RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十五篇第一章 篩分の門番

空の街 スカイニウム

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度重なる激戦の疵も癒えぬまま、ロード達は
空の街スカイニウムへと旅立つ。

重たい身体のせいか、はたまたロードに降り
掛かって来た両親捕縛の心の問題なのか、皆
の足取りはとてもズシリと地に沈み行く。

こうして、処刑決行までの十日の中で三日を
費やして漸く空の街へと辿り着いた一行。

此処は、空の街スカイニウムの名を冠する事
を証明する様な場所である。

其の名も、山脈コンシェンチャンダ。

空の街スカイニウムとは、プレジア最高峰を
冠する此の山脈を起点に創り上げられた街。

此の山脈の頂上が天にも届こうかという高さ
を持つ事から此の名が付けられている。

ロード達は此の山脈を下から見上げると頂上
の位置が雲に覆われている事から其の高さを
身体に知らされる事となった。

そして、ランスの先導を受けて空の街の山脈
コンシェンチャンダの一合目を目指す。



「なんや……ココに来て山登りかいな……」


「頂上を目指す訳ではありません。我慢しなさいシグマ」


「へいへい……がんばりまっせ…レザノフさん……」



列の後方でぶうたれているシグマの気持ちも
解らなくはない、精神的に来ている今の此の
状況で死蜘蛛狂天がチョイスした場所が山脈
の一合目と来ればだ。

だが、足は止まらない。

段々と全員の息が上がり始めた頃にロード達
が辿り着いたのは古風ながら絢爛な佇まいを
見せる一つの武道院だった。



「懐かしいのう…若い頃には良くココに来たもんだ」


「……ええ。政府や帝国軍に関わった者は皆が通る道でしょう」


「………アーディラ武道院。良くシゴかれたモンだな……しゃらくせぇ」



大きな門戸の前に立ってアーディラ武道院を
見詰めるランス、ガスタ、ガルフの政府内を
知る三人が言葉を並べた。

そして、ロード達は其の門を潜ると中に足を
踏み入れて行くと左右に建物が並び中間の石
で出来た通りを進んで行く。

すると山脈コンシェンチャンダから空中へと
飛び出そうかと言う面前に三箇所の円形形状
を石造りで造られた鍛錬場を見つけた。



「おお……なんか強くなれそうだな…」


「……ロード、感想が解り易いが解りにくい…」


「……シャーレ、アンタ…良くそれ間髪入れずに言葉にしたねっ……」



何とも抽象的なロードの言葉にツッコんだ筈
のシャーレにポアラが驚嘆を見せる。



「……はわわっ…あの人達は……」



そんな会話の最中にシェリーが眼前の高台に
立ち尽くす三人の姿を発見した。

そして、其の三人は高台を蹴り上げて颯爽と
ロード達の前に飛び降りて来た。



「彼等が僕達にアポを取って来た死蜘蛛狂天……へぇ、何だか貫禄があるね」


「ランスさん達は彼等を知っていると言っていましたが……どうにも風貌的に信用していいのやら…」


「其処はあの人達を信じましょう。きっと何か大事な話があるんだと思います」



死蜘蛛狂天を前に六撰将として此の場所へと
同行を果たしたマルク、リア、ザックの三人
が不安と期待の言葉を漏らす。

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