兄妹愛と能力と悪魔

片想い中の中学生

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((((((side  JIN))))))



五月二十日




大型トラックのブレーキ音が響く。


さっきまで、とても幸せだったのに....
結衣はまだ笑顔だけど

トラックに気づいてないのか?

それとも、表情が追いつかないだけ?

それとも.....

最後に、俺に笑顔を見せてくれているのか?
そんなことはどうだっていいんだ、今は。


なんで結衣なんだよ?
なんで俺の大切な人は、俺から離れていくんだよ!

せめて、
せめて時間が止まれば!
時間を止めることが出来たなら....
まだ結衣に、「ありがとう」も言えてない。
「大好きだ」と面と向かって言ったこともなかった。

神様、俺に時間を下さい!
頼む、少しでいい。5分もいらないから!
1分、いや、10秒でいいんだ!
時間が止まれば!


俺は叫んだ。
それしかできなかった。

「結衣!危な───」


その時だった。
違う意味で、
「いつも通り」ではなくなった瞬間。

何が起こった?
何故みんな止まってるんだ??
俺は普通に動けるのに....

「時間が止まれば」
そう思った瞬間、見えるもの全ての動きが止まった。


鳥も

風も

結衣も

トラックも

そして、人も。
トラックのブレーキ音にびっくりしている顔のまま止まっている。

いや、そんな事考えてる場合じゃない

今のうちに・・・・・・


仁は走り出す。
結衣に抱きついて、そのまま向かいの歩道に
渡る。
切れかけた糸が、また再び結ばれたような気がした。
すると、何事も無かったかのように全てが動き出した。



一体
何が起こったのであろうか
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