ただ痛いだけの生意気な小娘だと思ったら、その正体は僕の想像を遥かに超えてきた。。。【貴族教師マリア、君との約束】

ぽち。

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聖ミルガルド神殿編

<episode28> 江洲小原先生の隠された闇

 近衛騎士団に捕えられたフローレス公爵の話を聞こうと、僕と先生は彼が収容されるディルファス宮殿の地下牢に向かった。
 湿った石壁には松明の炎が揺れ、鎖の音が冷たく辺りに響いていた。フローレス公爵は虚ろな目で牢獄の石畳の上に座り、俯きながらペンダントを大事そうに握りしめていた。
 僕と生徒たちが元の世界に帰るには、彼が天使を出現させたゲートの情報が必要だ。アヴァロン王国が関与しているのは確かだが、ゲートをどうやって出現させたのか、先生にもわからない。

「時空を超えるのは神の領域…人が操れる力ではない」と言った先生の言葉が、いつまでも僕を不安にさせていた。
 天使と呼ばれるものをこの世界に召喚させたという事は、アヴァロン王国にはそれに近い力を持っている者が居るという事だろうか。
 僕たちが近付くとフローレス公爵は、不意に顔を上げて声を荒げた。

「…マリア・エスコバル!お前さえ居なければ、この帝国にも神を迎えることが出来たのだ!」

 松明の炎が彼の青ざめた顔を不気味に照らし、滴る水音がその叫びを飲み込んだ。しかし、先生は扇子をサッと開き、冷たく言った。

「神を迎える?…お前は、そんな幻想を夢見て、民に不遇な扱いをしていたのですか?」

 冷めた目でフローレス公爵を見据える先生は、扇子で口元を隠しながら問いかけた。感情の無いその眼差しは、寒気を感じるほど冷え切っているのに、フローレス公爵は馬鹿にするように鼻で笑う。

「愚民どもなど、不遇な扱いを受けて当然だ!この世は、神によって築き上げられ、人は彼らを満たす駒でしかない…それを迎える私たちこそが、尊い神の恩恵を受けるのだ!」

 その言葉を聞いて先生の眉が一瞬、ピクッと動いた。冷静な表情を保ってはいるものの、内から滲み出る怒りが、その冷めきった目から溢れている。
 しかし、先生は扇子で自分自身をゆっくりと仰ぎ、穏やかに話を進めた。

「お前こそ、何もわかっていない愚か者です…例え、この世が神によって造られたとして、ここで生きているのは私たち人間です…日々の人生を懸命に生きてる者を、只の駒としか思ってないのなら、そんな神など私たちに必要ない!」

 松明の炎が彼女の燃える目を照らし、牢に響く声がフローレス公爵を圧倒した。彼が一瞬後ずさり、ペンダントを握る手が震えた。だが、直ぐに目を剥き、叫び返した。

「何という冒涜を…神を恐れぬ不届き者め!ミルガルド神は常に我々を見ておられるのだぞ!」

 そう言って怒りを剥き出しにするフローレス公爵は、信仰心が強い余り、周りが見えていないようだった。先生は呆れるように深く溜め息を付き、静かに言葉を続けた。

「お前が持っているペンダントは、聖ミルガルド神殿から譲り受けたものですね?」

「ああ…これこそが、ミルガルド様の御神体だ…」

 フローレス公爵はそう言いながら、ペンダントを尊ぶように見つめていた。先生はそんな彼を見下しながら、更に言葉を続けていった。

「アヴァロン王国が何故、神を降臨させようとしているのか話しなさい…」

 先生の言葉にフローレス公爵はニヤリと笑った。不気味な笑みを浮かべて、目をランランと輝かせるその姿は狂信者のようで、僕は背筋にゾッとするものを感じていた。
 そんな気味の悪い顔つきをしたまま彼は話を始めた。

「この世界は神を頂点として、統一されるべきなのだ!神の下で国は一つとなり、その絶対的な権力に支配される事こそ、人類の定め!その為に聖ミルガルド神殿はゲートを研究し、あと一歩の所までこぎつけている…もう時期、この世界に神は降臨し、我々はそのしもべとなるのだ!」

 その話を聞いて、僕は嫌な予感がしていた。神と言っているが、ゲートが僕たちの世界と繋がったように、それ以上の高度な文明と繋がり、そこで権力を持つ者が神を名乗っているのだとしたら、我々は踊らされているに過ぎないのではないだろうか。
 しかし、先生はそれには一切踏み込まず、落ち着いた様子で淡々と話を続けた。

「聖ミルガルド神殿がゲートを出現させ、時空を超えて他の世界と繋がる事に、成功させていたのですね?」

 フローレス公爵は先生の問いかけに、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。松明の炎が彼の青ざめた顔を揺らし、牢の水滴がポタリと落ちる音がやけに大きく響く。

「成功? ハッ、聖ミルガルド神殿は神の御意志を体現したのだ! それはもう、誰にも止められない!ハハハハハ…」

 フローレス公爵の不気味な笑みが牢に響く。しかし、先生はその話を聞いて、何故か薄っすらと笑みを浮かべた。

「その尊き神は、聖ミルガルド神殿で復活なさるのですか? ずいぶん都合のいいお話で…」

「…貴様、ミルガルドを冒涜する気か?」 

 公爵の声が一瞬震え、ペンダントを握る手が白くなる。

「だが、遅い! ゲートは…聖ミルガルド神殿の最深部、星の祭壇で開かれる! もうすぐ、ミルガルドが降臨されるのだ!」

  彼の笑い声は、どこか無理をしているように聞こえた。
 それを聞いた先生は、これ以上は無駄だとでも言いたげに、フローレス公爵にサッと背を向けて「美濃又、行きますわよ…」と僕に言った。
 フローレス公爵の不気味な笑い声が響く中、やり切れない思いの僕は先生に問いかけた。

「先生、公爵は何も変わっていませんでしたね…」

 僕がそう言うと、先生は物思いに耽るように少し悲しげな顔をした。そして、遠い目をしながら静かに口を開いた。

「奴らにとっては、それが正義なのです…美濃又、人は100人居れば100通りの考えがある…盲信する彼らにしてみれば、私たちが悪なのでしょう…」

 先生の深い言葉に僕は何も言うことが出来なかった。そんな感情を察してくれたのか、先生は更に言葉を重ねた。

「それに、もう奴には何の力もありません…アヴァロン王国にとっても、彼は使い捨ての駒でしかなかったのでしょう…美濃又、フェルナス公国に戻りますわよ…」

 先生はそう言って地下牢を後にした。フローレス公爵の、握りしめた輝きを失くしたペンダントが床にポトリと落ちて、その音が虚しく響き渡った。
 宮殿の広場に出ると、新しい帝国の幕開けを祝う宴が始まっていた。広場は民衆に解放され、今までの体制ではあり得なかった光景が目の前に広がっていた。
 リカルドが杯を掲げ、イレーネや大公バスタが民と笑顔で語り合う。身分を超えたこの光景は、まるで誰もが憧れを抱いていた、フェルナス公国の自由そのものだった。

 その光景を目にした先生が、珍しくにこやかな笑顔を浮かべていた。そして、笑顔のまま静かに言った。

「美濃又、これが私たちの勝ち取った光景です…フローレス公爵に、どんな大義名分があろうと、それを他人に強要したり、何かを犠牲にさせては正義とは言えません…不満を抱かせる時点で、間違いであることに気付くべきなのです…」

 毎回の事だが、僕は先生の教えを納得すると共に、胸に熱い思いが込み上げていた。僕より遥かに年下なのに、どうしてこれほどの強い信念が持てるのだろうか。
 そして、何もかもパーフェクトで、付け入るスキのない先生が、どうして僕と生徒たちに目を向けてくれるのだろう。
 彼女の思いが何処にあるのか、僕は急に知りたくなった。

「こんなに完璧な先生が、僕たちのような取り柄の無い人間に、なぜ目を掛けてくれるのですか?一時でも、僕らのクラスの担任になったからですか?」

 僕がそう言うと先生は、不意に冷たい目で僕を見つめた。その目は少し悲しそうで、僕は聞いてはならないことを聞いてしまったような気がしていた。
 しかし、先生は少し遠くを見ながら静かに口を開いた。

「完璧?私は完璧なんかじゃありません…私程度では、伝説の魔導士カサンドラ・ベルフェスの足元にも及ばないし、英雄のバリタレスに剣術で挑めば、勝つことなどできないでしょう…」

 僕は先生のその言葉に驚きを隠せなかった。今までどんな敵をも圧倒し、完膚なきまでにねじ伏せてきた先生が、そんな弱音を吐いたのだ。
 彼女は僕の驚きを察したように、薄く微笑んだ。

「努力は報われるなどと言いますが、天才と呼ばれる者は、才能に恵まれ、超えることなどできません…しかし、私は彼らと戦っても負けることはないでしょう…」

 僕は先生が何を言いたいのか良くわからなかった。先生は、そんな僕を見て薄っすらと笑いながら、更に話を続けた。

「何故なら、私は魔法で勝てなければ体術を使って戦い、剣術で勝てなければ魔法で戦います…天才と言われている者が、どんなに凄かろうと全てが完璧ではありません…人は平等ではありませんが、均衡は計られているのです…」

 先生の言葉は感慨深いものだった。どんなに完璧な人間でも、弱い部分があるからこそ、人はそれぞれの足りない部分を補い、協力し合う。
 そんな人々の絆が世の中を発展させ、個々を成長させ続けていくのだ。共感する僕が薄っすら涙を浮かべると、先生は更に言葉を続けた。

「先ほど、どんなに努力しても天才には勝てないと言いましたが、それが無駄だという事ではありません…努力を重ねて身に着けた経験は、必ず何かの役に立つ筈です…魔法の使えなかった小林や林が努力を重ねて魔法を身に付けましたが、1番になれないからと言って、お前はそれを無駄だと思いますか?」

 突然のその質問に僕は首を振る事しか出来なかった。

「どんな人間でも可能性は秘めていて、私は努力を積み重ねてきたからこそ、完璧に見えるのでしょう…ですが、私は遠い昔、ある人に救われた事があり、その人物との約束を叶えようと歩んできただけです…」

 先生は熱く語っているが、その目は過去を振り返るような、哀愁が立ち込めていた。

「取り柄がないなどと、自分を卑下するのは止めなさい…それは、努力を怠った者の言う言葉です!私は、お前たちが努力を惜しまないことを知ってるし、お前たちの可能性を知っているからこそ、望んで担任になったのです!」

 その言葉に、頭が真っ白になった。先生が僕たちの世界に来て、クラスの担任になったのは、ただの偶然だと思っていた。
 しかし、先生の口ぶりでは最初から僕らのことを知っていて、自ら望んで僕たちの担任になったという事になる。
 混乱する僕は目を丸くしながら、そのことを先生に問いかけた。

「先生は、最初から僕たちの事を知った上で、僕らの学校に着任し、望んで僕らの担任になったという事ですか?」

 その言葉を聞いて、先生はサッと扇子を広げ、自分の口元を隠す。

「ええ…お前たちのことは、お前たちの世界に行く前からわかっていました…」

 その声は静かだったが、まるで広場の喧騒が一瞬遠ざかったかのように、冷たく耳に響いた。扇子で隠された口元は動かず、彼女の瞳が、まるで星のない夜のような深さを湛えた。
 僕と生徒たちは先生が担任になるまで、会った事など一度もない。校長室で紹介され、最初にその姿を見た時も、外国人のような外見とドレスを纏った派手な身なりに驚いたほどだ。
 ゲートを閉じる為に、僕たちの世界に来たことは説明されたが、何の目的で僕らの担任になったかは一切明かされていない。

 僕は真実を知ることに恐さを感じながらも、勇気を振り絞ってゆっくりと口を開いた。

「先生は【先見の明】を使って、僕たちを前から見てたのですか!?いったい、何の目的で…」

 その瞬間、先生の扇子を握る手が一瞬だけ止まった。まるで、僕が禁じられた領域に踏み込んだかのように、彼女の瞳が鋭く光った気がした。
 だが、先生が何か言いかける前に、「おーい、マリア先生、美濃又先生! 何、2人でこっそり話してるんだよ!」と、宅間君の明るい声が広場に響いた。
 肝心なことを聞けずにモヤモヤした気持ちが残るが、僕は何故だか少しだけホッとしていた。

 何か秘密がありそうだが、それを聞いたら今までの関係が崩れてしまいそうで、追求したことを今更ながらに後悔していた。もし先生が僕たちを利用していたとしたら、これまでの冒険や笑顔は、全部嘘だったのだろうか? そんな考えが頭をよぎり、胸が締め付けられた。

「さぁ、フェルナス公国に帰りますよ…」

 先生がそう言うと、宴を楽しんでいた生徒たちが、「はぁ~い!」と少し残念そうに声を上げた。
 その声を聞きつけて、リカルドや近衛騎士団を引き連れたイレーネ、大公バスタが僕たちを取り囲んできた。

「お前たち、もう行ってしまうのか?」

 リカルドが残念そうに言うと、背後にいたバスタが僕の肩を力強く叩いた。

「美濃又、お前たちが勇敢に民衆を守った姿、儂は忘れないぞ!」

 顔をクシャクシャにしたその笑顔は、彼なりの感謝の様で、僕は胸が熱くなっていた。そして、イレーネが生徒たちに歩み寄り、「あなたたちの勇気がなければ、この国は救えなかったわ…ありがとう」と静かに頭を下げた。
 生徒たちは照れながらも、「なんてことはないよ…」と得意げに言いながら、頭を掻いてイレーネの感謝に応えている。
 先生はそんな生徒たちを微笑ましく見つめながら、「ええ、帰ります…私の生徒たちが一刻も早く元の世界に帰る為に、動かなくてはなりませんので…」とリカルドに言った。

「アヴァロン王国か?…私たちに協力できることがあれば、何でも言って貰いたい!国を救ってくれたお前たちには、協力を惜しまない!」

 するとリカルドはそう言って力強く手を差し出した。その姿は堂々としていて、最初に見た頃の覇気のない面影など微塵も感じさせなかった。
 先生は一瞬、戸惑いを見せるものの、その手を握り返し静かに口を開いた。

「ありがとうございます…同盟国として心強いですわ…さぁ、お前たちも別れの挨拶をしなさい…もう、逢えなくなるかも知れないのですよ…」

 先生の言葉に、胸の奥で何かが引っかかった。元の世界に帰るための別れだと思いたいのに、彼女の静かな声には、まるで永遠の別れを予感させるような重さがあった。



 そして三日後_______ディルファス帝国はこの世界の地図上から忽然と姿を消した。





               ~to be continued~
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