155 / 263
8章 5000年前からの贈り物
14話 機械猫は、だいたい適当に生きている。
しおりを挟むシュガーコート177には、オプションとして靴がローラーシューズの様になっていて、そのローラーが自動で回り、直立不動のまま動ける設定だ。
なぜそんなオプションを、メーカーは付けたのかは不明だが、無料オプションだったから、機械猫たちはそんなに気にしなかった。
でも直立不動で動く人型アンドロイドを実際に見ると、
「それカッコいいか?」と機械猫のあゆみ&バイカルは、思ってはいたが、砂糖さんはかなりお気に入りな様子なので、言うのも憚れた。
前に「スケートの様にして滑ればカッコいいよ」と言ったら、制御不能になったので、それ以降、機械猫たちは沈黙した。
多分、オプションとしてローラーはついているが、それを制御するソフトが入ってないのだろう。まあ安物だから仕方ない。
路地裏に入ると、あゆみ&バイカルは、砂糖さんを残し、マンホールを開け中に入った。マンホールの中は、配線が大量に設置されていた。
地上の砂糖さんが、マンホールの蓋をしめると、完全な暗闇に包まれた。
あゆみ&バイカルは、この時を待っていた!
10億を超える価格の機械猫の機体には、当然の如く赤外線暗視装置がついていた。
あゆみ&バイカルは、お互いのにやけた顔を見合った。
「俺らってイケてる?」
「もちろん!」
あゆみの問いにバイカルは即答した。
しかし興奮してしまったのだろう、バイカルの声が大きすぎて、トンネル内で響いてしまった。元が白虎だから仕方ない。
二匹の機械猫は、静まるまでトンネル内を見続けた。
誰も来ない。
「行こう」とあゆみは、指で合図した。
5分くらい歩くと、穴の奥から、誰かが近づいてくるのが解った。
懐中電灯の光と共に近づいてくる。
管理アンドロイドだろう。
高性能な聴覚を持つあゆみ&バイカルは、相手に発見される前に、狭い横道に隠れた。
「あれ?砂糖さんと同型のシュガーコート177じゃなかった?」
『消せない安物感出てたな(推定)』
バイカルは、ほぼ無音でしゃべった。
さっき大声出したから反省したのか?
(推定)は、「バイカルは多分そう言っているであろう」と、あゆみが思っている言葉だ。
「普通に歩いてたよね」
『だね(推定)』
「きっと無料オプションついてないんだね」
『無料なのにもったいないわな(推定)』
砂糖さんと同じように、低性能な管理アンドロイドは、気づくことなく通り過ぎた。
この穴の中でも場所によっては高性能な管理アンドロイドがいるらしいが、今回はセーフだ。
さらにトンネルを歩いて行くと、小さな横穴が合った。
大型の白虎アンドロイドのバイカルには、ちょっと窮屈だが、何とか通れる横穴だ。
「バイカル、イケる?」
『大丈夫だ(推定)』
まあ前も来た事があるトンネルだし。
横穴を進むと、「うぃぃぃぃん」配線穴の奥から音が近づいてきた。
横穴用清掃&管理ロボットだろう。
こちらは人型ではなく、小さな車の様な形だ。
あゆみ&バイカルは、隠し扉を開け、隠し部屋に隠れた。
そんな秘密めいた隠し扉ではないのだが、未だ疑われた事がない。
清掃&管理ロボットの性能が低すぎるのだろう。
管理ロボットが去り、さらに横穴を進むと、その部屋はあった。
機械の猫たちの秘密基地だ。
秘密基地!
に興奮したバイカルが、今にも雄叫びを上げそうな表情をした。
あゆみは慌ててバイカルの口を塞いだ。
「君は馬鹿なの?」
『いや虎です(推定)』
「いや動物の種類を聞いてる訳じゃなくてね」
「えっ?動物の種類?何の事だ?」
どうやら、あゆみの推定が間違いだったらしい。
「深い意味はないよ」
「そうか」
機械猫は、だいたい適当に生きている。
つづく
機械の猫たち
【あゆみ】元人間のカラカルの機械猫。自称エースパイロット。
【バイカル】人見知りの激しい虎型アンドロイド。元々は白虎。
人型アンドロイド
【砂糖さん】機種名シュガーコート177。低価格低性能のアンドロイド。
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる