思惟ちゃんと式神的な巨大ロボット

２章 分身の術？

８話 主犯のニッキ―

１人の思惟は椅子に座り、机の奥にしまってある日記を取り出した。

最初の１日だけ、気持ちを込めて書かれている日記。

３日どころか、２日も続かなかった。

中学１年の初登校日の日記だ。


「我ながら・・・・残念。」


机の横のべットでは、同じ班の３人の思惟が深い眠りに入っていた。

真ん中の裸族の思惟の股には、塔の様にコテカが建っていた。


変態１名の両隣に添い寝する２人の少女。


「寝顔が可愛い・・・」
その言葉は自画自賛と言ってもいかも・・・


思惟は、デジカメでその姿を撮った。

仮に彼女の事を、日記の思惟・・・・仮にニッキ―と呼ぶことにする。


ニッキ―は、３人の思惟が写った写真を眺めた。

自分と同じ姿をした他者？

もしくは自分の分身かも知れない存在。

それは不思議な存在だが、それを自分の中でどう位置づけすればいいのか、迷っていた。


それはそれとして・・・


「違うな・・・。もうちょっとこう・・・衝撃的な・・・」

消灯された女将の間で、ニッキ―は呟いた。

裸族と２人の思惟の腕や足を動かしてみた。

この異常な状況に疲れたのか、その眠りはかなり深いと見た。

起きないように動かす事、１時間。


自分の分身かも知れない３人の少女の憐れも無い姿に、ニッキ―は恥じらいと伴に、新たな自分を発見した。


「まさに芸術！」


その姿をデジカメで撮ると、満足した表情を浮かべた。


何か大きな仕事をやり遂げた感のあるニッキ―は、椅子に座り、日記のページを捲った。


２日目のページを開くと、昨日から今日までに起きた出来事を書き記した。


【式】【分身】【貴人化】


あの妖精の姫さまが言ってたけど、私たちの今の現象も、その類いのものか？


消灯され静まり返った女将の間で、地下で見た巨大なスフィンクウの様な生き物を思った。



「きゃーーーー、あんたたち何て格好して寝てるの！」

女将の間に入ってきた、食料調達班の叫ぶ声が聞こえた。


裸族思惟と２人の思惟の格好に、女将の間は一瞬でパニックになった。


主犯のニッキ―は、そのパニックの様子に、人知れずにやけると、一緒になってパニックって見た。



つづく