「もう1度、澄んだ青空を見るために」

愛理

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第1章「異変」

第10話「黒い心」

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「黒い心?」
 勇気がそれは何なんだというような口調で聞いた。
「はい。黒い心とはこの地球をこんな風に異常な世界にした化け物です」
 守は凄く真剣な表情をしたままで言った。
「そして、その黒い心という化け物を倒せばこの世界は元に戻るんです。ただ、その黒い化け物の強さは半端ではないので、その黒い化け物を倒す前に僕達は色々な修行をつまなければなりません」
 守は凄く真剣な表情を崩さないままで言う。
「じゃあ、まずは何をすればいいんだよ?」
 功が言う。
「はい。最初はまず強くなるために黒い山という山に登ります。そこにいるモンスター、そして、その黒い山を牛耳っているボス、ブラックマウンテンを倒しに行きます」
 守はまだ凄く真剣な表情は保ったままで言う。
「解りました。この世界を元に戻すのは、その黒い心という化け物を倒すしかないのなら、そして、私達にその使命が課せられているのなら、守さんの言うとおりにしたいと思います。その黒い山がある場所も守さんはご存じなのですよね?」
 心が言った。
「ええ、勿論です。ただ、その黒い山は、登るにはかなり危険なので、色々と持っていくものも準備しなければなりません。この地球上には恐らく、もう、まともに買い物ができる街などは存在しないと思います。だから、僕がワープして行ける異世界の街に買い物に行きましょう」
 守はさっきとは違い、少し穏やかな表情で言った。
「異世界の街?」
 勇気がまたそれは何なんだというような口調で聞いた。
「はい。光の世界から少し離れた所にある街なのですが、大きい街で神聖なものが沢山売っています。そこに行きたいと思います。ただ今日はもう午後5時を過ぎてしまいましたので、出発するのは明日にしましょう。皆さんも一気に色んなことが起きて疲れたと思いますので。だから、とりあえずこの家に皆で泊まりましょう。この家は安全ですから」
 守がそう言うと勇気はそうだという表情をした後、
「ここにワープして来る前も思ったんだけどさ、何でこの家は安全なわけ?」
 そう聞いた。
「はい。それはこの家はあらかじめ僕が建てておいた光のシールドで覆われている家だからです」
 守のその言葉に勇気と功はまた、もの凄く驚いた表情をして、そして、心は今度は納得のいくような表情をした。
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