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第一章 幼少期編
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ヴァレリア帝国第五皇女、アルメリア・フォン・ヴァレリア
彼女の母であるアリシア・フォン・アルティエルはアルティエル王国というヴァレリア帝国の隣国に存在した王国の姫君であった。
その美しい容姿から彼女は美姫と称えられ、他国の王族からの求婚が絶えなかったという。
しかし、彼女の母国はある時、隣国であるヴァレリア帝国の侵略を受けた。アルティエル王国側も帝国の侵略に対して必死に抵抗したが、その抵抗も空しくアルティエル王国は帝国の手によって滅ぼされてしまった。
彼女は自身の母国が帝国に征服された際、他の王族の助命と引き換えに帝国に引き渡される事になった。
その後、彼女はそのまま帝国の離宮に幽閉にて近い生活を強いられることになる。
そして、彼女が幽閉されてから数日後、ヴァレリア帝国の皇帝は彼女に自らの子を産むよう命じた。
だが、彼女は生まれつき病弱であった。医者からも普通の生活をする分には支障がないのだが、子供を産める体ではない、無理をして子を産もうとすれば命を落とす事になる、とまで言われていた。
しかし、敗国の姫君である彼女には皇帝の命令に従う道しかなかった。子供を産む事が出来ない体だと言われながら、無理をして子を産もうとすればどうなるか。それは誰の目にも明らかであった。
胎児が成長するにつれ、それと反比例するように彼女の体は衰弱していった。
彼女の主治医は後に「その衰弱ぶりは母体の生命力が生まれてくる胎児に奪われているかのよう」と語っており、胎児が十分に成長した頃には彼女の体は生きているのが不思議な位に酷く衰弱していた。
そして、彼女はアルメリアを出産すると同時にその命を落としてしまった。
こうして自らの母の命と引き換えにヴァレリア帝国第五皇女アルメリア・フォン・ヴァレリアはこの世に生を受けることになったのだった。
アルメリアが生まれてから十年の歳月が経過していた。
彼女は美姫と呼ばれた母の容姿を受け継ぎ、大粒のルビーを思わせる瞳と穢れを知らない長く艶やかな白銀の髪が目を引く可憐な姫君へと成長していた。
この国の慣例として、皇女として生まれた者はある一定の年齢になるまで母子と侍女だけ育てられる事になっている。
しかし、アルメリアの場合は母と死別している事もあり、離宮の一角にて侍女たちだけとの毎日を過ごしていた。
また、アルメリア自身も生まれた時からその生活が当たり前だった為、そこに疑問を持たなかった。
そして、離宮で侍女たちと過ごしていたある日の事だった。
「姫様、お茶会の招待状が届いております」
「お茶会?」
「はい、こちらをご覧ください」
アルメリアは侍女に渡された招待状を手に取る。
招待状は予め侍女が検閲のために開けていたようで、口が空いていたのでその中から手紙を手に取り、中身を読み進める。
その手紙だが、要約すると「三日後に二人だけのお茶会を開きたいので、アルメリアにはぜひとも参加してほしい」といった内容であった。
そして、手紙の一番下にはマリアーナ・フォン・ヴァレリアという名前が記されていた。おそらく、この人物が手紙の差出人なのだろう。
しかし、当のアルメリアにはマリアーナという名前の人物に心当たりはなかった。
「ねえ、ここにあるマリアーナとは一体誰なのかしら? わたくし、このような名前の方にお会いしたことは一度もありませんわ」
「ここにあるマリアーナ様とは姫様の姉君でございます」
「……まぁ!! わたくしにお姉様がいたのですね!!」
侍女の言葉から自分の家族の存在を知ったアルメリアは思わず心躍らせる。今迄、出会った事のない自分と血が繋がった家族とのお茶会にアルメリアも興奮を隠せない様子だ。
「わたくし、是非ともお姉様にお会いしたいですわ。お姉様にはお茶会に参加しますと伝えてくださいな」
「畏まりました」
アルメリアの言葉を聞いた侍女は彼女に一礼をした後、部屋から去っていく。
「わたくしのお姉様。一体どのような方なのでしょうか。お会いするのが楽しみですわ」
そして、アルメリアは初めて会う姉に思いを馳せるのだった。
お茶会の当日。アルメリアは自室にてお茶会の時を今か今かと待っていた。すると、そんな時、部屋の扉がコンコンとノックされた。
「どうぞ、お入りなさいな」
アルメリアが許可を出すと扉が開かれ、一人の侍女が部屋の中へと入ってくる。
「失礼いたします。アルメリア様、お迎えに上がりました」
その侍女は部屋に入ってくるなり、そう言うが当のアルメリアはその侍女に見覚えが無かった。
「あなたは誰なのかしら?」
「わたしはマリアーナ様付きの侍女でございます。本日は私がアルメリア様をマリアーナ様の元へとご案内いたします」
「分かりましたわ。では、よろしくおねがいいたしますわね」
そして、侍女に案内されてやってきたのはアルメリアが普段暮らす離宮から離れたある庭園の一角だった。
「こちらです。どうぞお入りください」
そして、アルメリアは庭園の中へと入っていく。すると、そこには椅子に腰かけ優雅に佇む美しく着飾った一人の少女がいた。
アルメリアはその少女を目にした瞬間、不思議と彼女が自分と血の繋がった家族だという事が理解できた。
その少女もアルメリアの事に気が付いた様で、彼女の姿を見つけると優しく微笑む。
「ふふっ、あなたがアルメリアね。初めまして。これからよろしくね」
そうして、アルメリアは自分の未来に多大な影響を与える事になる少女に出会ったのだった。
彼女の母であるアリシア・フォン・アルティエルはアルティエル王国というヴァレリア帝国の隣国に存在した王国の姫君であった。
その美しい容姿から彼女は美姫と称えられ、他国の王族からの求婚が絶えなかったという。
しかし、彼女の母国はある時、隣国であるヴァレリア帝国の侵略を受けた。アルティエル王国側も帝国の侵略に対して必死に抵抗したが、その抵抗も空しくアルティエル王国は帝国の手によって滅ぼされてしまった。
彼女は自身の母国が帝国に征服された際、他の王族の助命と引き換えに帝国に引き渡される事になった。
その後、彼女はそのまま帝国の離宮に幽閉にて近い生活を強いられることになる。
そして、彼女が幽閉されてから数日後、ヴァレリア帝国の皇帝は彼女に自らの子を産むよう命じた。
だが、彼女は生まれつき病弱であった。医者からも普通の生活をする分には支障がないのだが、子供を産める体ではない、無理をして子を産もうとすれば命を落とす事になる、とまで言われていた。
しかし、敗国の姫君である彼女には皇帝の命令に従う道しかなかった。子供を産む事が出来ない体だと言われながら、無理をして子を産もうとすればどうなるか。それは誰の目にも明らかであった。
胎児が成長するにつれ、それと反比例するように彼女の体は衰弱していった。
彼女の主治医は後に「その衰弱ぶりは母体の生命力が生まれてくる胎児に奪われているかのよう」と語っており、胎児が十分に成長した頃には彼女の体は生きているのが不思議な位に酷く衰弱していた。
そして、彼女はアルメリアを出産すると同時にその命を落としてしまった。
こうして自らの母の命と引き換えにヴァレリア帝国第五皇女アルメリア・フォン・ヴァレリアはこの世に生を受けることになったのだった。
アルメリアが生まれてから十年の歳月が経過していた。
彼女は美姫と呼ばれた母の容姿を受け継ぎ、大粒のルビーを思わせる瞳と穢れを知らない長く艶やかな白銀の髪が目を引く可憐な姫君へと成長していた。
この国の慣例として、皇女として生まれた者はある一定の年齢になるまで母子と侍女だけ育てられる事になっている。
しかし、アルメリアの場合は母と死別している事もあり、離宮の一角にて侍女たちだけとの毎日を過ごしていた。
また、アルメリア自身も生まれた時からその生活が当たり前だった為、そこに疑問を持たなかった。
そして、離宮で侍女たちと過ごしていたある日の事だった。
「姫様、お茶会の招待状が届いております」
「お茶会?」
「はい、こちらをご覧ください」
アルメリアは侍女に渡された招待状を手に取る。
招待状は予め侍女が検閲のために開けていたようで、口が空いていたのでその中から手紙を手に取り、中身を読み進める。
その手紙だが、要約すると「三日後に二人だけのお茶会を開きたいので、アルメリアにはぜひとも参加してほしい」といった内容であった。
そして、手紙の一番下にはマリアーナ・フォン・ヴァレリアという名前が記されていた。おそらく、この人物が手紙の差出人なのだろう。
しかし、当のアルメリアにはマリアーナという名前の人物に心当たりはなかった。
「ねえ、ここにあるマリアーナとは一体誰なのかしら? わたくし、このような名前の方にお会いしたことは一度もありませんわ」
「ここにあるマリアーナ様とは姫様の姉君でございます」
「……まぁ!! わたくしにお姉様がいたのですね!!」
侍女の言葉から自分の家族の存在を知ったアルメリアは思わず心躍らせる。今迄、出会った事のない自分と血が繋がった家族とのお茶会にアルメリアも興奮を隠せない様子だ。
「わたくし、是非ともお姉様にお会いしたいですわ。お姉様にはお茶会に参加しますと伝えてくださいな」
「畏まりました」
アルメリアの言葉を聞いた侍女は彼女に一礼をした後、部屋から去っていく。
「わたくしのお姉様。一体どのような方なのでしょうか。お会いするのが楽しみですわ」
そして、アルメリアは初めて会う姉に思いを馳せるのだった。
お茶会の当日。アルメリアは自室にてお茶会の時を今か今かと待っていた。すると、そんな時、部屋の扉がコンコンとノックされた。
「どうぞ、お入りなさいな」
アルメリアが許可を出すと扉が開かれ、一人の侍女が部屋の中へと入ってくる。
「失礼いたします。アルメリア様、お迎えに上がりました」
その侍女は部屋に入ってくるなり、そう言うが当のアルメリアはその侍女に見覚えが無かった。
「あなたは誰なのかしら?」
「わたしはマリアーナ様付きの侍女でございます。本日は私がアルメリア様をマリアーナ様の元へとご案内いたします」
「分かりましたわ。では、よろしくおねがいいたしますわね」
そして、侍女に案内されてやってきたのはアルメリアが普段暮らす離宮から離れたある庭園の一角だった。
「こちらです。どうぞお入りください」
そして、アルメリアは庭園の中へと入っていく。すると、そこには椅子に腰かけ優雅に佇む美しく着飾った一人の少女がいた。
アルメリアはその少女を目にした瞬間、不思議と彼女が自分と血の繋がった家族だという事が理解できた。
その少女もアルメリアの事に気が付いた様で、彼女の姿を見つけると優しく微笑む。
「ふふっ、あなたがアルメリアね。初めまして。これからよろしくね」
そうして、アルメリアは自分の未来に多大な影響を与える事になる少女に出会ったのだった。
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