RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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最終篇第三章 “兄弟が背負う哀しき因縁”

死神の鎌

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「……兄さんはあの後…戻って来たのか?」


「あァ…あん時迄は…テメェを一人にしちまった事への罪悪感が残ってたからなァ…だけど…テメェは既に孤児村へ送られてやがってよォ…会えず終いってワケだァ…」


「……なら何故、兄さんも此方へ来なかったんだ…?兄さんの話が本当なら…俺を護る為に親を手に掛けたのだろう…?」



其処がノアから語られたタイミングでアーク
は額に手を当てて狂った様な笑みを溢す。



「ヒャハハ……俺はあの後…総てを知る事になったァ…そんでよォ…全部が全部…イカれて壊れちまったんだよォォ!!」


「何があったと言うんだ…?兄さん…」


「やめろォ…テメェを見てると奴等の顔を思い出す…ケリ着けてェんだよォ…此の首元に翳された死神の鎌から這い出て…俺はァ…本物の自由を手にするッ!!」



急激に荒振り始めたアークの波動。

そして、ノアには理解し切れない言葉が耳に
入り込んで来る中で禍々しい殺意を感じた。



「俺が自由になんにはテメェも邪魔だァ!!ノアァァ!!俺の前から消えろよォ…革命家気取りの血筋毎なァァ!!」


「………そうか。やはり兄さんは変わったな…あの日…両親を手に掛けて本当に壊れてしまったんだ…殺人鬼へとな…」



ノアが全身から銀色の波動を解き放つ。

其れに合わせてアークの身体には千歳緑色の
波動が纏われ天地を揺るがし始める。

そして、両者が地面を蹴り上げた。

互いの視線と波動、そして其の手に握られる
鎌と刃がぶつかり合う。

王都を呑み込む程の衝撃波を放つ其の一撃に
王都中の人間達はこう考えた。

あの塔でも死闘が始まったのだと。

互いに武器をぶつけ合い、鎌には鍔は無いが
鍔迫り合いの状態に戦いは進んだ。



「ヒャハハ…ノア…よォく思い出して見ろよォ…奴等は俺等に良くこうやって語ったよなァ…“外の世界は今見てる景色よりもずっと広いんだ”ってよォ……!!」


「ああ…良く教えて貰っていたな…」


「蓋を開けてみりゃァよ…ソイツは俺等を反逆者にする為の洗脳だったワケだァ…ああ、怖ェなァ……テメェは其の洗脳にまんまとハマったワケだァ…」


「……ッ!!違うぞ…兄さん。俺は俺の意思で其の夢を描き始めたんだ…」


「ヒャハハ…テメェはホント、おかてェ野郎だなァ……キッカケは“親の言葉”って事には変わりねェだろうがァァ!!」



アークが鎌を振り切る。

其の勢いと圧に吹き飛ばされたノアは体勢を
崩していたが銀色の風をまるで乗り物の様に
使いこなし空中で体勢を整える。



「成る程な…そうやって親の跡を継いだ形となった俺が憎い訳か…だから其の鎌で総てを斬り刻み…孤独を進みたいと受け取ったぞ」


「ヒャハハ…どうとでも思ってくれて構わねェよォ…」



地面に再度、降り立ったノアとアークの視線
がぶつけ合い、火花を散らす。
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