5 / 18
第5話
しおりを挟む
「探索者として登録した人は、いきなり迷宮の探索に挑むんですか?」
「そういう方も多いですね。ですが、そういった方は大抵既にある程度の訓練をされている事が多いです。失礼ですが、マコトさんは何か武術などの経験はありますか?」
「いえ、ありません。」
「それでは、魔法は?」
「まだ一つも覚えていません。」
「そうですか。であれば、まず最低限の戦い方を身につけるのが無難かと思われます。金銭に余裕があれば、ですが。」
「今のところ金には困っていませんね。」
「ギルドでは有償でそういった指導も行っておりますよ。」
「どなたが指導して下さるんですか?」
「引退された元探索者などがほとんどですね。引退されたとは言え、腕は確かな方ばかりですよ。」
「いくらかかるんですか?」
「一時間で1000セルとなっています。」
「安くないですか?」
「彼らにはギルドからも報酬を出していますから大丈夫ですよ。新人の探索者が無謀な冒険に出るのを防ぐ目的もあるのです。」
「なるほど、訓練という名の扱きで現実を教える訳だ。」
「そういった面がある事は否定しません。その指導はマコトさんには必要ないかもしれませんが。」
「だと良いんですけどね。………その指導を受けるに当たって、必要なものはありますか?」
「そうですねぇ………ギルドでも練習用の武器は貸し出しますが、できれば自分の武器も持っていた方が良いかもしれません。それによって指導の仕方も変わるでしょうから。」
「なるほど……なら先に武器を調達しないといけませんね。」
「ギルドと提携している鍛冶屋があるので、行かれるのでしたら紹介状をお渡ししますが?」
「宜しくお願いします。場所も教えていただきたいのですが。」
「勿論です。あと、マコトさんは宿泊先は決まっているのでしょうか?」
「あっ………いえ、まだ決めていません。」
「でしたら、そちらもギルドと提携している宿屋をご紹介しましょうか?新人向けの宿屋もありますよ?」
「何から何までご迷惑おかけします。そちらも宜しくお願いします。」
「はい、任せて下さい!」
元気に頷いた受付嬢が裏に行き、すぐに戻ってきた。
机で何やら書き足した二通の紹介状をマコトに渡す。
「こちらが鍛冶屋で、こちらが宿屋の紹介状になります。それと、簡単な地図ですが、分かりやすい道なので大丈夫だと思います。」
「ありがとうございます。助かります。」
「いえいえ、お気になさらず。それでは、行ってらっしゃいませ。」
受付嬢の一礼を背に、マコトはギルドを後にした。
ギルドを出たマコトは地図通りに進む。
途中で身の丈以上の大荷物を運ぶ男を見つけた。
鍛えられてはいるが見た目からはそんな怪力を有しているようには見えない。
見るからに重そうな大きな袋を複数抱えて歩くその姿に驚いたマコトだが、その理由はすぐにわかった。
その男を見ていると、彼の脳内に一つの魔方陣が浮かび上がった。
その魔方陣はマコトの心に吸い込まれるようにして消えていった。
マコトは慌てて天眼を使う。
ーーーーーーーーーー
名称:マコト・カガミ
異能:天眼/魔神の加護/魔倣眼/隠蔽
容量:99/100
魔法:ビルドアップ 20/20
ーーーーーーーーーー
どうやら魔倣眼が発動したらしい。
あの男性が使っていたのはビルドアップという肉体を強化させる魔法のようだった。
制限回数は20という事は元は10だったのだろう。
消費された容量は1だ。
魔導書なしでこんなにも簡単に魔法が使えるようになってしまった事に軽く罪悪感を抱くも、何とか頭から振り払う。
そして、とりあえず試しに人生初の魔法を使ってみる事にした。
「ビルドアップ」
マコトがそう唱えると、彼は自らの身体が明らかに軽くなったのを感じた。
力が沸き上がり、今なら車の一台くらいなら持ち上げられそうな気がした。
「これが魔法か………凄まじい力だな。」
本来はここまで肉体が強化されたりはしないのだが、彼の場合は魔神の加護の効果で、魔法の効力に補正がかかっているのだ。
マコトは不思議な感覚に笑みを浮かべて握り拳を作ったりするも、発動から数分が経過し、魔法は効力を失った。
「なるほど、時間経過で魔法は消えるのか。」
他にも色々と試したい欲に駆られるが、ここは人目が多すぎる為、断念した。
マコトは地図通りに進み、小綺麗な宿屋に到着していた。
受付で紹介状を渡す。
あの受付嬢は一般的な紹介状に自らの名前を署名してくれていたらしく、部屋や料金で色々とサービスしてくれた。
あの受付嬢の名はレイラというらしい。
部屋に案内されたが、特に置く荷物もない為、すぐに鍛冶屋へ向かう事にした。
受付に鍵を渡し、宿屋を後にする。
また地図を見ながら移動しつつ、ついでに魔法を覚えられないかと辺りを見渡していたが、そう簡単に魔法を目にする事はできなかった。
20分ほど歩いて鍛冶屋にたどり着いた。
店長らしきムキムキのハゲ男に紹介状を渡す。
「む、紹介状か。お、これは…………レイラの署名入りじゃねぇか。珍しい事もあるもんだな。」
ハゲ男は厳つい顔を弛めて笑みを浮かべた。
「よし、レイラのお気に入りとありゃ手は抜けねぇな。お前さん、武器は何を使う予定なんだ?」
鍛冶屋の問いかけにマコトは答えられなかった。
この道中、何を使うかを考えていなかった事を反省した。
「特に決めてませんね。一般的に何が使われるんですか?」
「……貴族みてぇな喋り方する奴だな。…まぁ良い、やっぱり一番多いのは剣だろうな。狭い迷宮だと槍は使い難いし、短剣はリーチが短すぎて、人相手ならともかく魔物を相手にするには向かねぇ。魔物の身体能力は人間より上だからな。」
「ならとりあえず剣を使ってみます。合わなければ他のを探しますよ。」
「おう、わかったぜ。なら、とりあえず片手剣を見てみな。こっちだ。」
店内を案内され、片手剣が並ぶ区画に来た。
「重さや大きさなんか、持ってみてしっくりくるのを選んでみな。」
そう言われあれこれと試してみるマコト。
片手剣を使えばもう片手が空く事になるが、今のところ盾などを使うつもりもない為、両手でも振るう事のできる片手半剣を選ぶことにした。
いくつか使いやすいものを候補として挙げた上で、天眼を使って候補の中で最も質の高い剣を選んだ。
「ほう、こいつにしたか。なかなか見る目あるじゃねぇか。気に入ったぜ!」
マコトは「そりゃ劣化とはいえ元は神の眼ですから。」と言いたいのをぐっと堪えて肩を竦めた。
武器と合わせて革製の防具も購入したマコトは、ギルドで指導を受ける為にギルドへ戻ることにした。
ギルドへ戻ったマコトは受付に行こうとするが、彼の目に驚く光景が映った。
目の前に突然男が現れたのだ。
見えていなかったとか気付いていなかったというのではない。
文字通り、突然現れたのだ。
マコトが目を丸くしていると、その男はマコトにきずいて小さく頭を下げた。
「すまない、驚かせてしまったようだな。」
「あ、あぁいえ、大丈夫です。……それにしても今のは……?」
「今のは私の魔法だ。テレポートという魔法でな。一度でも行った事のある場所に転移する事ができるのだよ。私に触れてさえいれば他人も転移させる事ができる。私はこれを使って稼いでいるのだよ。」
「そんなに軽く教えて良いんですか?」
「なに、自分で言うのもなんだが、私はそこそこ有名なのでね。テレポートを覚えている魔法士は非常に少ない。この王都で転移屋と言ったら私の事だ。今更隠すような事でもないさ。」
彼はそう言って立ち去っていった。
マコトはその背を見送り、おもむろに自分に向けて天眼を発動した。
ーーーーーーーーーー
名称:マコト・カガミ
異能:天眼/魔神の加護/魔倣眼/隠蔽
容量:98/100
魔法:ビルドアップ 19/20
テレポート 10/10
ーーーーーーーーーー
マコトは期せずして便利な魔法を覚えられた事に、人知れず笑みを浮かべた。
「そういう方も多いですね。ですが、そういった方は大抵既にある程度の訓練をされている事が多いです。失礼ですが、マコトさんは何か武術などの経験はありますか?」
「いえ、ありません。」
「それでは、魔法は?」
「まだ一つも覚えていません。」
「そうですか。であれば、まず最低限の戦い方を身につけるのが無難かと思われます。金銭に余裕があれば、ですが。」
「今のところ金には困っていませんね。」
「ギルドでは有償でそういった指導も行っておりますよ。」
「どなたが指導して下さるんですか?」
「引退された元探索者などがほとんどですね。引退されたとは言え、腕は確かな方ばかりですよ。」
「いくらかかるんですか?」
「一時間で1000セルとなっています。」
「安くないですか?」
「彼らにはギルドからも報酬を出していますから大丈夫ですよ。新人の探索者が無謀な冒険に出るのを防ぐ目的もあるのです。」
「なるほど、訓練という名の扱きで現実を教える訳だ。」
「そういった面がある事は否定しません。その指導はマコトさんには必要ないかもしれませんが。」
「だと良いんですけどね。………その指導を受けるに当たって、必要なものはありますか?」
「そうですねぇ………ギルドでも練習用の武器は貸し出しますが、できれば自分の武器も持っていた方が良いかもしれません。それによって指導の仕方も変わるでしょうから。」
「なるほど……なら先に武器を調達しないといけませんね。」
「ギルドと提携している鍛冶屋があるので、行かれるのでしたら紹介状をお渡ししますが?」
「宜しくお願いします。場所も教えていただきたいのですが。」
「勿論です。あと、マコトさんは宿泊先は決まっているのでしょうか?」
「あっ………いえ、まだ決めていません。」
「でしたら、そちらもギルドと提携している宿屋をご紹介しましょうか?新人向けの宿屋もありますよ?」
「何から何までご迷惑おかけします。そちらも宜しくお願いします。」
「はい、任せて下さい!」
元気に頷いた受付嬢が裏に行き、すぐに戻ってきた。
机で何やら書き足した二通の紹介状をマコトに渡す。
「こちらが鍛冶屋で、こちらが宿屋の紹介状になります。それと、簡単な地図ですが、分かりやすい道なので大丈夫だと思います。」
「ありがとうございます。助かります。」
「いえいえ、お気になさらず。それでは、行ってらっしゃいませ。」
受付嬢の一礼を背に、マコトはギルドを後にした。
ギルドを出たマコトは地図通りに進む。
途中で身の丈以上の大荷物を運ぶ男を見つけた。
鍛えられてはいるが見た目からはそんな怪力を有しているようには見えない。
見るからに重そうな大きな袋を複数抱えて歩くその姿に驚いたマコトだが、その理由はすぐにわかった。
その男を見ていると、彼の脳内に一つの魔方陣が浮かび上がった。
その魔方陣はマコトの心に吸い込まれるようにして消えていった。
マコトは慌てて天眼を使う。
ーーーーーーーーーー
名称:マコト・カガミ
異能:天眼/魔神の加護/魔倣眼/隠蔽
容量:99/100
魔法:ビルドアップ 20/20
ーーーーーーーーーー
どうやら魔倣眼が発動したらしい。
あの男性が使っていたのはビルドアップという肉体を強化させる魔法のようだった。
制限回数は20という事は元は10だったのだろう。
消費された容量は1だ。
魔導書なしでこんなにも簡単に魔法が使えるようになってしまった事に軽く罪悪感を抱くも、何とか頭から振り払う。
そして、とりあえず試しに人生初の魔法を使ってみる事にした。
「ビルドアップ」
マコトがそう唱えると、彼は自らの身体が明らかに軽くなったのを感じた。
力が沸き上がり、今なら車の一台くらいなら持ち上げられそうな気がした。
「これが魔法か………凄まじい力だな。」
本来はここまで肉体が強化されたりはしないのだが、彼の場合は魔神の加護の効果で、魔法の効力に補正がかかっているのだ。
マコトは不思議な感覚に笑みを浮かべて握り拳を作ったりするも、発動から数分が経過し、魔法は効力を失った。
「なるほど、時間経過で魔法は消えるのか。」
他にも色々と試したい欲に駆られるが、ここは人目が多すぎる為、断念した。
マコトは地図通りに進み、小綺麗な宿屋に到着していた。
受付で紹介状を渡す。
あの受付嬢は一般的な紹介状に自らの名前を署名してくれていたらしく、部屋や料金で色々とサービスしてくれた。
あの受付嬢の名はレイラというらしい。
部屋に案内されたが、特に置く荷物もない為、すぐに鍛冶屋へ向かう事にした。
受付に鍵を渡し、宿屋を後にする。
また地図を見ながら移動しつつ、ついでに魔法を覚えられないかと辺りを見渡していたが、そう簡単に魔法を目にする事はできなかった。
20分ほど歩いて鍛冶屋にたどり着いた。
店長らしきムキムキのハゲ男に紹介状を渡す。
「む、紹介状か。お、これは…………レイラの署名入りじゃねぇか。珍しい事もあるもんだな。」
ハゲ男は厳つい顔を弛めて笑みを浮かべた。
「よし、レイラのお気に入りとありゃ手は抜けねぇな。お前さん、武器は何を使う予定なんだ?」
鍛冶屋の問いかけにマコトは答えられなかった。
この道中、何を使うかを考えていなかった事を反省した。
「特に決めてませんね。一般的に何が使われるんですか?」
「……貴族みてぇな喋り方する奴だな。…まぁ良い、やっぱり一番多いのは剣だろうな。狭い迷宮だと槍は使い難いし、短剣はリーチが短すぎて、人相手ならともかく魔物を相手にするには向かねぇ。魔物の身体能力は人間より上だからな。」
「ならとりあえず剣を使ってみます。合わなければ他のを探しますよ。」
「おう、わかったぜ。なら、とりあえず片手剣を見てみな。こっちだ。」
店内を案内され、片手剣が並ぶ区画に来た。
「重さや大きさなんか、持ってみてしっくりくるのを選んでみな。」
そう言われあれこれと試してみるマコト。
片手剣を使えばもう片手が空く事になるが、今のところ盾などを使うつもりもない為、両手でも振るう事のできる片手半剣を選ぶことにした。
いくつか使いやすいものを候補として挙げた上で、天眼を使って候補の中で最も質の高い剣を選んだ。
「ほう、こいつにしたか。なかなか見る目あるじゃねぇか。気に入ったぜ!」
マコトは「そりゃ劣化とはいえ元は神の眼ですから。」と言いたいのをぐっと堪えて肩を竦めた。
武器と合わせて革製の防具も購入したマコトは、ギルドで指導を受ける為にギルドへ戻ることにした。
ギルドへ戻ったマコトは受付に行こうとするが、彼の目に驚く光景が映った。
目の前に突然男が現れたのだ。
見えていなかったとか気付いていなかったというのではない。
文字通り、突然現れたのだ。
マコトが目を丸くしていると、その男はマコトにきずいて小さく頭を下げた。
「すまない、驚かせてしまったようだな。」
「あ、あぁいえ、大丈夫です。……それにしても今のは……?」
「今のは私の魔法だ。テレポートという魔法でな。一度でも行った事のある場所に転移する事ができるのだよ。私に触れてさえいれば他人も転移させる事ができる。私はこれを使って稼いでいるのだよ。」
「そんなに軽く教えて良いんですか?」
「なに、自分で言うのもなんだが、私はそこそこ有名なのでね。テレポートを覚えている魔法士は非常に少ない。この王都で転移屋と言ったら私の事だ。今更隠すような事でもないさ。」
彼はそう言って立ち去っていった。
マコトはその背を見送り、おもむろに自分に向けて天眼を発動した。
ーーーーーーーーーー
名称:マコト・カガミ
異能:天眼/魔神の加護/魔倣眼/隠蔽
容量:98/100
魔法:ビルドアップ 19/20
テレポート 10/10
ーーーーーーーーーー
マコトは期せずして便利な魔法を覚えられた事に、人知れず笑みを浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる