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第十三篇第一章 創痕癒す光の泉
立ち塞がる裏帝の猛者達
しおりを挟む両陣営の視線が月下に交わる。
「アイツ等……!」
ロードの視線の先に居た人影は五つ。
其れは火の街メルフレアで見て以来の顔触れ
であり、猛者の揃い踏みと言った光景。
「……よう。あのチカラ……少しは使いこなせる様になったんだろうなァ?」
「イレズミ野郎ッ……!」
ロードにそう呼ばれた男は冷たい視線を向け
緩りと大岩の上に立ち上がって見せる。
「政府直下裏帝軍……幹部含めて軍団長まで……揃い踏み、という訳ですか」
「いやはや……バルモアの英雄レザノフ…気が隠し切れていませんねぇ…怖い怖い…」
政府直下裏帝軍幹部スネイクがそう話すと
其の他の幹部達と合わせて四人が大岩を降り
光の泉近くに陣取るロード達と視線を合わせ
一触即発の空気を作り上げる。
「アイツは雪山向かった時にもおった二重人格野郎やな…不気味やで、ホンマ」
「オイオイ、人を捕まえて不気味とは口が過ぎるぞ?バルモアの人間よ…!」
裏帝軍幹部アノンはニヤリと不敵な笑みを
浮かべてシグマを睨み付ける。
「政府は大変な状況と聞いていたからな…なりふり構わず裏帝軍全勢力を投入と来たか」
「妾達への上層部からの圧力も日に日に増しておるのじゃ……覚悟するでありんす」
シャーレの言葉に反応した裏帝軍幹部ライア
は悲壮感を言葉に滲ませる。
「ポアラ、うちらも退くに引けん所まできとーったい、前ん借りと合わせて返させてもらうばい」
「エマ……そんな簡単に負けてもあげるワケないでしょっ…!」
ポアラと視線を合わせた裏帝軍幹部エマの
表情からも覚悟が伝わって来る。
「はわわわわっ……やっぱりリア様の不安が的中しましたっ…!」
ロード達の背後で震え上がるシェリーの姿を
見た軍団長グレイはニヤリと笑う。
「オイ……護りきって見せろよ?あんだけ大口叩きやがったんだからなァ!!」
「あたりめぇだッ!!テメェ等の好きな様になんかさせねぇよッ!!」
裏帝軍軍団長グレイが薙刀を手に握る。
祈りの街メイデンセイスを舞台にロード達と
政府直下裏帝軍の戦いの幕が上がろうとして
いると、グレイが指示を飛ばす。
「俺とあの赤髪を戦わせろ……姫はまあ、戦力じゃねぇだろッ……テメェ等に後の四人をくれてやる。まあ、英雄とか呼ばれてるレザノフぐらいだろ…当たりはよッ…!」
「むっちゃくちゃ舐められとるやんけ…」
「だな……吹かせるのは一泡だけじゃ済まなそうだ…!」
「ホントだよっ……清々しいホド、下に見ちゃってさあ…!」
「落ち着きましょう。彼等も今の現状に切羽詰まっているのでしょう、此処は落胆という未来を見せてあげるのが良いかと」
レザノフの言葉にロード達が深く頷いた。
其々が武器を手に取り戦闘体勢へと入ると
ロードに誘われてシェリーが最後方へ下がり
月下に戦いのゴングが鳴らされる。
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