商人の恋人は魔王!!

雄雉@オリジナル小説

文字の大きさ
2 / 19

魔王の淹れたお茶

しおりを挟む
人間は様々な葉を煎じたり発行させたりして
「茶」として楽しむ生き物である

『ブレイブよ。茶を淹れてやったぞ』

では、魔族はどうであろうか

場所はブレイブの家
どこから取り出したのであろう
ディアボロスが持ってきた豪華な金の装飾が施されたティーカップ
その中に入った黒いような深紫のような何とも言えない液体は
形容し難い香りを放っていた

「キッチンいつの間にか使った?」
『我は魔王。茶を淹れる等容易いこと』
「…てか、これは人間が飲めるもの?」

茶を淹れるのに魔王も何もない気がするが
そんなことはさておき、ブレイブは魔族の「茶」が人体に影響がないかを気にしていた

『マンドレイクの口をくり抜き、煎じたものだ。魔族の間では高値で取引されるのだぞ』
「うーん、人間が口にしたらまずい響きが凄いんだけど」

マンドレイク、人間にとっては毒性の強い成分を持つ植物だ
普通ならば口をつけるのすらためらうものだが

『ブレイブよ。我が淹れた茶は好かんか?』

ディアボロスの五つの目がぎょろりとブレイブを見つめる
その目で見つめられてしまうと、惚れた弱みと言おうか
ブレイブは恋人を悲しませてしまったような気がして
心が苦しくなってしまう

「…俺が倒れたら後は頼むわ」

そう言うと、ブレイブはカップの中身に口を付けた
一口飲めばブワッと危険な風味が脳天を貫く
二口含めば苦味と程よい甘味が口を満たす
決して苦手な味や香りではなかったが
茶を飲んでいく内に、身体が警笛をならしているのか
次第に意識が薄れていき
全て飲み切る頃には完全にブレイブは意識を手放した


『気が付いたか』

固い鎧の感触を後頭部に感じる
どうやらディアボロスが膝枕をしてブレイブを看てくれていたらしい

「ありがと、気絶してごめん。解毒してくれたんだ」
『人間にマンドレイクが毒だとは思わなんだ。すまなかった』
「ん、でも味は美味かったよ」

優しく、ブレイブはディアボロスの手を握る
伝わる体温が少し暖かくなるのを感じて
ブレイブの胸に嬉しさが満ちていく

『代わりと言っては何だが、別の茶を淹れた。人面樹の葉を煎じたものだ』

別の豪華なティーカップにキレイなグリーンの液体が入っている
見た目は美味そうな茶ではあるが気になるのは液体から聞こえる悲鳴で
少し水面が揺れれば響く、うめき声と悲鳴にブレイブは顔を引き攣らせた
魔族と恋人になった人間の宿命なのかもしれないと思いながら

「ディアボロス、愛してるよ。…うん、俺頑張る」

人面樹の葉を煎じた茶を飲んだブレイブは気絶こそしなかったものの
数日間木に追いかけられる悪夢を見たとか
そうではなかったとか
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

処理中です...