聖女召喚に巻き込まれて、異世界にきたオレは追放されて聖人になる

坂道冬秋

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ACT28〜遠き地の仲間達〜

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マイン・シラシードは、第五騎士団の団長である。

第五騎士団は主に護衛任務を請け負う騎士団で、全て女性で構成されている。

それは、王族や貴族などの主に女性の警護を受け持つためである。

しかし、現在、彼女達第五騎士団は、護衛以外の任務についていた。

その任務とは魔物の討伐であった。本来、第五騎士団が受け持つ任務ではない。

しかし、現在の王国では、彼女達を魔物討伐任務につける必要があった。簡単な理由だ。人手不足である。

現在、王国の騎士や兵士、そして、臨時で雇った冒険者などが、王国各地で魔物討伐を行っていた。

それでも、手が足りない程、各地で魔物の被害が拡大していた。

通常の魔物ならば、騎士一人で数匹を相手する事は難しくない。

しかし、邪気をまとった魔物は、騎士数人で相手をしても、なかなか討伐できない状況だった。

当然の話、その分人手が必要となる。そのため、普段護衛任務についている彼女達も駆り出される事になったのだ。

「ガイム隊長!お久しぶりです!」

マインは、目の前に見知った顔を見つけて声をかけた。

「オウ!久しぶりだな!」

ガイムが気さくに声をかける。彼等は今、王城内の演習場にいた。

「ご無事で帰還、何よりです!」

マインがガイムに言った。ガイムが団長を務める第四騎士団も、マインの第五騎士団と同じく、邪気をまとった魔物の討伐から戻ったところだった。

「お互いにな!そっちも慣れない討伐任務で大変だったろう!」

「いえ!これも任務ですから!」

マインが答えた。彼女達が集まっている王城の演習場は、討伐任務から戻った騎士や兵士達が、一時集まるための場所として使われていた。

「聞いたぞ!穢れの地と遭遇したそうだな」

「はい!」

「それで死傷者がいないっていうのは驚異的な事だ!」

ガイムが笑いながら言った。

「会ったんだろ?」

その時、二人の後ろから声がかけられた。ガイムとマインが振り向く。

「ゲラン隊長!」

二人は同じように、後ろに立っていた男の名前を叫ぶ。

「オレはもう隊長じゃないよ!」

笑いながらゲランが言った。

「いつこちらに来られたのですか?」

「今朝だ」

ゲランは、ガイムに答える。そして、マインの方を見て、もう一度言い直した。

「会ったんだろ!マサノリに!」

「はい!すいません、この事に関しては一部の人間にしか報告していませんが、北東の村で」

マインがゲランに答えた。そして、さらに尋ねた。

「ゲラン隊長は、マサノリ殿を知っているのですか?」

「ああ、その東北の村に旅立つまで、オレが住んでいる村にいたからな!」

ゲランは、そう言いながらガイムの方を見て同意を促した。

「マサノリに会ったなら聞いているか?彼等が命を狙われていた事を」

ガイムの説明に、マインは黙って頷いた。

「マサノリを、ゲラン隊長の住む村で、かくまってもらっていたんだ」

「そうだったのですか!」

マインが納得したように呟いた。

「どうでしたか?マサノリは」

「真面目で良い奴だ!剣術も悪くない」

ガイムの問いに、ゲランが答える。

「少し、剣術の手ほどきをしてやった!」

マサノリとニナが村にいた時、ゲランは少しマサノリに剣術を教えていた。

「伝説の元第二騎士団長ゲランに剣術を学ぶとは、幸運な事ですな」

ガイムが笑いながら言っていた。

「ハハハ、そんなたいした者ではないがな!今じゃ、カミさんの尻に敷かれてる村人だからな」

ゲランは、少し照れながら笑っていた。

「あの、どうして私がマサノリ殿と会った事を知っていらっしゃるのですか?」

笑っているゲランに、マインが質問する。

「簡単だ!お前達、第五騎士団は護衛が任務だ!」

マインが頷いて同意する。

「討伐は不慣れなはずだ!にもかかわらず、魔物の群を討伐し、穢れの地にまで遭遇している!」

「それにもかかわらず、被害が小さ過ぎる、という事ですな」

後をガイムが引き継いだ。

「ああ、成功させた要因があるはずだ!まあ、マサノリ達に北の村を紹介したのは、オレ自身だしな」

ゲランがさらに説明を続けた。

「なるほど!だから私達がマサノリ殿と出会っていると解ったのですね?」

マインが答える。

「ああ、だが、それなりに頭のある奴は気付いているだろう!お前達の被害状況と聖人の噂でな」

「聖人とは何の話ですか?」

聖人という言葉をはじめて聞いたらしいガイムが聞いた。

「聞いてないのか?」

「はい!先程、遠征先から戻ったばっかりでして」

ゲランに対してガイムが答えた。ガイムの部隊は、討伐から帰還したばかりであったようだ。

「どうも、北の方に向かう間に、マサノリはあちこちで魔物を討伐しているらしい」

「マサノリがですか?」

ガイムが驚いた声を出した。

「ああ、話を聞く限り、マサノリは浄化魔術を習得しているらしい」

「はい!マサノリ殿は、浄化魔術を習得しています」

マインが、ゲランが耳にしたという話を肯定した。

「見たのか?」

「はい!そして、破邪の秘術も使えます!」

「本当か?そうか、東北地方で、穢れの地が浄化されたという、未確認の話を聞いたが、本当だったんだな」

そうである。マインが実際に見た光景は、すでに王都にまで情報が伝わっていた。

もちろん、このような情報は、ごく一部の人間だけが獲得したものである。

しかし、権力者の多くに、すでに知られている話でもあった。

「はい!これはごく一部の人間しか知らない事ですが、私達第五騎士団は、マサノリ殿と強力して、穢れの地を浄化し、魔物も討伐しました!」

そして、このマインの言葉によって、噂の域を出なかった情報が、真実だと確定されたのである。

いや、すでに第五騎士団の被害状況から、あきらかだと考える者はおおかった。

「それはまた、厄介な事になっているな!」

「厄介な事とは?」

ガイムの言葉に、マインが疑問を口にする。

「マサノリを敵視する者がほっとくと思うか?」

「確かに、元々彼等は命を狙われていましたね」

画展がいったのか、マインが答えた。

「ああ!本格的に、聖女勢力と対立する事になるかもしれんな」

「どうされるのですか?」

ガイムの呟きに、マインは聞く。

「まあ、できる事をするしかないだろう!」

「確かに、今この国にはマサノリ殿の力が必要だと思います!」

マインは、納得するように答えた。

「ああ!オレ達も動き出す必要があるみたいですな!」

ガイムが、覚悟を決めるようにゲランに言っていた。

「ああ!だから、オレも王都まで戻ってきたのさ」

ゲランも同じく決意の目をしていた。





明日も、19時頃に掲載予定です。よろしくお願いいたします。




坂道です。掲載が遅くなって、申し訳ございません。一ヶ月程前に、緊急入院、緊急手術という状況となり、最近まで入院しておりました。活動再会には、少しお時間をいただきます。とりあえず、一度書き溜めていた作品を一気に放出させていただき、仕切り直したいと思います。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申しあげます。
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