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第十三篇第二章 鳳凰殿への来客
元帝国軍元帥 テイラー・ホプキンス
しおりを挟む「ホッホッホ…数年振りじゃのう。皆の者…変わりないかと問いたい所じゃが……アビスよ……腕を上げた所では無いのう…見違える程の波動のチカラじゃ」
「……其れはどうも。元帝国軍元帥…テイラー・ホプキンス殿に褒めて頂けるのは嬉しいですよ……」
現れた白髪の老人の正体。
元国王直下帝国軍元帥テイラー・ホプキンス
と言われれば此の国の民は当然として隣国の
列強国相手でも知っている男。
此の場に居た全員がテイラーのチカラは良く
知っている事から触れて来なかったがアビス
が凍結させた此の場を一瞬で元へと戻すなど
普通の事では無い。
だが、此の程度は伝説と呼ばれる此の男の
氷山の一角にしか過ぎない事も誰もが知る
当然の事実だったのだ。
「テイラー殿……貴方は何故、此方へ?」
「ホッホッホ……愛弟子が大怪我したと聞いての……見舞いに訪れただけじゃよ。かくいう君もそうだったのかい?アビス」
「俺が奴への見舞い…?ふざけた事を仰らないで下さいよ……」
「ホッホッホ……そうじゃった、そうじゃった。君はガルフを恨んでおったんじゃったな…歳を取ると忘れっぽくて敵わんよ」
アビスはテイラーの発言に恐らく真意は自身
への当て付けだと気付いていた。
多少、表情を歪ませていたアビスにテイラー
の次の言葉が舞い込んで来た。
「ホッホッホ……そう言えば長いのう…親子喧嘩は……仲直りした方が良きだと思うぞ」
「親子…か…。俺はジャッククォーツという血流の縁から逃れる為に奴を超えに来た。しかし、他人に負けた奴に等、もう興味はありませんよ」
アビスの言葉に思わずテイラーは頬を緩ませ
静かに笑みを浮かべていた。
そして、言葉を言い放つ。
「ホッホッホ……そうは言っても切って切れぬが親子の縁じゃ。私には…最もガルフを意識しとるのは君に見えるがの…アビス」
「……………ッ!」
アビスは言葉を失ってしまう。
アビスは現在で未だ二十一歳。
ついこないだまで十代だった彼に見え隠れ
する幼さに気付いていたリアは心の中で今
テイラーの放った言葉に共感を持つ。
自身を捨てた父への恨み。
其れが彼の行動原理となっているならば其の
テイラーの発言はほぼ当確と言える。
ジャッククォーツの息子となれば周囲は彼を
色物扱いした事は明白だろう。
だからこそ、ジャッククォーツという名から
解放されアビスという自分自身の強さを周囲
に本当の意味で認めさせたい。
其れがアビスの本心なのだ。
だからこそ、アビスの帝国軍入隊時を知って
いるテイラーは寂しさを覚えていた。
アビスの抱えて来た苦悩とサラブレッドと
呼ばれて重圧の中で踠いている今。
全ては、ガルフが背負った運命が原因。
其処もテイラー含めて六撰将のメンバーは
全てを知っている。
だからこそ、以前が輝かしく見えるのだ。
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