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彼女の合図
しおりを挟む深い青を愛してる
それがその小説のタイトルだった。
そのタイトルを見た時から、その言葉の美しさに涙を流しそうになる僕。
彼女との出会いから6年経っていた。
一文一文を驚きの気持ちで読んでいった僕は、驚きながらも、ただ彼女に会いたかった。
僕の深い青の夜に、存在していたのは彼女だったのだ。
そして、彼女の深い青の夜には僕が存在していた。
僕は彼女の文章を愛し、彼女は僕の音楽を愛した。
彼女の書いた新しい物語には、僕と彼女にしか分からないだろう、僕らの出会いと奇跡が詰め込まれていた。
それに、僕にとって忘れられない大切な約束は、彼女にとっても重要な約束だった。
「いつかまた、会いたいです」
「僕も会いたい。絶対に」
僕はその約束の美しさに、感動していた。
彼女が僕に気付きながらも、その当時は秘密にしていた事。
今になってようやく、「会いたい」と合図を送るように物語を書いた事。
僕が彼女をずっと気になり続け、彼女の合図に気付いた事。
行き先はひとつしかなかった。
僕はもう、音楽をやっていないし、彼女の望んでいるものを与えられない。
彼女の深い青の夜に存在しているのは、僕の過去でしかないのかもしれない。
でも、会いたかった。
彼女の合図に応えてみたかった。
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