「忘れられない人」

愛理

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第38話「さよなら、陸人」

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  それから1ヶ月経った頃だった。
  私は金曜日の朝、出勤してからすぐに宮崎さんに話したいことがあるから、今日の夜、一緒に食事に行ってくれないかと誘われた。
  だから、私は二つ返事でOKした。
  そして、今、私は宮崎さんと2人で少しお洒落な感じの居酒屋に来ていた。
  個室ではないけど、席と席の間に仕切りがあるし、わりと席と席の間が離れているので、じっくり話しながら飲みたい時とかには凄くいい感じのお店だなと思った。
「急に誘ってごめんね」
  宮崎さんが言った。
  私と宮崎さんは同じ歳ということがあって、いつの間にか友達みたいな感覚で話すようになっていた。
  でも、宮崎さんは君山課長がプロジェクトに呼んだだけあって、仕事は凄くできる人のイメージだった。
「ううん、全然、大丈夫。今日は何も予定なかったし、明日も仕事は休みだから、家でのんびりだし」
  私がそう言うと宮崎さんは笑顔で、
「そう? 良かった」
  そう言った。
「でも、私に話って何かな?」
  私は注文したファージーネーブルのカクテルを飲みながら言った。
 すると宮崎さんは急に私の方を真剣な顔をして見た。
  え? 何だろう?
 何か仕事で大変なことでもあるとか?
  私がそう思っていると、
「森野さんは今、つきあってる人とかいるの?」
  宮崎さんは真剣な顔をしたまま私にそう聞いてきた。
「え? いないけど」
  私はこれはまさか告白?
  そう思って少しドキドキしてきた。
  でも、まさかね。
  だけど、私がそう思った後、
「俺、森野さんのこと、この1ヶ月の間で好きになったんだ」
  宮崎さんはさっきよりも、もっと真剣な顔をしてそう言った。
  だから、私は驚いて、暫く何も言うことができなかった。
「ごめん、やっぱり、俺じゃ森野さんの彼氏にはなれないか」
  私が黙っていたからか、宮崎さんは私にふられたと思ったらしい。
  だから、私は慌てて、
「ううん、違うの。ただ、驚いただけなの」
  そう言った。
  すると宮崎さんは少し驚いたような顔をした後、
「じゃあ、俺の彼女になってもいいってことかな」
  そう言った。
  私は宮崎さんにそう言われた後、一瞬だけ陸人の顔が脳裏に浮かんだ。
  だけど、私はそれをすぐに打ち消し、宮崎さんには私もずっと好印象を抱いていたので、
「うん、私でいいなら、宜しくお願いします」
  宮崎さんの顔をじっと見て、そう言った。
  すると宮崎さんは凄く嬉しそうな顔をして、
「本当? 凄く嬉しい。後、俺は森野さんがいいんだ」
  そう言った。
  私は宮崎さんのその言葉に嬉しくて笑った。
  また、その時、私は心の中で、
  陸人、これで私はもうきっと本当にあなたにさよならできるね。
  そう思っていた。
  そして、その後、私達は楽しく会話をして、その時に明日、2人とも予定が空いているということでデートする約束をした。
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