神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

文字の大きさ
729 / 1,955

ツヴァイ尋問継続中

しおりを挟む


「……オーガは、魔力の質が単調でわかりやすいからだ。御しやすく、何かの拍子で事故が起斬る可能性も少ない。これ程研究に適している魔物は他にいない」
「質が単調……わからなくもないけど、それなら、ゴブリンでも良かったんじゃない? オーガだと暴れたら危ないけど、ゴブリンならなんとでもできるんじゃ……」
「あれは駄目だ。魔物のくせに魔力の質が複雑だ。おそらく、同種族の上位個体には魔法を使うのがいるせいだろう。確かに暴れた際には対処しやすいが、核から復元させるには魔力を一部同調させなければいけないのだ。ゴブリンの魔力は複雑で、第一段階の復元に手間がかかる」

 ゴブリンって、オーガより複雑なのか……まぁ確かに、ヘルサルに襲って来た時は魔法を使うだけでなく、弓矢や剣を使うのもいたから、オーガより知性という意味では高そうではあるけど。
 でも、オーガだと真っ直ぐ進めとか単純な指示をきかせるのがやっとだろうけど、ゴブリンだったら、命令をしてこちらに従わせたり、簡単な集団行動もできそうなんだけどな……。
 おっと、俺が魔物を利用する方法を考えてたりしちゃ駄目だね……禁忌とされている研究以前に、人として道を踏み外してしまいそうだから。
 この辺りの考えは、あまり人に話さないようにしておこうっと。

「というか、オーガにも魔法を使う個体はいるんだけど……エクスブロジオンオーガとかもそうだったし……」

 爆発するようになって、肌が赤くなったエクスブロジオン―がは別だけど、通常の緑色の肌をしたエクスブロジオンオーガは風邪の魔法を使ってたはずだ。
 それなら、ゴブリンと同じくで魔力の質が複雑になったりはしないんだろうか?

「あれは、オーガの下位個体とも言える。おそらく、鉱山内などの狭い場所でも活動できるように体が変化したのだろう。別個体と考える向きもあったな。それに、エクスブロジオンオーガの方はゴブリンと違って、同じ魔法しか使えない。おそらく、本能に刻まれた魔法を使っているだけで、頭で考えて使っていないからだろう」

 うーん……違いがよくわからないけど、とりあえず魔法が使えるゴブリンは考えて使う事ができるけど、エクスブロジオンオーガの方はなんんとなく感覚だけで使っていると考えればいいのかな?
 ゴブリンの方は上位個体が使うけど、オーガの方は下位個体が使うという方が需要なのかもしれない……そのあたりの細かい違いは俺にはわからないので、気にしない事にしよう。

「それで、なんでこんな場所で研究を?」
「……ここならば、人里離れているし、見つからないと考えたからだ。現に、今回こうして発見されるまでは誰か部外者が来る事はなかった」
「それに関しては、頭の痛い問題ですな……魔物もいるので、国内全てを見て回るという事は現実的には不可能です」
「まぁ、大まかに見る事はあっても、細かく全てを調べるのは難しいですよね。それこそ、冒険者にでも頼まないと時間も労力も膨大にかかりますから」

 監視カメラもないからなぁ……基本的に調べたりするのは人が実際にその場所へ行って、目で見て確かめるという事しかできない以上、人のいないはずの場所をくまなく調べる事はできない。
 村や街の周辺ならまだしも、離れた場所だからね。
 それを利用して、誰かに見られないようにこんな大規模な地下施設を作る事ができたんだろう。
 今回以外部外者が来る事はなかったという事は、ツヴァイはアメリさんがここでオーガが出て来るところを発見したというのは知らないんだろう。

「オーガが人を襲う可能性があったのでは? 実際に、この場所へ踏み込む前には、街道までオーガが何体も出て来ていたはずだけど……」
「それは……見つかる可能性も確かにあったが、研究の成果を試すためだ。街道だから、誰か人間が通る事もあるからな。研究成果を早々に出せと言われたからだが……そうか、イオスがやられたから焦っていたのだな」
「焦っていた? 早々に研究成果を出せ……か。それはつまり、お前よりも上の命令している人がどこかにいるという事だね?」

 まぁ、命令している人がいるのは間違いないと思うけど、とりあえず確認だ。

「……なんで、お前にそんな事まで話さなきゃいけな……っ!」
「チチー?」
「フレイちゃん落ち着いて。まぁ、話したくないなら別にいいけど……?」
「話す、話すからそいつを近付けないでくれ!」
「はいはい。フレイちゃん、こっちー」
「チチ~」

 俺の疑問に、睨むようにしていたツヴァイだけど、その態度に思うところがあったのか、フレイちゃんがズイッ! とツヴァイへと顔を寄せて首を傾げながら声を出していた。
 俺以外にはなんて言っているのかわからないけど、俺にだけはフレイちゃんが「燃やすよ?」と言っているのが頭の中に響いていた。
 うん、まぁ……ツヴァイの態度が気に食わなかったんだろうけど、そんな凄まなくても……と思ったけど、とりあえずフレイちゃんの脅しに乗って、落ち着くように声をかけつつツヴァイにそれとなく声をかける。
 それを俺からの脅しと受け取ったツヴァイは、焦った様子で話してくれるようだ……まぁ、脅しなんだえけどね。

 フレイちゃんが近くにいると話しにくいだろうから、手招きして呼んで、再び俺の隣で待機してもらう。
 俺に呼ばれたら嬉しそうにする様子とか、なんとなく小動物に懐かれている感じがしてちょっと楽しい……エルサだったら表面上は面倒そうにするからなぁ。

「何か、だわ?」
「……いや、なんでもないよ」
「チチ?」

 俺の考えた事を察知したのか、寝ていたはずのエルサがくっ付いている俺の頭を、強めに締め付けながら声を出したので、モフモフを撫でて誤魔化しておく。
 契約とかの関係で、俺の考えが伝わったのだろうか……? 隣では不思議そうにフレイちゃんが首を傾げているのが可愛い。
 おっと、今は和んでいる場合じゃなかったね。

「それで、命令を出していた人物というのは誰なんだ?」
「俺に命令できるのはただ一人……あのお方だけだ。だが、直接会う事は敵わないので、実際には別の者があの方の命令を伝えて来る。フュンフという女だが……決して顔を見せないために種族まではわからん。女だと言うのも、声から判断しているだけだ」
「フュンフ……」

 言いにくい名前だね……確か、ツヴァイと並んで地球ではドイツ語の数字を表すんだと思うけど……なんだろう、ドイツ語で名前を付けるのでも流行っているのかな?
 偶然かもしれないけど……。

「その……フュンフとか、あのお方っていうのは?」
「……フュンフに関しては、俺にあのお方からの命令を伝えるだけで、よく知らねぇ。本来はあのお方の側近の配下だったらしいが、気に入られたと聞いたくらいだ。あのお方に関しては……俺には話せない……」
「ふむ……そうなんだ?」
「チチー!」

 フュンフという、想定で女性と思われる人物が他にいて、さらにその上……ツヴァイが従っている人物の命令を伝えていたと……さっき言っていた、焦っていたというのはその人かな?


しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!

胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。  主に5大国家から成り立つ大陸である。  この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。  この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。 かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。 ※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!) ※1話当たり、1200~2000文字前後です。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...