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第7話
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俺に「あんた、何やってんの?」と言ったのは有川さんを守っている存在の1人の花蓮と呼ばれていた子だった。
「花蓮……」
有川さんが少し、おどおどした感じで言う。
「理菜、長原に無理矢理、抱きしめられてたの?」
花蓮さんが言った(名字を知らないので、とりあえず今はこう呼ばせてもらう)
「え? 違うよ……」
「じゃあ、まさか! 理菜も長原のこと好きになったとか?」
花蓮さんがそう言うと有川さんは真っ赤になった。
そんな有川さんを見て、花蓮さんは大きな溜息を吐いた。
そして、今度は俺をキッと睨みつけるように見て、
「この前、さなが言ってたでしょ? 理菜は今時、本当に珍しい純粋な子だって。だから、あなたみたいに女の子を傷つけるような人とは一緒にいてほしくないの」
そう言った。
「誤解だよ。俺は女の子を傷つけようと思って傷つけてるわけじゃないし、むしろ、有川さんのことを好きになって、今までの女の子に悪いって思ってるくらいなんだから」
俺はすぐにそんな風にムキになって花蓮さんに言った。
そんな俺を少し見て、花蓮さんは、
「じゃあ、証拠見せてよ。あんたが理菜に本当に本気だって解ったら、私も協力してあげる。あんた、相当、人気あるからね。理菜がつきあうとなっても、やっかみとかも起きてくるだろうし。そういうの解決するように協力してあげる。但し、さっき言ったようにあんたが理菜に本気だって解ったらね」
「え……どうやったら、本気だって認めてくれるわけ?」
「それはあんたが考えて。とにかく理菜は昔、色々と傷つけられたの。だから、私や、さなは理菜がつきあう人は本当に理菜を大事にしてくれる人じゃないと嫌なのよ。理菜、あんたは長原を好きかもしれないけど、また過去のように傷つくのは嫌でしょ?」
花蓮さんの言葉に有川さんは戸惑いながらも頷いた。
「ということだから、早く長原が理菜に本気だっていうとこ見せてね。とりあえず今日は理菜、連れて帰るから」
そう言い花蓮さんは有川さんの手を引っ張ってその場を去ってしまった。
俺はせっかくうまくいってたのに……という気持ちも抱えつつ、でも、それなら、絶対に花蓮さんとかに俺が有川さんに本気だと認めさせてやると強く思っていた。
「花蓮……」
有川さんが少し、おどおどした感じで言う。
「理菜、長原に無理矢理、抱きしめられてたの?」
花蓮さんが言った(名字を知らないので、とりあえず今はこう呼ばせてもらう)
「え? 違うよ……」
「じゃあ、まさか! 理菜も長原のこと好きになったとか?」
花蓮さんがそう言うと有川さんは真っ赤になった。
そんな有川さんを見て、花蓮さんは大きな溜息を吐いた。
そして、今度は俺をキッと睨みつけるように見て、
「この前、さなが言ってたでしょ? 理菜は今時、本当に珍しい純粋な子だって。だから、あなたみたいに女の子を傷つけるような人とは一緒にいてほしくないの」
そう言った。
「誤解だよ。俺は女の子を傷つけようと思って傷つけてるわけじゃないし、むしろ、有川さんのことを好きになって、今までの女の子に悪いって思ってるくらいなんだから」
俺はすぐにそんな風にムキになって花蓮さんに言った。
そんな俺を少し見て、花蓮さんは、
「じゃあ、証拠見せてよ。あんたが理菜に本当に本気だって解ったら、私も協力してあげる。あんた、相当、人気あるからね。理菜がつきあうとなっても、やっかみとかも起きてくるだろうし。そういうの解決するように協力してあげる。但し、さっき言ったようにあんたが理菜に本気だって解ったらね」
「え……どうやったら、本気だって認めてくれるわけ?」
「それはあんたが考えて。とにかく理菜は昔、色々と傷つけられたの。だから、私や、さなは理菜がつきあう人は本当に理菜を大事にしてくれる人じゃないと嫌なのよ。理菜、あんたは長原を好きかもしれないけど、また過去のように傷つくのは嫌でしょ?」
花蓮さんの言葉に有川さんは戸惑いながらも頷いた。
「ということだから、早く長原が理菜に本気だっていうとこ見せてね。とりあえず今日は理菜、連れて帰るから」
そう言い花蓮さんは有川さんの手を引っ張ってその場を去ってしまった。
俺はせっかくうまくいってたのに……という気持ちも抱えつつ、でも、それなら、絶対に花蓮さんとかに俺が有川さんに本気だと認めさせてやると強く思っていた。
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