白銀皇女の覇道譚 ~侵略国家の皇女は覇道を歩む~

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第二章 学園編

33 記念舞踏会①

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 それは入学式から数週間が経過したある日の事、アルメリアはアークスとアミィを呼び出していた。

「あなた達、記念舞踏会の準備はしているのかしら?」

 アルメリアの言葉にある記念舞踏会、それはその名の通り、新入生の入学を記念して開かれる舞踏会の事だった。
 学園では時折、上級生との交流を兼ねた舞踏会が開かている。その理由は将来の結婚相手を見つける為だ。この学園は身分の差が関係なく、同世代の他家貴族と出会う事が出来る大きな機会でもある。
 また、婚約者がいない貴族の令嬢達にとっては自分より爵位が高い家の子息に出会える大きな機会である。特に上位貴族の子息に見初められることになれば、それだけで自分の地位は向上する事になるだろう。その為、下位貴族の令嬢たちは良縁を求めてこの舞踏会に力を入れているのだ。

 そして、今回の舞踏会は新入生の入学を記念してのものだ。それ故、新入生に関してはよほどの事情が無い限りは参加を強制されている。
 しかし、アルメリアの言葉に二人は顔を暗くしていた。流石に二人のそんな様子に彼女も疑問を浮かべる。

「あら、どうしたのかしら?」
「実は……」

 そして、二人はある事を話し始めた。
 元々、二人の実家であるオラクリア男爵家はアルベルト皇子の戦死の責任を問われ、爵位剥奪の危機に瀕していた。その件に関してはアルメリアの手回しで何とかなったのだが、それでも、既に没収となった男爵家の財産に関しては未だ彼らの手元には帰ってきていなかった。
 それ故に今の二人では舞踏会に相応しい礼服やドレスを用意する事が出来そうになかったのだ。
 その為、二人は病と偽って参加しないでおこうと思っていたそうだ。

「あら、そうですのね。……分かりましたわ。アークスの礼服についてはこちらで用意させておきましょう。アミィにはわたくしのドレスを貸し与えましょうか」
「「アルメリア様、本当によろしいのですか!?」」
「ええ、構いませんわ。折角の舞踏会だというのに一人だけで参加するのも味気ないですもの」
「「ありがとうございます」」

 そして、二人は深々と頭を下げた。



 それから数日後の事、今日は新入生の入学を記念した全生徒を集めての記念舞踏会が開かれる日だった。
 そして、アルメリアは寮の自室にて、リリアの手によって舞踏会の参加の準備が行われていた。

「リリア、何時になったら準備が終わりますの?」
「もうすぐ終わりますので、あともう少しだけお待ちください」

 アルメリアの呆れが混じったその言葉にリリアはそんな言葉を返す。しかし、アルメリアが呆れるのも当然の話だろう。何故なら、彼女の準備が始まってから既に数時間は経っているのだから。
 リリアの侍女としての技量は皇宮でも十分に通用する程に高い。そんな彼女の技量と気合を最大限に発揮してアルメリアに相応しい装いの準備をするべく、念入りに時間を掛けて行っていた。

 そして、そんなアルメリア達の様子を見守っているのはアークスとアミィの二人だ。
 既に二人もそれぞれ舞踏会に相応しい礼服とドレスを身に纏っている。特にアミィのドレスはアルメリアがお古のドレスを譲った事もあり、それこそ高位の貴族令嬢が身に纏うものと遜色ない程の高品質なドレスだった。
 また、彼らの準備もリリアが手ずから行っていた。

 そして、それから少しするとアルメリアの髪を念入りに整えていたリリアの手がすっと止まった。

「姫様、お待たせいたしました。準備が完了いたしました」

 リリアのその言葉にアルメリアはすっと立ち上がると、三人の方へと向き直る。そして、アルメリアの姿を見た二人はその装いに思わず見惚れてしまった。

「今日のアルメリア様は本当に素敵です」
「そのドレスも本当にお似合いです」
「ふふっ、二人とも、ありがとう」

 二人の言葉はお世辞ではなく、本心でそう思っていた。
 今日のアルメリアは彼女の白銀の髪色に合わせた白を基調としたドレスを身に纏っている。ドレス自体はどちらかと言えば派手さは控えめに作られているが、何か所にもリボンやフリルがあしらわれており、それがアルメリアの美しさを更に引き立てているのだ。
 今のアルメリアは可憐な妖精という言葉が相応しい程に美しく神秘的だった。

「さぁ、来ましょうか」
「「はい!!」」

 そして、アルメリアは三人を伴って、舞踏会が開かれる会場まで向かっていくのだった。
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