RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十三篇第五章 生まれながらの枷

一族の末路

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「此処からは御主の実体験通りの末路を迎える……のう、シルヴァよ」



一族全てが奴隷に堕ちた後、政府内には一つ
の問題が浮上し始めた。

政府内から密偵として立場を確立していた中
で此のホーリーセンス家の枠組みからの逸脱
という問題である。

裏帝軍を使った所で此のホーリーセンス一族
の持つ密偵としての探査力は他に無い。

そもそも国という強大なモノの問題の全てを
解決していくには帝国軍、裏帝軍という組織
を動かした所で間に合う筈も無く。

どうしても他の勢力との協力関係を結ぶ事が
不可欠であったのだ。

其れは所謂、現代の外注業者との関係に近い
とも言えるのでは無いだろうか。

ガズナは奴隷に堕ちた一族の中から彼らには
見返りを渡すとして一人を選抜した。

其れが、当時十八歳ながら傑出した才を誇る
と呼び声の高かったシルヴァであった。

そして、其の見返りが一族の人間達に対する
掘削作業を行わせる上での待遇の改善。

奴隷として堕ちた反逆の一族である彼等には
其の地位からの脱却は認められない。

だが、しかし。

食事面、衛生面、医療面等を其処等の人間達
と同等に改善する事を政府側からシルヴァ達
に対して提案をして見せた。

当時のシルヴァ達は其の場で生き永らえる事
が出来るかどうかの狭間であった。

政府からの提案を呑み、シルヴァが変わらず
政府からの指令をこなして行けば一族の皆が
奴隷という立場の中でも必要最低限の生活を
送る事が出来ると踏み、シルヴァは此の提案
を呑む事を、決断したのだった。

其れがホーリーセンスの一族が奴隷に堕ちて
から二年が経った時の事だった。

そして、シルヴァが政府の中で密偵として影
を再度生き始めてから四年が経った頃に政府
との協力関係の輪に新たな名が増えた。

其れが傭兵武族・死蜘蛛狂天である。

政府は死蜘蛛狂天と取引を始めてから三年で
此の傭兵武族との信頼関係構築を済ませた。

此の事で次世代のホーリーセンスの一族達が
担って来た役割のポストが埋まった。

そして、其れと同時に台頭を果たした新たな
勢力へと政府の警戒が本腰に入る。

其れが護国師団反乱軍と独立師団革命軍だ。

何方も政府への敵対意識は強く視界に入れる
には邪魔な存在であったが其の中でも異国の
バルモアと繋がろうとした革命軍への警戒度
は高かった様に思う。

密偵や情報収集を担う死蜘蛛狂天という組織
が現れた事でシルヴァに下された残りの役割
こそが、潜入であった。

シルヴァ・ホーリーセンス、二十二歳。

政府からの指令に因って独立師団革命軍への
潜入を目指し、動く事となった。

此処からシルヴァが革命軍にとって裏切り者
政府にとってスパイという人生が始まる。

そして、彼にとって一族を護る為の悲しき
孤独の戦いが始まる事を意味していた。

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