ビッチな私と王子様

片想い中の中学生

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喜びと羞恥

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(え、これヤバいかも。喜んで、とか言ったのに、けっこう恥ずかしい!)

周りの女子からは、嫉妬と憎悪の眼差しが向けられている。

そして繋いだ手の先には、子犬化した王子、如月剛。

(でも、こんなこと幾度となくやってたのにな。なんで如月くんの時だけこんなに恥ずかしいんだろう。)
その答えはもうとっくに出ているのだが、希美はそれに気づく事は無かった。

気付けばもう目の前に校門が。

(ヤバい!結局このまま来ちゃった!)

繋いだ手を見つめて、希美は思う。

だが、子犬もとい如月は手を繋いだまま容赦なく進む。
(あぁ…女子達の視線が痛いよう…)

恥ずかしさに頬を赤らめ、俯いて歩く希美に対し、如月は、「この手を繋いでいるのが、俺の自慢の希美だ」というように誇らしげに歩いていく。

希美の教室に着くと、如月はとても寂しそうな顔をして、これまでよりもっと強く、優しく手を握りしめる。

「離れるの、やだよぅ…」

今にも泣き出しそうな声と目が、天使のように輝いていた。

「わ、わかったから、泣かないで、ね?」
「うぅ、うん」
「そうだ、お昼一緒に食べよ?そしたらまた会えるよ?」

そういうと、これまでの表情が一転、キラキラした、満面の笑みに変わった。

「ほんと!?やったぁ!」

如月は子供のように喜ぶ。

「ふふ、希美ちゃんと一緒にごはん♪」
「じゃあ、またお昼休みにね?」
「うん、ばいばい!」

如月は手を振ったあと、走り去っていった。

「のーぞーみっ!」
「あ、美優!」
「どぉ~したの、あんな仲良くなっちゃって~笑」
「あっ、そうだ美優、実は気になることがあって・・・」

希美は自分が気になっていたことを、美優に全て話した。

「んー、それって、俺様と子犬系男子、つまり2個あったってこと?」
「そうなんだ。昨日は、全然違う人だったのに。」
「つまりつまり、つまりそれって、二重人格じゃない!?」

興奮ぎみに話す美優をじっと見つめて、希美はくり返す。

「二重人格?」
「そう。」
(二重人格ってほんとにあるんだ)

美優の表情が真剣になり、再び話し始める。

「でもねぇ、美優。二重人格ってことは、その両方の性格の如月さんを愛さなきゃいけないんだよ?」
「わかってる。私は、俺様な如月様も、子犬な如月くんも、全部大好きだから。」
「そっか!」

そういって、美優は希美の頭をくちゃくちゃになるまでなでた。

「まぁとにかく、昼休み頑張りな!」
「おうよ!!」

それは、希美が何かを固く決心した瞬間、また、美優と希美との絆がまた一つ増えた瞬間だった。





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次回、私事で投稿遅れますが、
お昼休みの王子とビッチの話です!
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