神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

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降り注ぐ眩い光

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「不滅と破滅を導く空の涙……」
「私は広い範囲で伸びる植物を斬ります! ふっ!」
「承知! では私は深く穿ちます! せやぁっ!」

 再びユノちゃんが言葉を紡ぎ出す。
 それに合わせるかのように、リネルトさんが剣で、フィネさんが私の槍を使って植物を斬り裂く。
 槍は長いため、植物を何度も斬り払うのには向いていないけど、その分をリネルトさんがフォローしてフィネさんは奥へ突き刺すようにしながら、アマリーラさんの開けた空間をさらに奥へと斬り開いてくれているわね。

「破壊と想像を司る天の涙……」
「ふっ! はぁっ!」
「せいっ! やぁっ!」

 ロジーナちゃんが再び言葉を紡ぎ出す中、続くリネルトさんとフィネさんの攻撃。
 ユノちゃんとロジーナちゃんが交互に言葉を紡ぎ出していく……。

「なんだか、光っているように見えるんだけど?」
「気のせいじゃないのだわ。人間としてではなく、神としての権能……能力を使っているのだわ」
「神として……」

 ワイバーンの背中に並んで立つユノちゃんとロジーナちゃん。
 手を広げ、空へと掲げた二人の体……全身が日の光にの中でもほんのり光っているように見えるのは、私の気のせいじゃなかったみたい。
 ユノちゃんはともかく、ロジーナちゃんもやっぱりそっち側だったのね、ある程度察していたけど。

 とにかく、私は二人がどんな事をやろうとしているのかはわからずとも、リクさんを助けるためだと信じて待つ。
 もちろん、いつでも飛び込めるように身構えながらね。

「……」
「……リネルトさん、フィネさん!」
「「っ!」」

 チラリと、ユノちゃんが私に視線を送って来るのがわかった。
 何かを言われたわけではないけど、準備が整ったとかそう言われている気がして、リネルトさん達に呼びかける。
 言葉ではなかったけど、どうしてかそうするべきだと、そうして欲しいと伝わったから。
 これも、ユノちゃんの力なのかしら? 違うわね、これまでユノちゃんと一緒にいたから、考えが伝わったんだと思うわ。

 とにかく、私の呼びかけを聞いた二人は、絶えず剣と槍を繰り出していた手を止め、乗っているワイバーンに頼んでその場を離れた。
 今度はロジーナちゃんからの視線……アマリーラさんも含めて、私はユノちゃん達の後ろに、リネルトさん達は距離を取るように身振りで伝えた。
 なんというか、邪魔そうな視線を送られたから。
 そうしている間に、全身から発する光が強くなったユノちゃんの右手とロジーナちゃんの左手が合わさり、二人同時に言葉を紡ぎ出す……。

「「全てを包み込み、全てを貫く裁きの光!」」
「……空から……?」

 これまで交互に言葉を紡いでいた二人が声を合わせ、静かに叫んだ。
 すると、植物が伸びている先、もっともっと高い場所から一筋の光が降りて来る。
 優しい光のような、冷たい光のような……触れてはいけないと心の底から感じる光が、植物へと向かった。
 片手を合わせ、片手を掲げるユノちゃんとロジーナちゃんに導かれるように、スゥ……とアマリーラさん達が明けた植物の空間へと刺し込んだ瞬間――。

「「ジャッジメント・ライト!!」」
「……っっ!!」
「うぉ、眩しい! のだわ!!」

 音はなかった。
 ユノちゃんとロジーナちゃんが大きく叫んだ瞬間、植物へと刺し込んでいた光が大きく広がり、真っ白な光が私だけでなく、周囲全てを包み込む。
 目を閉じていても、腕で防ごうとしても、それでも感じる眩しさ。
 その光は私の全身を包み、安らぎと恐怖を同時に心へと焼き付ける。
 ……これ、ただの光じゃない?

 ユノちゃんとロジーナちゃんの力、なのかしら? 特別な何か、魔法とかそういう力を越えた何かを感じる……。
 でもなんだろう、少しだけ懐かしいような……いえ、よく知っている気配のような物を感じたわ。
 もしかするとだけど、これがさっきユノちゃん達が言っていた混ざったリクさんの力、なのかしら?
 なんとなくそう感じた……確証も確信もないのだけれどね。

 ――眩しくて安らぎ、恐怖と共に沸き上がる気持ちを感じながら、頭にくっ付いているエルサちゃんの感触だけが、何もわからない白い光の中で私がここにちゃんといるのだと、理解させてくれた。
 しばらくそのままで、光に身を任せていたら……。

「モニカ、突入なの!」
「っ! え、えぇ! リーバー、お願い!」
「ガァゥ!!」
「もう眩しくないのだわー、リクの所へ行くのだわー!」

 突然響いたユノちゃんの叫びに目を開けると、いつの間にか消え去っている眩しい光……いえ、名残なのかしら。
 光の粒のようなものが周辺に散らばっているのが綺麗だったわ。
 それに見惚れている間もなく、植物の方を見て状況を理解した私は、リーバーやエルサちゃんと一緒にぽっかりと開いている穴の中へと向かう。

「他のも全員モニカに続きなさい! もたもたしていると、また塞がれるわよ! リクの力を使っている以上、再生にもリクの力が使われるわ! 次はないわよ!」
「リク様、今行きます!!」
「了解です!」
「承知しました!」

 私が突入する後ろからは、ロジーナちゃんの叫び声。
 他の皆も一緒に突入するみたい。
 再生にリクさんの力を使う……そりゃそうよね、この植物がリクさんの力を源にしているのなら、傷付けて再生するのもリクさんの力。
 だから、傷付ければ傷付ける程、リクさんの力が消耗されるってわけね。

 そんな事を、ロジーナちゃんの言葉で理解しながら、空いた穴の中へ突入して植物の中へ。
 内部は、ロジーナちゃんを助けに突入した時と特に様変わりはしていない……けど、あの時よりも広く、そして深く穴が開いていたわ。
 それにユノちゃん達の力の名残なのか、光の粒がそこかしこに散らばっていて薄暗いながらも周囲はよく見えた。
 それこそ、リーバーが翼を広げられそうなくらいね……まぁ、ほとんど急降下のような突入をしているから、今リーバーの翼は畳まれているのだけれど。

「モニカはそのまま真っ直ぐリクの所へなの! 私達は、途中で植物へ攻撃するの!」
「すこしでも、再生と生長を遅らせるのよ! じゃないと、すぐに塞がれてしまうし絡め捕られてしまうわ!」

 私の後を追って皆と一緒に突入したのだろう、落ちるとも言える程の速度で急降下している私に、振り向けない後ろからユノちゃんとロジーナちゃんの叫び声が聞こえたわ。
 成る程、ぽっかりと大きく深く、そして広く空いた穴であっても茎は色んな場所から伸びてきている。
 だから他の場所で傷付け、そちらに力を使わせている間に渡しがリクさんの所へ到達しないといけないのね。
 リクさんを助けるために、リクさんの力を使わせないといけないっていうのは、皮肉なような気がするわ。

「リク様ぁぁぁぁぁ!!」
「アマリーラ様、ちょっとうるさいですっ! よっ!」
「絡み合って完全に塞がれていますから、声が響きますね……っと! はぁっ!」

 アマリーラさんの叫び、注意するリネルトさんの声と、困ったようなフィネさんの声。
 まったく……こんな時だって言うのに、なんだか緊張感の薄れるやり取りね。
 まぁ、リクさん自身があまり緊張感を醸し出す人じゃないし、そこに集まった人達……私も含めて、あまり緊張でガチガチになるようなのは似合わないのかもしれないわね――。


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