23 / 40
3章 我が忠実なる家臣団
3話 亡命貴族の部屋?
しおりを挟む
ロビーと違い、9階は静まり返っていた。
防音設備が凄いだけなのかも知れないが、
人の気配は全く感じなかった。
ホテルの廊下には、幾つもの絵画が飾られており、
9階が特別なフロアであることを、示していた。
由良穂香は、大きな絵画の前で立ち止まった。
それは、とても大きな絵画で、
あるじの背丈と同じぐらいの高さがあった。
絵画には、20代後半の女性が描かれていた。
とても品の良い女性だ。
あるじは、制服の下のつけていたネックレスを取り出した。
ネックレスの先には、小さな黄金の鍵が付けられていて、
装飾品の様な可愛らしい鍵だった。
「純金の鍵です。キラキラなのです♪」
純金の鍵は、僕の目の前でキラキラと輝いた。
その可愛らしい純金の鍵が、
さっきまであるじの肌の温もりに触れていたと思うと、
ちょっと嫉妬した。
「これをですね・・・ここに」
額縁の裏側にあるであろう鍵穴に、
黄金の鍵を差し込んだ。
額縁の奥で、「ガチャ」と何かが開く音がした。
すると大きな額縁はドアの様に開き、
その先には隠し部屋が現れた。
「防犯用のパニックルームなのですぅ」
パニックルーム・・・
確か、犯罪者が家に侵入された時に、
一時的に逃げ込む部屋・・・だったかな。
あるじは重厚なドアを開けた。
「早く入ってください。ここは、
あまり人に見られたくない設備なのです」
僕がそのパニックルームに入ると、
あるじはその重厚なドアを閉めた。
僕は、何か凄い閉塞感を感じた。
パニックルームには、素人の僕が見ても解る、
高価な家具が待ち構えていた。
スウィートルームと言っても良い広さと豪華さだったが、
窓は1つもなかった。
軟禁された亡命貴族の部屋と言った感じの雰囲気だ。
「ここが、当面の間の家臣くんの隠れ家です。
家臣くんは、今は記憶がないとは言え、
誘拐犯グループのパシリさんでした。
誘拐犯グループの背後にいる誰かに取っても、
私に取っても、重要な切り札です。だから・・・」
由良穂香は、可愛く微笑んだ後、この部屋の設備を説明した。
衣食住、10日分揃っている事。
セキュりティーは、最上級である事。
そして、自分は1度家に帰る事を告げた。
「私も色々片付いたら、また来るね」
と、言い残すと、パニックルームから去って行った。
由良穂香によって、
絵画の掛けられた重厚なドアが、閉められると、
完全な密室になった。
由良穂香が居なくなると、激しい孤独感に苛まれた。
「軟禁された亡命貴族の部屋・・・
もしかすると、僕は・・・」
脳裏に色々な可能性が浮かんでは消えた。
Ⅰ軟禁
Ⅱ憲兵隊に通報
Ⅲ誘拐犯として逮捕
あるじが僕を裏切る可能性の数々・・・
「出ようと思えば、出れるはずだ。」
僕は、ドアのノブを微かに動かした。
外からは鍵は掛かっていない。
でも、それは、
あるじに対する裏切りと思えなくもなかった。
あるじを、信用していない裏切り。
しかし、あるじが僕を裏切っていたら?
由良穂香は、憲兵隊本部長の娘だし・・・
誘拐犯の一味の僕を引き渡すのは、
当然と言えば当然かも知れない。
でも、それなら、あの廃バスや秘密の巣窟に、
連れては行かないはずだ・・・
孤独は判断を誤らす。
つづく
秘密結社な小説への御来訪、
ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ
防音設備が凄いだけなのかも知れないが、
人の気配は全く感じなかった。
ホテルの廊下には、幾つもの絵画が飾られており、
9階が特別なフロアであることを、示していた。
由良穂香は、大きな絵画の前で立ち止まった。
それは、とても大きな絵画で、
あるじの背丈と同じぐらいの高さがあった。
絵画には、20代後半の女性が描かれていた。
とても品の良い女性だ。
あるじは、制服の下のつけていたネックレスを取り出した。
ネックレスの先には、小さな黄金の鍵が付けられていて、
装飾品の様な可愛らしい鍵だった。
「純金の鍵です。キラキラなのです♪」
純金の鍵は、僕の目の前でキラキラと輝いた。
その可愛らしい純金の鍵が、
さっきまであるじの肌の温もりに触れていたと思うと、
ちょっと嫉妬した。
「これをですね・・・ここに」
額縁の裏側にあるであろう鍵穴に、
黄金の鍵を差し込んだ。
額縁の奥で、「ガチャ」と何かが開く音がした。
すると大きな額縁はドアの様に開き、
その先には隠し部屋が現れた。
「防犯用のパニックルームなのですぅ」
パニックルーム・・・
確か、犯罪者が家に侵入された時に、
一時的に逃げ込む部屋・・・だったかな。
あるじは重厚なドアを開けた。
「早く入ってください。ここは、
あまり人に見られたくない設備なのです」
僕がそのパニックルームに入ると、
あるじはその重厚なドアを閉めた。
僕は、何か凄い閉塞感を感じた。
パニックルームには、素人の僕が見ても解る、
高価な家具が待ち構えていた。
スウィートルームと言っても良い広さと豪華さだったが、
窓は1つもなかった。
軟禁された亡命貴族の部屋と言った感じの雰囲気だ。
「ここが、当面の間の家臣くんの隠れ家です。
家臣くんは、今は記憶がないとは言え、
誘拐犯グループのパシリさんでした。
誘拐犯グループの背後にいる誰かに取っても、
私に取っても、重要な切り札です。だから・・・」
由良穂香は、可愛く微笑んだ後、この部屋の設備を説明した。
衣食住、10日分揃っている事。
セキュりティーは、最上級である事。
そして、自分は1度家に帰る事を告げた。
「私も色々片付いたら、また来るね」
と、言い残すと、パニックルームから去って行った。
由良穂香によって、
絵画の掛けられた重厚なドアが、閉められると、
完全な密室になった。
由良穂香が居なくなると、激しい孤独感に苛まれた。
「軟禁された亡命貴族の部屋・・・
もしかすると、僕は・・・」
脳裏に色々な可能性が浮かんでは消えた。
Ⅰ軟禁
Ⅱ憲兵隊に通報
Ⅲ誘拐犯として逮捕
あるじが僕を裏切る可能性の数々・・・
「出ようと思えば、出れるはずだ。」
僕は、ドアのノブを微かに動かした。
外からは鍵は掛かっていない。
でも、それは、
あるじに対する裏切りと思えなくもなかった。
あるじを、信用していない裏切り。
しかし、あるじが僕を裏切っていたら?
由良穂香は、憲兵隊本部長の娘だし・・・
誘拐犯の一味の僕を引き渡すのは、
当然と言えば当然かも知れない。
でも、それなら、あの廃バスや秘密の巣窟に、
連れては行かないはずだ・・・
孤独は判断を誤らす。
つづく
秘密結社な小説への御来訪、
ありがとうございます。 [壁]‥) チラッ
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
明治かんなぎ少女の冥契 五百年の時を超えて、あなたに愛を
花籠しずく
キャラ文芸
――ですが、わたくしは生まれました。あなたに会うために。
月のものが来るようになってから、琥珀は不思議な夢を見る。誰かに探されている夢。きっと大切な人だったことは分かるのに、目が覚めると朧気で何も思い出せない。婚約者である志貴の言いなりの人形になる生活をし、生家とは会うと脅され、心が疲弊していたある日、家からひとり抜け出すと、妖魔のようなものに出会う。呪術師である志貴に、一時祓ってもらいはしたが、不思議と心が痛む。夢に美しい男が現れ、声に導かれるようにして、ある山のふもとの、廃れた神社の中に入ると、そこには苦しそうに蹲るあの妖魔がいた。琥珀はそれが夢に現れた、蘿月という男だと直感する。全身が黒い靄で包まれた彼の、靄を払う方法を、どうしてか琥珀は知っていた。口づけをし、息を吹き込むように、生きて、と願った。
帰ってすぐに志貴に殴られ、月のものがはじまっていたことが志貴にばれる。琥珀を穢そうとする志貴の様子に恐ろしさを覚えて、助けてと叫んだその瞬間、闇を裂くようにして、蘿月が現れた。
「琥珀は、俺が五百年待ち望んだ花嫁だ」
これは、時を超えて紡がれる愛の物語。そして虐げられた少女が、愛を知り、愛のために生きる自由を選ぶ物語。
※R-15っぽいゆるい性描写があります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる