「忘れられない人」

愛理

文字の大きさ
39 / 64

第39話「理想の彼氏だけど」

しおりを挟む
  私と宮崎さんは2人で飲みに行った次の日に本当にデートをした。
  急だったし、2人での初めてのデートということで、映画を見たり、食事をしたりとデートの内容はわりと無難な感じだった。
  だけど、宮崎さんは凄く優しくて、私に全然、嫌な思いをさせなかった。
  勿論、初めてだからということもあるかもしれないけど。
  でも、仕事の時でも宮崎さんはそうだから、多分、宮崎さんはこういった紳士的な人なんだろうなと私は思っていた。
  そして、私と宮崎さんは順調におつきあいしていって、今はつきあってから、3ヶ月が経っていた。
  宮崎さんは君山課長とのプロジェクトが終わってからも、できればこれからも、こっちで仕事をしたいと君山課長に言い、君山課長も宮崎さんならと今まで宮崎さんがいたところに連絡を取り、とりあえずは後1年間はこっちで働くことになった。
  また、私ともまだ一緒の部署なので、私と宮崎さんは公私共によく一緒にいた。

  だけど、最近、会っていなかった知咲と無性に会いたくなり、私はいつもは宮崎さんとつきあってからは、ほぼ宮崎さんと過ごしている日曜日に知咲と会うことにした。
  そして、私と知咲は予定通りに日曜日に会って、  久しぶりに会ったということもあり、ゆっくりと話をしたいから、そうできるようなお店を選んで、私と知咲はお互いによく行くデパートに入っている和食屋さんに行くことにした。
  この和食屋さんは、少し値段は高いけど、ゆったりとした席だし、料理も値段が高いだけあって、一番安いものでも豪華だった。
  私は天ぷら定食、知咲はお造り定食を頼んだ。
「久しぶりだね。でも、宮崎さんていう人とうまくいっているみたいで良かったよ」
  知咲がお造り定食についているお味噌汁を啜りながら言った。
「うん、ありがとう」
「で、宮崎さんはどんな感じ?」
  知咲はお椀を置いて、次はお造りを箸で取りながら聞いた。
「ん? 凄く優しいよ。土日にほぼ会ってるけど、全然、嫌なこと言わないし、嫌なことしないし、後、今日のことは友達に会いたいんだけどって言ったら、友達は大事だからねって言ってくれたし」
「そうなんだ」
「うん」
  私はそう返事をした後、かぼちゃの天ぷらをサクッと食べた。
「じゃあさ、近いうちに結婚ってことになるかもね」
  知咲がそう言った後、私は思わず口に入れたかぼちゃの天ぷらを喉に詰まらせそうになった。
  だから、慌ててお茶を飲んで流し込んだ。
「もう、知咲、いきなり何? かぼちゃが喉に詰まるかと思ったよ」
  私がそう言うと、
「何で? だって、私達、もう結婚しても全然おかしくない年齢だよ? それこそ、宮崎さんて人も結婚を視野に入れて亜美とつきあったんだと思うけどな」
  知咲が真面目な顔をしてそう言った。
「そうかな? 私は全然、結婚のことはまだ考えてないけど」
「まあ、まだつきあって、3ヶ月だしね。でも、亜美、そんなにいい男なら、他だってほっとかないよ。だから、もし結婚の話でも出たら、前向きな返事をすぐにした方がいいかもね」
  知咲はまだ真面目な顔をしてそう言った。
  そして、私は知咲の言葉に何故かそうだねとは言えなかった。
  何でだろう?
  私の中での宮崎さんは理想の彼氏と言ってもいい程なのに。
  だけど、何故か結婚するとか、そんなイメージが私の中にない。
  これって、まだやっぱり、知咲の言うとおり、私と宮崎さんがつきあってまだ3ヶ月しか経ってないからなんだろうか?
  でも、私はそういうのって、年月じゃないような気がするんだけど。
  だって、世の中には出会ってから本当にすぐに結婚する人もいるし。
  私は知咲と食事しながら会話する中でそんなことを考えていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

王様の恥かきっ娘

青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。 本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。 孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます 物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります これもショートショートで書く予定です。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...