィオーネ・ワグナーを知っとるんやなあ…父はアンタの事を怪物やと評価しとったで…」
「怪物とは…フフ…失敬な方ですね」
レザノフとバレットの会話を聞きながら横目
で顔を覗き込んでいたロードにレザノフから
一つの提案が為される。
「彼は私が受け持ちましょう。ロード殿…緑色の髪の青年少将との決着を着けて来て下さい」
「へっ…やっぱ頼もしいな…レザノフさんはよ…」
「フフ…若き貴方達の成長速度の方が私にとっては頼もしいモノですよ」
大監獄プリズングァザの外庭へと参戦して
来た中将バレットと護衛隊長レザノフの視線
が火花を立てながら混じり合う。
そして、アレスもまたロードを見遣りチート
だと評してしまった相手を前に竦む足を奮い
立たせて戦火へと再び入り込んで行く。
また覚醒したレザノフを前にバレットは自身
の身体に水色の波動とオーラを渦巻かせ高み
へと登り行く其の真の姿を解放して行った。
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