「もう1度、澄んだ青空を見るために」

愛理

文字の大きさ
26 / 35
第3章「闇の街」

第2話「想像以上だった闇の街」

しおりを挟む
 4人は予定通りに次の日の早朝に闇の街へと向かった。
 そして、野宿をしたりして、歩きつづけて3日目に目的地の闇の街に到着した。
 闇の街は外から見ても、凄く暗くて、異様なオーラーを放っていた。
「何だここ」
 功が嫌そうに言う。
「確かにここにいるだけで気分が悪くなりそうですね」
 心が言った。
「ええ、この街には欲望や荒んだ想いが溢れているので、いい空気が流れていないんです」
 守が言った。
「でも、この街を綺麗にしなきゃならないんだよな」
 勇気が言った。
「はい。凄く大変だと思いますがこの街の中に入り、その方法がないか探したり、聞きだしたりしなければなりません。だから、今からこの街の中に入ります。皆さん、大丈夫でしょうか?」
 守がそう言った後、
「ああ、仕方ないもんな。だって、この街を綺麗にしなきゃ、次に進めないんだから」
 功がそう言い、4人はそれぞれの顔を見た後、闇の街の中へと入っていった。
 4人が闇の街の中に入ると、そこは4人ともが想像していたよりも、凄い街だった。
 街の中は本当に真っ暗で、あちこちで喧嘩をしていたり、盗みをしていたり、中にはナイフを振り回している者もいた。
「一体、何なんだよ。この街は」
 勇気が戸惑いながら言った。
「想像していたより凄い街ですね」
 心が言った。
「何かこの街にいる奴、全員が人の話なんて聞く感じがしないんだけど」
 功が言った。
「そうですね。でも、根気よく頑張りましょう」
 守がそう言ったので、3人は大きく頷き、気合いを入れ直した。
 そして、4人はそれぞれ闇の街に住んでいる人に話しかけてみた。
 だけど、やはり、話しかけた全員が凶暴で、こちらの話を聞いてくれようともしなかった。
「はあ。疲れた。この街にも宿はあるみたいだけど、さっき行ったら、宿代がめちゃくちゃ高かったし、こりゃ、この街の近くでテント貼って、休むしかないよな」
 功が言った。
「そうだよな。それにこの街で眠るのは危険そうだし」
 勇気が功が言ったことに対して、そう言った後、
「あのすいません……」
 と4人より少しだけ若そうな少年がいきなり現れた。
 今、4人は闇の街で唯一、花が少しだけ咲いている場所にいた。
「何だお前?」
 功が言う。
「功、そんな風に威圧的に言うのはよくありません。何か私達に用でしょうか?」
 心が言った。
 するとその少年は意を決したような顔をして、
「はい。あなた達の心は正常のようなので、ぜひ、お話を聞いていただくて、声をかけさせていただきました」
 そう言ったので、4人は顔を見合わせて、その少年の無事も考えて、一度、闇の街の外に出て、テントを貼り、そのテントの中で少年の話を聞くことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...