破滅の王子と武者倶楽部 美少女は秘密結社のエージェント♪

健野屋文乃(たけのやふみの)

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1章 憲兵隊本部長の娘

2話 作戦は失敗したらしい。

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雨の中僕は、公園付近の駐車場を探索した。
電子キーなら簡単に、自分が乗っていたであろう車を見つけられるはず!

公園のすぐ隣は住宅街だ。
静まり返った住宅街から、安らかな寝息が聞こえてきそう・・
今の僕とは対照的で、なんか泣けてくる。

車は、思っていた以上にすぐ見つかった。
ポケットの中の鍵に気づいていれば、
こんなに時間を無駄にすることもなかったのに。

電子キーを押すと、白のワンボックスのワゴン車がライトを点滅させて、僕に合図を返した。

「なかなか可愛い奴だ」

僕は運転席に乗り込んだ。
運転席はすぐに僕の身体に馴染んだ。

間違いない、僕の車だ。多分・・・・

「う~う~」

後部座席からの声に、僕の身体は全力でビビった。

3列目の後部座席には、身体を縛られ、手錠を掛けられ、口を塞がれた少女が呻き声を上げていた。
そんな不穏な状況に、僕の身体は全力で怯えた。

一体僕は何をやったんだ?

セーラー服を着た少女は、目で何かを必死に訴えていた。

状況からして、僕が誘拐した少女か?

とりあえず・・・・

少女に話を聞いてみない事には、詳細は理解できない。
僕は少女の口を塞いでるガムテープをゆっくりと剥いだ。

すると

「お願い、逃げないから、トイレに行かせて!もう限界!」
「えっえっえっ」

どうしよう。

僕の頭脳はそれに関して、何の回答を出すことは出来ず。
「お願いです!」
彼女の声に押されて、彼女を車外に出した。 しかし、
「あ・・・」
彼女は悲しい声を出した。

作戦が失敗したらしい。
 
誘拐された?事に比べれば、そんなに悲劇とは言えないが、女子のプライド的には、比べものにならないレベルの悲劇だ。

目の前の少女から、清楚系美少女お嬢様オーラが、崩れ落ちる瞬間を僕は、とても残念な現場を目撃してしまった。

「なんか・・・ごめん」

清楚系美少女お嬢様オーラが、剥がれた直後の少女は呆然としていた。

「あの・・・バック取ってもらえます?」

彼女は弱々しく言った。
僕はすぐに陸上部と書かれたバックを彼女に渡した。

「大丈夫、見なかったことにするから」

僕は慰めになるかどうか解らない言葉を掛けた。

「これで私を撮ってもらえます?」

と少女は黒い箱型のカメラを僕に渡した。
実物は初めて見たけど、2眼レフカメラか?

「漏らした自分を撮ってくれと?」
「自分を、より客観的に捉えて置きたいので」
「う・・うん」

しかし、どうしよう・・・・

今は誘拐中・・多分。僕は記憶喪失中。彼女はお漏らし中。

「安心してください。後で法廷に提出とか誓ってしないので」

【法廷】その言葉が、僕の肩にずっしりと乗った。

今までの僕が真面目に生きて来たのかは解らないが、現時点で僕は罪を犯している。それも、かなりの重罪だ。
僕はその言葉の衝撃に耐えながら、カメラを彼女に向けた。

向けられた彼女は、哀しげに俯(うつむ)いた。

「ちょっと見せてもらえます?」

そう言われ、写真を一枚見せた。

数秒、確認した後、

「はい、おkです、さっきのより上手に撮れてます」

さっきも撮ってたのかよ!
何してんだよ、さっきのこの子&さっきの僕!

誘拐中だよ!

「ちょっとそこの水道で洗ってきても良いですか?」
「う・・うん」
「誘拐犯のパシリさんも、着いてきます?」
「パシリ?」

僕は主犯ではないようだ。

深夜の公園の水道で、女子の下半身を洗ってるところを、誰かに見られたら、即、通報される。
でもさいわい、深夜の公園には誰の姿も見えなかった。

「これをこーしてここに・・・・。」
彼女に言われるまま僕は、人が来るかも知れない方向に立ち、バスタオルを広げ壁になった。

「えっえっえっ、ここでスカートを脱ぐの?」
「大丈夫です」
彼女は、小さい声で囁いくと、蛇口を上にして、パンツに向けて水を噴出させた。

「また撮ってもらえます?」
「えっ、ここでも?」
「はい」

僕は仕方なくバスタオルの壁を維持しつつ、カメラで彼女を撮影した。
陸上部で鍛えられた彼女の足腰は、暗闇の中でも惹きたった。

「はい、ありがとうございます」
の声で撮影は終わった。

バスタオルを腰に巻くと、濡れたパンツを脱ぎ、陸上用の短パンに着替えた。

「記念に、いります?」

彼女は濡れた方のパンツを僕に示した。
僕は相当変態だと思われているらしい・・・。
そこまで変態じゃない。いや変態かも知れない。
まあ誘拐犯のパシリらしいし、それは仕方ないか。

しかし、なんの記念だろう?

「いらない」
「ホントに?」
「ホントに」
「良かった。そんなに変態じゃなくて」

彼女はちょっと安心したみたいだが、

それはどうだろう?

今の僕が本能に忠実じゃなかったってだけで、本能にもっと忠誠を誓っていたら、違う答えになっていたはずだ。
彼女は濡れたパンツをバックにしまった。

「はあ」

彼女は、色んな種類の意味を含んだ溜息をついた。
その小さな溜息は僕の心に沁み渡り、居た堪れなくなった。


つづく
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