聖女召喚に巻き込まれて、異世界にきたオレは追放されて聖人になる

坂道冬秋

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ACT14〜戦闘準備〜

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一夜が明けてオレとニナは、村の中を見回っていた。日が落ちてから到着したオレ達から見ると、朝の光の下で村人が活動し始めた村は、印象が大分違っていた。

「昨日みたいな邪気をまとった魔物が出現したっていう事は」
「出現したっていう事は、どういう事なんだ?」
オレがニナの説明を引き継ぎ、話の続きをうながす。

「たぶん近くに邪気が強い場所があると思うの」
「そういう場所があると、どうなる?」
答えは何となく察しがつくが、オレはニナに尋ねる。

「また、邪気をまとった魔物が出現するわ!」
「やっぱりか!それって、もとを断たないと問題解決にならないんじゃないのか?」

「ええ!そうなの!でも…」
ニナは、何か気になる事があるらしい。

「その前に、また魔物が襲ってくるかもしれない!」
「だから、村を見回って対策を考えてるわけだな」
朝からのニナの行動の意味が、今ようやく理解できた。

「オレは素人だから、よくわからないけど、柵とかもないし守るのは難しくないか?」
「ええ!魔物が群れで押し寄せてきたら、どうにもならないと思う」
ニナは、冷静に分析しているようだった。

「こういう場合って、守るんじゃなくって、攻めて出るものかなって思うんだけど」
「ええ、そうしたいんだけど」
ニナは、戸惑っている様子だった。

「その間に村が襲われたらヤバいよな」
「そうなの!打って出るには、最低限の守りが必要なの!」
そう言ったニナは、頭を抱えているようだった。

「ここには、村を守れる人間はいないからな」
オレの言葉にニナも同意していた。

「どうするんだ?」
「どうしよう?」
ニナも答えが出ないみたいだった。

「でも、このまま時間が経てば経つほど、魔物が襲ってくる可能性が高くなると思うの」
「早いうちに、対策を練らないといけないんだな」
「ええ!」

こうしている間にも、魔物がこの村に攻め寄せるかもしれない。邪気が強い場所が近くにあるなら、魔物の数はどんどん増えていくだろう。つまりは、そういう事らしい。

「二手に分かれるっていうのはどうだ?」
オレは、ニナに提案した。

「ダメよ!危険過ぎるわ!それに一人でどうやって浄化魔術を発動するまでの時間を稼ぐの?」
「たしかに、難しいな!」

昨日はじめて覚えた浄化魔術は、発動までに時間がかかるようだ。そこを襲われれば何もできないだろう。

それに、まだ浄化魔術がどれだけの力を発し、どれ程消耗するかも解っていなかった。現時点では、一人で魔物に対するのは自殺行為だと言えた。

「どうにもならないな!とりあえず、村の防衛の方を考えるのはどうだ?」
「ええ、そうするしかないわね」
オレ達は、村長に話をする事にした。

今の状況では、村人全員で魔物から防衛する方法しかなかった。もちろん、オレとニナもその中に入っている。

むしろ、現時点では要となるだろう。オレはこの時村人を守る事を考えていた。元の世界のオレからは考えられない事だった。

別にオレは悪人だったわけではないと思う。わざと人を傷つけようとした事はない。でも、善人だったかというと、そうでもない。

自分から他人を助けようとした事も少ない。善人でも悪人でもない。それがオレだった。ニナが村人を助けようとしている。

だから、オレもそうしようとしているだけかもしれない。ただ、この時のオレは村人を守りたいと本気で考えていた。


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