俺は四重人格の君の4分の壱が好きだった

12話 人形劇の開幕戦

「遅かったわね」

「遅かったわねじゃねぇよ！」 

「だって本当に遅かったじゃない」

「遅かったのは誰のせいだよ！」
「住所ぐらい書いとけ」

「何で私が書かないといけないのよ」
「私面倒なこと嫌いなのよ」

「それよりこんな所で話してて大丈夫なのかよ」

「大丈夫よ」

「人が来たらどうするんだよ」
「俺もお前も一緒に居てると色々面倒なことになるぞ」

「このビル、喫茶店は元は祖母のものなのだから祖母が死んでからここには人が立ち寄らなくなって今では滅多に人が来ないわよ」
 
「それならいいけど」

「何飲む？」
 「そのメニューの中のものなら大体なら作れるわよ」

「ならコーヒーミルクで」

「え、貴方コーヒー飲めないの？」

「の、飲める！ただ牛乳が好きなだけだ！」

「身長が低いから頑張ってるのね～」

「悪いかよ！」

「別に悪いとは言ってないけど、私の経験から言うと牛乳なんて関係ないわよ私牛乳嫌いだもの」

「うぜぇ それなのに何でそんなに大きいんだよ！？」

「遺伝かしら～」

「何だよ！腹立つ言い方だな！」

「貴方って見た目もだけれど結構子供ね」

「子供！？」

「可愛いわよ」

「当たり前だ」

「はい できたわよ」

「ありがとう」

「ちゃんとそういうこと言えるのね」

「うるさい黙れ」
自動販売機で買うコーヒーミルクと同じ味なはずなのに女が作ってくれたコーヒーミルクが凄く美味しく感じた」

「何で俺を呼び出したんだ？」

「聞きたいことがあって」
「何で保健室も屋上の時も何で私に関わるの？」
そう聞かれると俺もわからないこんなに面倒くさい人間じゃなかったはずだ。
人に関わるのが嫌いなのに…

「何故か勝手に体動いていたんだ」

「どういうこと？」

「別に俺は人が勝手に死のうがどうでもいいそいつの人生だ」

「でも、あの時一瞬でも見逃していたらダメな気がしたんだよ」

「そうなのね」
「それなら貴方にお願いしたいの」

「なんだ？」


「私を殺して欲しいの」
俺はしっかり聞こえたでも、女からありえない言葉が出て俺は驚きが隠せない。

「なんでだよ！？」

「貴方のせいで死ぬ気が失せたの」
「だから其れ相当の罪を償ってもらはないと」

この女が何を言っているか俺は全くもって理解できなかった。
でも、前に言っていたことは少し理解できた気がした。
本当にまるで傀儡子が全く別の人形を操っているように見えてしまった。