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ACT31〜北の村の攻防〜
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「ギャフ!」
オレの目の前で魔物がチリになった。通常の魔物を、通常の武器で斬った場合、魔物の死体が残る。
動物を刃物で殺傷するのと変わらない。ただ、どういう理由かはわからないが、邪気をまとった魔物が死んだ場合、チリになって消えていく。
特に、浄化の力を付与した武器で攻撃した場合、それは顕著に現れる。
「マサノリ!右側から魔物がさらに来るわ!」
ニナが、オレの右側の奥の茂みを見ながら、叫んでいた。
「わかった!まかせろ!」
「私も援護します!」
リーシオがオレと一緒に魔物を迎え撃つ。
「ナミナ!左側を頼む!」
「はい!任せて下さい!」
オレとリーシオは、左側の魔物をナミナに任せて、右側の魔物へと向かった。
ナミナの援護はニナが行う。距離としては、オレとリーシオの援護もできる距離だ。
ホーリーロッドという術によって、魔術道具に浄化の力を付与する事ができた事で、ニナの魔術は援護だけでなく、直接魔物を倒す事ができるようになっている。
「くらいなさい!」
ニナは、そう言って魔物に氷の魔術を打ち出し、仕留めていた。
「一気に決めるぞ!」
オレが、そう言ったのに合わせて、リーシオとナミナがオレの援護にまわる。
ニナは、オレ達三人の後ろで、魔術を打ち出しながら、魔物達の動きを誘導して、一箇所に集めるようにする。
「ホーリーウェーブ!」
オレは、浄化の力を持った、白い光の波を打ち出した。
「ギャファ!」
魔物達は、残っていた複数の魔物は、一気にチリに変わっていた。
「みんな!大丈夫?」
ニナが、オレ達前衛に声をかける。もちろん、オレ達は無傷だった。
「今回の魔物は、そこそこ数が集まっていたな!」
「そうですね!でも、これくらいの討伐なら難しくはありませんね」
オレが言ったのに、ナミナが答えた。オレは、全員がたいしたダメージを負ってない事を確認した後、村人達の方に近づいて行った。
「この村の責任者の方はおられますか?」
オレは、村人の一人に声をかけた。今オレ達は、北の村に来ていた。
ゲランさんが紹介してくれた、オレ達をかくまってくれるという村だ。
オレ達が村に到着すると、そこは戦場だった。邪気をまとった魔物が、村人を襲っていたのだ。
オレ達は、すぐに戦闘態勢に入り、村を襲う魔物達を討伐した。
「私が、この村の村長です」
オレが声をかけた村人は、すぐに村長を呼んで来てくれた。
「私達は、ゲランさんからご紹介をいただいて、この村に来ました」
「ゲランの紹介?」
どうやら、村長はゲランさんを知っているようだった。
「とりあえず、色々お話しはあるのですが、怪我人の所に連れていって貰えますか」
オレは、村長にそうつげた。
「大丈夫!今、回復魔術をかけますから!」
そう言いながら、おれは目の前の女性に回復魔術をかけた。
そうすると、女性の重傷だったケガは、みるみる治っていく。
通常、この世界ではケガなどの回復は、ポーションという薬を使うらしい。
しかし、重傷のケガを治すポーションは高価な上、完全に治癒できるとは限らないようだ。
「奇跡だ!」
周りにいた村人達は、その光景を見て口々にそんな事を言っていた。
オレ達は、村長に案内されて、村の集会所に集められていた怪我人のもとにきていた。
魔物に襲われた村人は、ほとんどここに集められている。
「次の重傷者は?」
そう言いながら、オレは怪我人の間を移動していった。オレとニナ、ナミナとリーシオの4人は、現在、王国の北側の村に来ている。
まだ、詳しくは聞いていないが、近くに穢れの地があるらしく、魔物が村を襲っていた。
オレ達が村に到着した時、ちょうど魔物が襲撃している最中だったが、何度か魔物の襲撃があったらしい。
オレ達は、その魔物を撃退した後、村人の治療にあたっている。
「あらかた治療は終わったみたいだな」
「ええ、重傷者はこれで全部よ!」
ニナが、オレに答えた。
「じゃあ!ヒールフィールド!」
オレは、そう言いながら広範囲に回復効果を持つ魔術を発動させた。
最近覚えた聖属性魔術だ。この魔術によって、周りにいる軽傷者の傷も治っていく。
「ふぅー!」
オレが、一息つくように息をはく。
「お疲れ様!」
ニナが優しく声をかけてくれた。
「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
村長に感謝されて、オレは少し照れてしまっていた。
「そうですか!先程、少しお話ししてましたが、近くに穢れの地があるんですね?」
「穢れの地?それは、魔物が集まっている黒い沼のような物の事でしょうか?」
オレの言葉に、村長が聞き返していた。今、オレ達は村長の家にいる。
他の村人の家よりは、少し大きな家ではあるが、それ程の差はない。
オレ達は、現在の村の現状と魔物について聞いていた。
「ええ、王国では穢れの地と呼んでいるようです」
オレは、村長の疑問に答えていた。なんでも、村人の一人が森に入った時に、偶然みつけたそうだ。
幸いにも、周りに魔物が少なかったため、見つからずに戻ってこれたみたいだ。
「今回の魔物の数はそれ程多くなかったようですが、その黒い沼は小さなものだったのですか?」
村長は、黒い沼を直接見た村人を呼んでくれた。その男の話では、大きな規模の沼が存在しているようだった。
「この近くには、この村以外にいくつかの村があります」
村長が、現状を説明しはじめた。
「他の村も、同じように魔物の襲撃を受けているようなんです」
村長の話から察するに、穢れの地の規模は大きいようだ。
ただ、この付近には複数の村が点在している事から、魔物が分散して襲っているようであった。
「魔物が、分散して村を襲っているから、一つの村の魔物の数は多くないって事か」
「付近の村の数を考えると、相当の規模の沼があるんじゃないかしら」
オレの後にニナが言った。
「オレ達だけで討伐できると思うか?」
村の防衛などの事を考えれば、村から戦力を借りる事は難しい。
「厳しいと思います」
リーシオが、オレの質問に答えた。
「やっぱりそうだよな!でも、このままって訳にもいかないしな」
「もし、この四人で討伐に行くのなら、破邪の秘術がカギになると思います」
リーシオが答える。
「何か作戦があるの?」
「けっこう無茶な作戦ですが、可能性はあります。逆に少人数の私達ならできるかもしれません」
ニナにリーシオが答えた。
「わかった!その方法しかないなら、やるしかないな!」
オレの決意を理解したように、ナミナが頷いた。ニナとリーシオも決意の目を向けていた。
「明日、魔物の討伐に行きます!」
オレは、隣でオレ達の話を聞いている村長にそう言った。
「私共を助けていただけるのですか?」
「当たり前じゃないですか!」
村長の言葉にオレがそう答えた。
「ありがとうございます!聖人様!」
「聖人?」
オレが聞き慣れない言葉に聞き返す。
「はい!聖女様に成り代わり、聖人様が魔物の討伐をして回っていると噂になっております」
ニナが静かに頷いていた。
「オレが聖人と呼ばれてるの、知ってたの?」
「ええ、そんな噂があるのは、小耳にはさんだわね」
オレは、自分がそんな風に呼ばれている事をはじめて知った。
「だから、暗殺者はオレを狙ったのか!」
「たぶんそうだと思います!アルティア正教にとっては、聖人の噂は許される事ではないですから」
リーシオがオレの言葉に答えた。
「ふぅー、なんかややこしい事になってるな~!ただ、魔物を討伐しているだけなのに」
「マサノリ殿は、それで良いと思います!」
自身満々にナミナが言った。
「確かにな!オレは自分にできる事をするしかないしな」
オレは、そう言って決意を改める。そう、オレ達は、こうやって村々を渡り歩き戦ってきた。
そして、これからも魔物を討伐し続けるのだろう。オレは聖女ではない。
ただの異世界の男だ。でも、こんなオレにもできる事があるみたいだ。
「聖人だとか、そんなだいそれた者ではないよ」
「周りは、そうは思ってくれないでしょうね」
ニナが少し悪戯ぽく言った。
「魔物討伐も、できる限りやるつもりだけど、オレは聖人とかになるつもりはないよ。まして、オレは聖女じゃない!」
そう、これはオレの決意だった。聖人とか聖女だとかは関係ない。
オレは、その思いを胸にそう呟いた。
坂道です。申し訳ありません。6月28日の21時に「聖女召喚に巻き込まれて、異世界にきたオレは追放されて聖人になる」の新しいエピソードを掲載する予定でしたが、急遽、体調を崩してしまい掲載をする余裕がありませんでした。
前にも連絡いたしましたが、書き溜めてあるエピソードを、一度全て放出する予定ですので、順次掲載していきます。大変ご迷惑をおかけいたしておりますが、よろしくお願いいたします。
オレの目の前で魔物がチリになった。通常の魔物を、通常の武器で斬った場合、魔物の死体が残る。
動物を刃物で殺傷するのと変わらない。ただ、どういう理由かはわからないが、邪気をまとった魔物が死んだ場合、チリになって消えていく。
特に、浄化の力を付与した武器で攻撃した場合、それは顕著に現れる。
「マサノリ!右側から魔物がさらに来るわ!」
ニナが、オレの右側の奥の茂みを見ながら、叫んでいた。
「わかった!まかせろ!」
「私も援護します!」
リーシオがオレと一緒に魔物を迎え撃つ。
「ナミナ!左側を頼む!」
「はい!任せて下さい!」
オレとリーシオは、左側の魔物をナミナに任せて、右側の魔物へと向かった。
ナミナの援護はニナが行う。距離としては、オレとリーシオの援護もできる距離だ。
ホーリーロッドという術によって、魔術道具に浄化の力を付与する事ができた事で、ニナの魔術は援護だけでなく、直接魔物を倒す事ができるようになっている。
「くらいなさい!」
ニナは、そう言って魔物に氷の魔術を打ち出し、仕留めていた。
「一気に決めるぞ!」
オレが、そう言ったのに合わせて、リーシオとナミナがオレの援護にまわる。
ニナは、オレ達三人の後ろで、魔術を打ち出しながら、魔物達の動きを誘導して、一箇所に集めるようにする。
「ホーリーウェーブ!」
オレは、浄化の力を持った、白い光の波を打ち出した。
「ギャファ!」
魔物達は、残っていた複数の魔物は、一気にチリに変わっていた。
「みんな!大丈夫?」
ニナが、オレ達前衛に声をかける。もちろん、オレ達は無傷だった。
「今回の魔物は、そこそこ数が集まっていたな!」
「そうですね!でも、これくらいの討伐なら難しくはありませんね」
オレが言ったのに、ナミナが答えた。オレは、全員がたいしたダメージを負ってない事を確認した後、村人達の方に近づいて行った。
「この村の責任者の方はおられますか?」
オレは、村人の一人に声をかけた。今オレ達は、北の村に来ていた。
ゲランさんが紹介してくれた、オレ達をかくまってくれるという村だ。
オレ達が村に到着すると、そこは戦場だった。邪気をまとった魔物が、村人を襲っていたのだ。
オレ達は、すぐに戦闘態勢に入り、村を襲う魔物達を討伐した。
「私が、この村の村長です」
オレが声をかけた村人は、すぐに村長を呼んで来てくれた。
「私達は、ゲランさんからご紹介をいただいて、この村に来ました」
「ゲランの紹介?」
どうやら、村長はゲランさんを知っているようだった。
「とりあえず、色々お話しはあるのですが、怪我人の所に連れていって貰えますか」
オレは、村長にそうつげた。
「大丈夫!今、回復魔術をかけますから!」
そう言いながら、おれは目の前の女性に回復魔術をかけた。
そうすると、女性の重傷だったケガは、みるみる治っていく。
通常、この世界ではケガなどの回復は、ポーションという薬を使うらしい。
しかし、重傷のケガを治すポーションは高価な上、完全に治癒できるとは限らないようだ。
「奇跡だ!」
周りにいた村人達は、その光景を見て口々にそんな事を言っていた。
オレ達は、村長に案内されて、村の集会所に集められていた怪我人のもとにきていた。
魔物に襲われた村人は、ほとんどここに集められている。
「次の重傷者は?」
そう言いながら、オレは怪我人の間を移動していった。オレとニナ、ナミナとリーシオの4人は、現在、王国の北側の村に来ている。
まだ、詳しくは聞いていないが、近くに穢れの地があるらしく、魔物が村を襲っていた。
オレ達が村に到着した時、ちょうど魔物が襲撃している最中だったが、何度か魔物の襲撃があったらしい。
オレ達は、その魔物を撃退した後、村人の治療にあたっている。
「あらかた治療は終わったみたいだな」
「ええ、重傷者はこれで全部よ!」
ニナが、オレに答えた。
「じゃあ!ヒールフィールド!」
オレは、そう言いながら広範囲に回復効果を持つ魔術を発動させた。
最近覚えた聖属性魔術だ。この魔術によって、周りにいる軽傷者の傷も治っていく。
「ふぅー!」
オレが、一息つくように息をはく。
「お疲れ様!」
ニナが優しく声をかけてくれた。
「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
村長に感謝されて、オレは少し照れてしまっていた。
「そうですか!先程、少しお話ししてましたが、近くに穢れの地があるんですね?」
「穢れの地?それは、魔物が集まっている黒い沼のような物の事でしょうか?」
オレの言葉に、村長が聞き返していた。今、オレ達は村長の家にいる。
他の村人の家よりは、少し大きな家ではあるが、それ程の差はない。
オレ達は、現在の村の現状と魔物について聞いていた。
「ええ、王国では穢れの地と呼んでいるようです」
オレは、村長の疑問に答えていた。なんでも、村人の一人が森に入った時に、偶然みつけたそうだ。
幸いにも、周りに魔物が少なかったため、見つからずに戻ってこれたみたいだ。
「今回の魔物の数はそれ程多くなかったようですが、その黒い沼は小さなものだったのですか?」
村長は、黒い沼を直接見た村人を呼んでくれた。その男の話では、大きな規模の沼が存在しているようだった。
「この近くには、この村以外にいくつかの村があります」
村長が、現状を説明しはじめた。
「他の村も、同じように魔物の襲撃を受けているようなんです」
村長の話から察するに、穢れの地の規模は大きいようだ。
ただ、この付近には複数の村が点在している事から、魔物が分散して襲っているようであった。
「魔物が、分散して村を襲っているから、一つの村の魔物の数は多くないって事か」
「付近の村の数を考えると、相当の規模の沼があるんじゃないかしら」
オレの後にニナが言った。
「オレ達だけで討伐できると思うか?」
村の防衛などの事を考えれば、村から戦力を借りる事は難しい。
「厳しいと思います」
リーシオが、オレの質問に答えた。
「やっぱりそうだよな!でも、このままって訳にもいかないしな」
「もし、この四人で討伐に行くのなら、破邪の秘術がカギになると思います」
リーシオが答える。
「何か作戦があるの?」
「けっこう無茶な作戦ですが、可能性はあります。逆に少人数の私達ならできるかもしれません」
ニナにリーシオが答えた。
「わかった!その方法しかないなら、やるしかないな!」
オレの決意を理解したように、ナミナが頷いた。ニナとリーシオも決意の目を向けていた。
「明日、魔物の討伐に行きます!」
オレは、隣でオレ達の話を聞いている村長にそう言った。
「私共を助けていただけるのですか?」
「当たり前じゃないですか!」
村長の言葉にオレがそう答えた。
「ありがとうございます!聖人様!」
「聖人?」
オレが聞き慣れない言葉に聞き返す。
「はい!聖女様に成り代わり、聖人様が魔物の討伐をして回っていると噂になっております」
ニナが静かに頷いていた。
「オレが聖人と呼ばれてるの、知ってたの?」
「ええ、そんな噂があるのは、小耳にはさんだわね」
オレは、自分がそんな風に呼ばれている事をはじめて知った。
「だから、暗殺者はオレを狙ったのか!」
「たぶんそうだと思います!アルティア正教にとっては、聖人の噂は許される事ではないですから」
リーシオがオレの言葉に答えた。
「ふぅー、なんかややこしい事になってるな~!ただ、魔物を討伐しているだけなのに」
「マサノリ殿は、それで良いと思います!」
自身満々にナミナが言った。
「確かにな!オレは自分にできる事をするしかないしな」
オレは、そう言って決意を改める。そう、オレ達は、こうやって村々を渡り歩き戦ってきた。
そして、これからも魔物を討伐し続けるのだろう。オレは聖女ではない。
ただの異世界の男だ。でも、こんなオレにもできる事があるみたいだ。
「聖人だとか、そんなだいそれた者ではないよ」
「周りは、そうは思ってくれないでしょうね」
ニナが少し悪戯ぽく言った。
「魔物討伐も、できる限りやるつもりだけど、オレは聖人とかになるつもりはないよ。まして、オレは聖女じゃない!」
そう、これはオレの決意だった。聖人とか聖女だとかは関係ない。
オレは、その思いを胸にそう呟いた。
坂道です。申し訳ありません。6月28日の21時に「聖女召喚に巻き込まれて、異世界にきたオレは追放されて聖人になる」の新しいエピソードを掲載する予定でしたが、急遽、体調を崩してしまい掲載をする余裕がありませんでした。
前にも連絡いたしましたが、書き溜めてあるエピソードを、一度全て放出する予定ですので、順次掲載していきます。大変ご迷惑をおかけいたしておりますが、よろしくお願いいたします。
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