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花火大会を作ろう

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夏が訪れ、花火大会の季節が近づいてきた小さな町の小学校には、毎年楽しみにしていた花火大会が、何故か今年は休止となるという知らせが届いた。小学5年生の主人公たちもその知らせを受け取った瞬間、がっかりした表情を浮かべるのが見て取れた。

そのクラスには、明るく元気なリーダー気質のある太一、知識豊富で冷静沈着な頼りにされるさくら、芸術的な才能を持つ絵美、そして仲間想いで面倒見のいい悠真がいた。彼らは親しい友人同士で、これまで様々な冒険を共にしてきた。そんな彼らが、このまま諦めてしまうことなど考えられないと心に決めたのだった。

太一はクラスメイトたちに集まってもらい、自分たちで花火を作って、勝手に花火大会を開こうと提案した。当然のように賛成の声があがり、それぞれが持ち味を活かして、花火づくりの計画が始まった。

まず、太一は学校の近くに住むさくらのおばあちゃんに相談した。さくらのおばあちゃんは昔、花火職人として働いていた経験があり、花火についての知識や技術は豊富だった。彼女は喜んで手伝ってくれることになり、その知恵と指導のもと、花火作りの道を開いてくれた。

絵美は美術の授業で学んだ絵の技法を活かし、花火の筒に描くデザインを担当することになった。彼女は夢中になって色とりどりの花火の絵を描いていき、さくらのおばあちゃんから花火の筒に転写する技術も教わった。

悠真は地域の他の学校に声をかけ、彼らも一緒に花火大会を開くことに賛成してくれる生徒たちを見つけ出した。まるで冒険者のように、情熱を持って花火作りに参加する仲間たちと出会い、新たな友情が芽生えていった。

そして、迎えた花火大会の日。小学校の広いグラウンドには、地域の子どもたちがわくわくした表情で集まっている。花火職人としての腕を磨き、友情を深めた彼らの手で作られた花火は、夜空に美しい輝きを放った。

「凄いね!」「感動する!」子どもたちの歓声が空間に響き渡り、彼らの青春の輝きが最高潮に達した瞬間だった。太一やさくら、絵美、悠真たちが夢中になって作った花火が、たくさんの人々に喜びと感動を与える姿に、彼らの心は満たされた。

この勝手な花火大会は、町中の話題となり、地域のコミュニティにも大きな影響を与えた。彼らの情熱と努力が、周りの人々にも勇気と希望を与えたのだ。

その後も彼らは、毎年恒例の花火大会を開催し続けた。そして、太一やさくら、絵美、悠真たちの青春は、自分たちの手で輝かせる花火のように、ますます輝きを増していったのであった。
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