深い青を愛してる

あおなゆみ

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私の今、一番大切なもの

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 新たな物語を書き、その物語が発売された。
再び図書館に通って5日目。
私にとってたった5日。
彼は私の合図に気付き、思い出の場所にやって来た。

 私が席に座り、本を読んでいた時。
なんとなく予感があり、通路の先を見ると、彼はこっち側に向かって歩いてきていた。
まだ私には気付いていない。
 その瞬間が最後の機会でもあった。
美しい思い出の形を変えずに永遠にするのなら。
夢に描いた事が現実となるのが怖いのなら、今しか逃れる機会はない、と。
果敢に合図を送った私でも、もちろん恐怖はあった。
私の今、一番大切なものが目の前に、手の触れられる位置まで近づくのだから。
秘密は明かされ、彼がここに来ているのなら、私は彼にとって前とは違う存在となっているはずだから。
 
 懸命に私を探しているだろう、彼。
私はやっぱり、彼の特別な存在になりたい。
欲張りになっているのかもしれない。
でもそれが何だと言うのか。


 深い青が思い浮かぶ。 
数え切れないほどの夜が蘇る。
私は彼に近づいていった。
何を伝えるべきか、分かっていた。
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