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新たなる旅立ち ①
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あれから1週間。俺は毎日、ゆずと結女さんと一緒に魔物カルタに勤しんだ。
お陰でほぼすべての魔物の名前と、魔物の弱点をマスターすることが出来た。
ゆずは、かなりの教育ママで、ゆずが持ってきた袋の中には、カルタ以外にも「魔物ぬりえ」や「魔物パズル」などいろいろなグッズが入っていて俺に宿題まで出して帰って行った。
一度などは、正博とともにやって来て3人でカルタに興じることもあった。
ゆずと正博は、昔から仲の良い友だちであったように遊んでいる。大人より子どもの方がわだかまりを捨て、新しい環境になじむのが早いのかもしれない。
それでも、結女さんの話では、白神家も少しずつだがご近所さんやとの付き合いが増えてきているという事だった。その音頭を取っているのが、あの桜井区長なのには驚いたが、ここでずっと暮らすことのできない俺は、今後も彼の頑張りに期待している。
ゆず、結女さんの協力のお陰で、7日間で魔物の種類を憶えた俺は、市内の自宅に帰ることになった。
帰る前にお世話になった人たちに挨拶をしに行く。
桜井家にお邪魔すると、正博以外の桜井家の人は俺の登場に騒然となった。
正博は、別れの記念にと自作のプラモデルをプレゼントしてくれた。俺は、ゆずの事を正博に頼み、もう一度指切りをして別れた。
桜井の爺さんにも、白神家への援助に対してお礼を述べる。
爺さんは、ひどく恥ずかしがりながら、今後も彼らへの手助けを約束してくれた。そして、東門の守りに俺が戻った時には、全力で協力すると力強く語っていた。
もちろん白神家へも行った。白神家の家族は、行くたびにいつでも大歓迎してくれる。
しばしの別れを告げると、ゆずの父親と母親は涙を流して俺との別れを惜しんでくれた。俺は、ここに自分が守人として赴任するときは、またよろしくお願いしますと頭を下げた。
待てど暮らせど、ゆずが出てこない。
ゆずの父親が、部屋に呼びに行っても返事がなく部屋にもいないと困りきった顔で客間に戻って来た。
結女さんの「仏間にいるかも」という言葉に、俺は一人で仏間に向かった。
ゆずは真っ暗な仏間の仏壇の前に一人ぽつんと座っていた。
「ゆず。」
俺が声を掛けると、ゆずは涙をぬぐって無理に笑顔を作ったが、その顔がすぐにくしゃくしゃの泣き顔になった。
俺はゆずの隣に座り、ゆずの頭を撫で続ける。仏壇には、髭の生えた強そうな男性の写真が飾ってある。
「これ、ゆずのお爺さんか?」
「うん。おじいちゃんは、歴代の白神の中でも特に強かったんだよ。」
「そうか。それじゃ。ゆずにはこの強かったお爺さんよりもっと強くなってもらわないと。」
「どうしてですか?お館様。」
「ははははは。俺が楽するためにだよ。」
「怠け者ですねぇ。お館様は。」
「そうかもな。俺も守人としてここに戻って来るまで、魔物のこと忘れないようにしないとな。」
「お館様、、、。本当に、ここに戻って来るのですか?」
「東門は、いつまでも安全じゃないみたいだから、戻って来るよ。それに、俺のところからここまでは車で1時間だから、休みの日には、遊びに来るよ。」
「ほんとに?」
ゆずが笑顔を見せる。
「本当だ!指切りするか?」
「する!」
俺とゆずは指切りをした。ゆずは玄関先まで俺を見送り、俺が見えなくなるまで手を振っていた。
俺はうしろ髪をひかれつつ、懐かしいポロアパートと、刑部家。そして仲間たちの待つヴァンパイアポリスに戻れることを嬉しく感じていた。
お陰でほぼすべての魔物の名前と、魔物の弱点をマスターすることが出来た。
ゆずは、かなりの教育ママで、ゆずが持ってきた袋の中には、カルタ以外にも「魔物ぬりえ」や「魔物パズル」などいろいろなグッズが入っていて俺に宿題まで出して帰って行った。
一度などは、正博とともにやって来て3人でカルタに興じることもあった。
ゆずと正博は、昔から仲の良い友だちであったように遊んでいる。大人より子どもの方がわだかまりを捨て、新しい環境になじむのが早いのかもしれない。
それでも、結女さんの話では、白神家も少しずつだがご近所さんやとの付き合いが増えてきているという事だった。その音頭を取っているのが、あの桜井区長なのには驚いたが、ここでずっと暮らすことのできない俺は、今後も彼の頑張りに期待している。
ゆず、結女さんの協力のお陰で、7日間で魔物の種類を憶えた俺は、市内の自宅に帰ることになった。
帰る前にお世話になった人たちに挨拶をしに行く。
桜井家にお邪魔すると、正博以外の桜井家の人は俺の登場に騒然となった。
正博は、別れの記念にと自作のプラモデルをプレゼントしてくれた。俺は、ゆずの事を正博に頼み、もう一度指切りをして別れた。
桜井の爺さんにも、白神家への援助に対してお礼を述べる。
爺さんは、ひどく恥ずかしがりながら、今後も彼らへの手助けを約束してくれた。そして、東門の守りに俺が戻った時には、全力で協力すると力強く語っていた。
もちろん白神家へも行った。白神家の家族は、行くたびにいつでも大歓迎してくれる。
しばしの別れを告げると、ゆずの父親と母親は涙を流して俺との別れを惜しんでくれた。俺は、ここに自分が守人として赴任するときは、またよろしくお願いしますと頭を下げた。
待てど暮らせど、ゆずが出てこない。
ゆずの父親が、部屋に呼びに行っても返事がなく部屋にもいないと困りきった顔で客間に戻って来た。
結女さんの「仏間にいるかも」という言葉に、俺は一人で仏間に向かった。
ゆずは真っ暗な仏間の仏壇の前に一人ぽつんと座っていた。
「ゆず。」
俺が声を掛けると、ゆずは涙をぬぐって無理に笑顔を作ったが、その顔がすぐにくしゃくしゃの泣き顔になった。
俺はゆずの隣に座り、ゆずの頭を撫で続ける。仏壇には、髭の生えた強そうな男性の写真が飾ってある。
「これ、ゆずのお爺さんか?」
「うん。おじいちゃんは、歴代の白神の中でも特に強かったんだよ。」
「そうか。それじゃ。ゆずにはこの強かったお爺さんよりもっと強くなってもらわないと。」
「どうしてですか?お館様。」
「ははははは。俺が楽するためにだよ。」
「怠け者ですねぇ。お館様は。」
「そうかもな。俺も守人としてここに戻って来るまで、魔物のこと忘れないようにしないとな。」
「お館様、、、。本当に、ここに戻って来るのですか?」
「東門は、いつまでも安全じゃないみたいだから、戻って来るよ。それに、俺のところからここまでは車で1時間だから、休みの日には、遊びに来るよ。」
「ほんとに?」
ゆずが笑顔を見せる。
「本当だ!指切りするか?」
「する!」
俺とゆずは指切りをした。ゆずは玄関先まで俺を見送り、俺が見えなくなるまで手を振っていた。
俺はうしろ髪をひかれつつ、懐かしいポロアパートと、刑部家。そして仲間たちの待つヴァンパイアポリスに戻れることを嬉しく感じていた。
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