132 / 263
7章 それぞれの思惑
11話 サマルカンド陥落
しおりを挟む
『サマルカンド・鉱物資源企業団公社ビル・最上階会議室』
銃撃戦の轟音の中、ソフィーとデューカは視線を交わした。
「うちの子(アローン兵)たちと通じない?」
「アローン兵の援軍は期待できない?」
「解らない」
「なるほど、ソフィーを仕留めて、アローン兵を頂こうって策謀か」
幾つかの裏切りが充満する会議室に、耳障りなノイズが流れた。
音として認知できない分、いらつきが増す。
ソフィーとアローン兵との通信を遮断する妨害電波の類だろう。
「まったく、いらつく感覚だぜ!
そこまで用意していると言う事は、最初からそのつもりだったのか?
さて、どうする?」
さすがに150階の最上階から飛び降りたら、機体は粉々だろうし。
デューカの不安とは対照的に、ソフィーは楽しげだった。
「君、シュールだね」
頭部を吹き飛ばされたにも関わらず、拳銃を撃とうとする警備兵の手から、ソフィーは拳銃を奪った。
内務省のエミーが引き連れてきた警備兵は、
「無駄な抵抗は止めろ!罪を重ねるだけだ!」
と、デューカの乱射に応戦しつつ叫んだ。
ソフィー・デューカ 対 警備兵の銃撃戦の最中、コーリーと銀次、そして鉱物資源企業団公社幹部は会議室から逃げ出した。
デューカが、コーリーに銃口を向けると、警備兵と応戦していたソフィーが
「止めて、まだ利用価値はある!」
「ええええー!何故!?」
デューカは、素早く銃口を逸らし地団駄を踏んだ。
そして、コーリーの代わりに警備兵が弾幕を浴び、崩れ落ちた。
その直後、デューカのマシンガンが弾ぎれしてしまった。
マシンガンの乱射が止まり、会議室は静まり返った。
「あっ・・・」
「何も考えずに撃ちまくるから・・・愚かな」
エミーの声が聞こえた。
「観念しろ犯罪者ども!銃を置いて投降しろ!」
勝ち誇った声とともに、3つの出入り口から、警備兵10機が、薄ら笑いながら、ソフィーとデューカに近づいてきた。
ソフィーはそっと拳銃を置いて
「エミーさん、私が拳銃を置く意味解る?」
と、この状況にも関わらずで楽しげに問いかけた。
>思考回路が破損した?
と誰もが思った。と同時刻。
警備室の警備兵が、一階ロビーの銃撃に気付き、エレベーターの電源を切る前に、アローン兵10機が、高速エレベータで最上階まで一気に上がり、あるじ・ソフィーがいる会議室へと突入して来た。
そのアローン兵達によって、警備兵10機の、勝ち誇っていた薄ら笑いは一瞬でカーボンの破片と化していた。
デューカは笑顔を浮かべた。
「おお!こいつら、来やがった。
でも何で?何で?何で?妨害電波は?」
デューカの問いに、ソフィーは「えへっ」って顔をしただけだった。
その表情を、デューカが大好きなのは言うまでもない。
それにしても、アローン兵の情報処理速度が半端なかった。
「どんなCPU使ってんねん!お前ら」
一瞬の差で、警備兵は反応する前に破壊されていった。
CPUだけではなく、戦闘用プログラムもとんでもないモノが組み込まれているはずだ。
エミーの機体は破壊されたが、頭部思考回路は生きていた。
その首に向かって、ソフィーは
「私が拳銃を置く意味の正解はね。私自身が撃つ必要がないからでした♪」
ソフィーは「えへっ」って顔をした。
その表情を、エミーが大嫌いなのは言うまでもない。
そして、エミーの思考回路は破壊された。
アローン兵による鉱物資源企業団公社ビル占拠作戦は、僅か2時間ほどで完了した。
公社ビルでの戦闘を知ったサマルカンド防衛師団の装甲騎兵が駆けつけたが、物の数ではなかった。
サマルカンドに派遣されていた精鋭の装甲騎兵は、渓谷へおびき出し既に殲滅していた為、アローン兵に対処できるほどの戦力は、ソフィーの予想に反して、残っていなかった。
「手荒な事は、したく無かったのに」
占拠完了の報告を受けたソフィーは、本当にそう思ってるのか?と疑う程晴れ晴れとしていた。
『首都・評議会議長室』
ソフィーに拠る公社ビル占拠の情報は、首都・評議会にいる議長の元へ知らされた。
主席秘書のリサに聞かされた議長は
「実質上、サマルカンドは反乱軍の手に落ちたと言う事か」
と呟くと、深い思考の底へ自らの意識を落としていった。
サマルカンド陥落の情報は、情報封鎖によって、サマルカンド以外の住民が知ることは無かった。
つづく
【ソフィー】アローン兵と唯一リンクするアンドロイド
【デューカ】ソフィーと同じ職場で働いていた同僚
【コーリー】天文学博士。ソフィーやデューカを反乱分子に勧誘した。
【銀次】銀色の髪の大型作業用アンドロイド コーリーの助手
【エミー】内務省サマルカンド支局の一般職員 コーリーとは訳あり
【評議会議長】人類及びアンドロイド内の人類の記憶を消そうと企む
【リサ】主席秘書官
【カーン】陸軍所属の少佐 対竜族戦争の英雄
【アローン兵】元内務省所属 自意識を持たない戦闘用アンドロイド その性能と無慈悲さにより、軍人からも恐れられている。現在、ソフィーとのみ情報回線が繋がっている
銃撃戦の轟音の中、ソフィーとデューカは視線を交わした。
「うちの子(アローン兵)たちと通じない?」
「アローン兵の援軍は期待できない?」
「解らない」
「なるほど、ソフィーを仕留めて、アローン兵を頂こうって策謀か」
幾つかの裏切りが充満する会議室に、耳障りなノイズが流れた。
音として認知できない分、いらつきが増す。
ソフィーとアローン兵との通信を遮断する妨害電波の類だろう。
「まったく、いらつく感覚だぜ!
そこまで用意していると言う事は、最初からそのつもりだったのか?
さて、どうする?」
さすがに150階の最上階から飛び降りたら、機体は粉々だろうし。
デューカの不安とは対照的に、ソフィーは楽しげだった。
「君、シュールだね」
頭部を吹き飛ばされたにも関わらず、拳銃を撃とうとする警備兵の手から、ソフィーは拳銃を奪った。
内務省のエミーが引き連れてきた警備兵は、
「無駄な抵抗は止めろ!罪を重ねるだけだ!」
と、デューカの乱射に応戦しつつ叫んだ。
ソフィー・デューカ 対 警備兵の銃撃戦の最中、コーリーと銀次、そして鉱物資源企業団公社幹部は会議室から逃げ出した。
デューカが、コーリーに銃口を向けると、警備兵と応戦していたソフィーが
「止めて、まだ利用価値はある!」
「ええええー!何故!?」
デューカは、素早く銃口を逸らし地団駄を踏んだ。
そして、コーリーの代わりに警備兵が弾幕を浴び、崩れ落ちた。
その直後、デューカのマシンガンが弾ぎれしてしまった。
マシンガンの乱射が止まり、会議室は静まり返った。
「あっ・・・」
「何も考えずに撃ちまくるから・・・愚かな」
エミーの声が聞こえた。
「観念しろ犯罪者ども!銃を置いて投降しろ!」
勝ち誇った声とともに、3つの出入り口から、警備兵10機が、薄ら笑いながら、ソフィーとデューカに近づいてきた。
ソフィーはそっと拳銃を置いて
「エミーさん、私が拳銃を置く意味解る?」
と、この状況にも関わらずで楽しげに問いかけた。
>思考回路が破損した?
と誰もが思った。と同時刻。
警備室の警備兵が、一階ロビーの銃撃に気付き、エレベーターの電源を切る前に、アローン兵10機が、高速エレベータで最上階まで一気に上がり、あるじ・ソフィーがいる会議室へと突入して来た。
そのアローン兵達によって、警備兵10機の、勝ち誇っていた薄ら笑いは一瞬でカーボンの破片と化していた。
デューカは笑顔を浮かべた。
「おお!こいつら、来やがった。
でも何で?何で?何で?妨害電波は?」
デューカの問いに、ソフィーは「えへっ」って顔をしただけだった。
その表情を、デューカが大好きなのは言うまでもない。
それにしても、アローン兵の情報処理速度が半端なかった。
「どんなCPU使ってんねん!お前ら」
一瞬の差で、警備兵は反応する前に破壊されていった。
CPUだけではなく、戦闘用プログラムもとんでもないモノが組み込まれているはずだ。
エミーの機体は破壊されたが、頭部思考回路は生きていた。
その首に向かって、ソフィーは
「私が拳銃を置く意味の正解はね。私自身が撃つ必要がないからでした♪」
ソフィーは「えへっ」って顔をした。
その表情を、エミーが大嫌いなのは言うまでもない。
そして、エミーの思考回路は破壊された。
アローン兵による鉱物資源企業団公社ビル占拠作戦は、僅か2時間ほどで完了した。
公社ビルでの戦闘を知ったサマルカンド防衛師団の装甲騎兵が駆けつけたが、物の数ではなかった。
サマルカンドに派遣されていた精鋭の装甲騎兵は、渓谷へおびき出し既に殲滅していた為、アローン兵に対処できるほどの戦力は、ソフィーの予想に反して、残っていなかった。
「手荒な事は、したく無かったのに」
占拠完了の報告を受けたソフィーは、本当にそう思ってるのか?と疑う程晴れ晴れとしていた。
『首都・評議会議長室』
ソフィーに拠る公社ビル占拠の情報は、首都・評議会にいる議長の元へ知らされた。
主席秘書のリサに聞かされた議長は
「実質上、サマルカンドは反乱軍の手に落ちたと言う事か」
と呟くと、深い思考の底へ自らの意識を落としていった。
サマルカンド陥落の情報は、情報封鎖によって、サマルカンド以外の住民が知ることは無かった。
つづく
【ソフィー】アローン兵と唯一リンクするアンドロイド
【デューカ】ソフィーと同じ職場で働いていた同僚
【コーリー】天文学博士。ソフィーやデューカを反乱分子に勧誘した。
【銀次】銀色の髪の大型作業用アンドロイド コーリーの助手
【エミー】内務省サマルカンド支局の一般職員 コーリーとは訳あり
【評議会議長】人類及びアンドロイド内の人類の記憶を消そうと企む
【リサ】主席秘書官
【カーン】陸軍所属の少佐 対竜族戦争の英雄
【アローン兵】元内務省所属 自意識を持たない戦闘用アンドロイド その性能と無慈悲さにより、軍人からも恐れられている。現在、ソフィーとのみ情報回線が繋がっている
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる