154 / 263
8章 5000年前からの贈り物
13話 文字にすれば【にゃあ】
しおりを挟む13話 文字にすれば【にゃあ】
アースの宇宙港に着くと、あゆみとバイカルは砂糖さんのペットのなった。
機械猫はペットなのだ。
カラカルも白虎も野性味の強いタイプの機械猫。
「ペットは苦手」
あゆみは呟いた。
それでも、砂糖さんに連れられて、あゆみとバイカルは意気揚々と税関ゲートをくぐった。
そして、とりあえず。
「にゃあ」
と、カラカルのあゆみの鳴き声は、まったく可愛くなかった。そして、
「にゃあ」
と、もちろん白虎のバイカルの鳴き声も、まったく可愛くなった。
その様子に税関のアンドロイドは、激しく凝視した。
しかし、可愛くないからと言って、問題に出来るはずもなく。
2匹の機械猫は、まるで可愛らしい猫がするように、優雅に尻尾を振った。
違う!違う!違う!それは可愛い猫のみが許される仕草だ。
猫好きの税関アンドロイドは、思考回路の奥で叫んだ。
こんなに可愛くないにも関わらず、相当な金額なのは、自身も機械猫を飼っている税関のアンドロイドには解った。
さらに、税関のアンドロイドが、激しく凝視した対象は、機種名シュガーコート177の砂糖さんだ。
これだけ機械猫に金をかけているにも関わらず、飼い主は低価格低性能なのだ。
ここまでの低価格低性能のアンドロイドは、まず見かけない。
まるで初期も初期のAIの受け答えしか出来なかい。
しかし、低価格低性能だからと言って、問題に出来るはずもなく。
価値観は、それぞれなのだ。
書類には不備はないし、怪しい持ち物もなかった。
「どうぞ、アースの旅をお楽しみください」
税関のアンドロイドは、心にもない事を言った。
税関ゲートをくぐり抜けると、あゆみとバイカルはとりあえず鳴いた。
「にゃあ」
「にゃあ」
文字にすれば【にゃあ】なのだが、それはまるで嵐の夜に軋む何かの音の様に思えた。どことなく不吉なのだ。
「早く家に帰って、飼っている機械猫を愛でたい」税関のアンドロイドは思った。
この時、税関のアンドロイドが、この変な人型と機械猫に疑惑を持って対処していれば、もしかすると秘密組織サインの一角に触れられたかも知れない。
評議会議長ですら知らない秘密組織サインの事を。
もちろん税関のアンドロイドが飼っている機械猫も、秘密組織サインだと言う事は、知る由もない。
つづく
機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【白虎のバイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。元々は白虎。
人型アンドロイド
【砂糖さん】機種名シュガーコート177。低価格低性能のアンドロイド。
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる