RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
521 / 954
第十二篇第二章 プリズングァザ救出戦

海王の参戦

しおりを挟む





「チートじゃないか…君のチカラは…」


「ちげーよ…俺のチカラじゃない。俺とシェリーの二人のチカラだ…!」



ロードの言葉にシェリーは頬を赤らめて身体
を震わせると照れ臭そうに笑みを浮かべる。

大監獄プリズングァザの外庭でのロードの姿
にどよめくアレス隊と看守達。

勢いは完全にロード達が握っていた。

そんな状況下にエンターフェーズから出て
正面の出入り口から一人の眼鏡の男が静かに
姿を現すと全員の視線が其方に集まる。



「あらら、何なん?此れは…。此れだけ雁首揃えてだいぶ苦戦してるんとちがう?アレス君……」


「……ば、バレット中将…!」



七支刀を構えながらゆらりゆらりと不気味さ
を醸し出しながら大群の中央を歩いて中央へ
向かうバレットに誰しもが道を開ける。



「君がロード君かいな?初めまして、ボクは中将のバレット。あんまりにも外がやかましいさかい鎮めに来たわぁ」


「……新手か…。狙い的にはいい感じなんじゃねぇのか…?」


「何で笑うてるん?まあ、直ぐにそないな感情何処かへ飛んで消えて行くで…ボクの此のチカラでな…!」



バレットは七支刀を振り上げると水色の水流
を巻き起こし其の水流を大きな鮫の姿へ変化
させニヤリと笑みを浮かべる。

其の瞬間だった。

ロードの背後から鈍色の銃弾が其の水色の鮫
の姿を貫き只の水へと回帰させる。

辺り一帯に雨の様に降り注ぐ其の水を見上げ
バレットは表情を曇らせると其の弾丸が飛び
込んで来た方向に目を向ける。

すると、其の方向から鋼の鎧を纏うライフル
を手にした男が跳んで着地する姿を見遣る。



「へぇ、流石は伝説の兵士やな。会えて光栄やで、レザノフ・スタールマン…!」


「昔、貴方に良く似た男と対峙した事がありましたよ…彼の名前もワグナーだった。つまり息子さん、ですかね?」


「ボクの父ツィオーネ・ワグナーを知っとるんやなあ…父はアンタの事を怪物やと評価しとったで…」


「怪物とは…フフ…失敬な方ですね」



レザノフとバレットの会話を聞きながら横目
で顔を覗き込んでいたロードにレザノフから
一つの提案が為される。



「彼は私が受け持ちましょう。ロード殿…緑色の髪の青年少将との決着を着けて来て下さい」


「へっ…やっぱ頼もしいな…レザノフさんはよ…」


「フフ…若き貴方達の成長速度の方が私にとっては頼もしいモノですよ」



大監獄プリズングァザの外庭へと参戦して
来た中将バレットと護衛隊長レザノフの視線
が火花を立てながら混じり合う。

そして、アレスもまたロードを見遣りチート
だと評してしまった相手を前に竦む足を奮い
立たせて戦火へと再び入り込んで行く。

また覚醒したレザノフを前にバレットは自身
の身体に水色の波動とオーラを渦巻かせ高み
へと登り行く其の真の姿を解放して行った。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件

おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。 最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する! しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。

うっかり故郷を滅ぼしたくないので、幼馴染と旅に出る!

一花カナウ
ファンタジー
あたしが生まれたこの世界にはこんな言い伝えがある。 『十年に一度、年頃となる少年あるいは少女を町から一人選び神に差し出せ。 選択が間違いでなければ、町に幸福が訪れるだろう』 つまり、選択に間違いがあれば町には不幸がやってくる。 あたしことミマナ=グラシアは、 町長の見た夢が原因で、町の運命を左右するといわれる町の代表に選ばれた。 十六歳になったばかりの夏の出来事だった。 -------- 恋愛成分が残念な方向に伸びてしまっているような気がしないでもない、ご都合主義ラブコメ冒険ファンタジー。 -------- 2019/03/19 21時HOTランキング53位感謝!

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

優秀過ぎてSSランク冒険者に任命された少女、仕事したくないから男装して学園に入学する。

コヨコヨ
ファンタジー
 キアスは優秀過ぎる女冒険者として二年間のあいだ休みなく働く日々を送っていた。そんな中、魔王の調査と王国初となるSSランク昇格の話が……。  どうしても働きたくなかったキアスはギルドマスターを脅迫し、三年間の休暇を得る。  心のバイブルである男と男のラブロマンスを書きたくて仕方がなかったから、男装して男子しかいない学園に入学した。ついでに、師匠との鍛練と仕事で失われた平穏な日々を過ごしたい。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

詩歌官奇譚(しかかんきたん)

三塚 章
ファンタジー
旅をして民の歌や詩を収集する詩歌官、楽瞬(らくしゅん)。今度の村には幽霊が出るらしい。

処理中です...