1,666 / 1,955
見込みで新しいギルドカードの授与
しおりを挟む確認した内容で細かい事は色々書かれていたけど、大まかには俺が預けた口座のお金をエレノールさん達が、モフモフ商品、便宜上俺が言ったぬいぐるみという名称になったけど、それに関わる資金としてのみ出金できる。
また、出金した場合には必ず理由と金額を記述した物を別途用意し、厳重に保管する事。
もし紛失や流出をした場合には、責任の所在を必ず突き止めてその人に補償させる。
さらにそれら全ては、俺が拠点にしている冒険者ギルドへと報せて、俺本人に報告する義務を負う事などだ。
今だと、マティルデさんがいる王都の中央ギルドだね。
ただ現状では他国に俺が行った場合は扱いが複雑で難しくなるらしく、その場合はこの国に戻って来た時にまとめて報告されるらしい。
とりあえずは、この国の冒険者ギルド内での連携って事らしい。
というかこの国の冒険者ギルドのトップであるマティルデさんならともかく、支部の副ギルドマスターにはそこまでの権限はないとか。
とりあえず、重要なのはこんなところかな。
あ、あと監視と言うと聞こえが悪いけど、不正しないように見張る役目として、ヤンさんとセンテのギルドマスターのベリエスさん、さらに部外の第三者としてヘルサル代官のクラウスさんが任命されていた。
ヤンさんはともかく、ベリエスさんとかクラウスさんにもって、昨日の今日作ったはずの内容なのにいつの間に承諾してもらっていたのかと……。
とにかく、そこまで厳重に監視されて管理される事になるだろうってわけだ。
お金の事はいえ、そこまで大きな話になるとは……と呟いたら、リクさんに関する事だから向こうも真剣に、それと慎重にならざるを得ないんでしょ、絶対に裏切れないから――と苦笑したモニカさんに言われた。
そういうものなのかな……?
「お待たせいたしました」
そうこうしているうちに、エレノールさんが戻って来た。
「こちら、印を付けた新しいギルドカードになります」
「はい……って、これまでと違います、よね?」
エレノールさんから受け取った冒険者のギルドカード。
これまで文字通り金ピカのカードだったんだけど、それが銀色に近くなっていた。
けど、銀のような鈍い輝きとはまた違うような……? ちょっと大袈裟だけど、カードその物が発光しているようにすら見える程、輝いて見える。
「それは、後々リク様のランクがSになるだろうと見越してのカードとなります」
「えっと、つまり本来はSランク用のカードって事ですか?」
「はい、そうなります。見込みですが、リク様の実績を考えればSランクに昇格するのは確実でしょう。そのため、先んじてそちらのカードをお渡しする事になりました」
カードの輝き……金の上という事だろうから、もしかすると銀じゃなく白金。
つまりプラチナとかそういう物なのかもしれない。
カードに書かれている内容などは、俺の名や現在のランクなどこれまでと変わらないんだけど、一部隅の方に星形の金箔を張り付けたようなのがあった。
これまでなかったから、おそらくこれがエレノールさんの言っていた印なんだろう。
でも、それ以上に俺が既に見込みとしてSランクって方が気になって、印がどうでもいい物のようにすら見えてしまう。
というかこれ本当に金箔をはったとかじゃないみたいだね、触ってみたけど引っ掛かりとかもなかったし……多分、これ用に混ぜてこの形、印になるように作ったとかだろうか?
「さすがに、まだSランクにもなっていないのに、この支部だけで決めてしまうのはいけないんじゃないでしょうか?」
ギルドマスターと副ギルドマスターとはいえ、あくまで支部。
会社で言えば支社、お店だと支店長とその部下ってところだろう。
それなりに権限がるのは間違いないとしても、冒険者ギルド全体で考えれば単独でSランクカードを渡せるとは思えない。
そもそも、Sランク昇格には冒険者ギルドの本部による審査が――とか、以前ベリエスさんとヤンさんが話していたし。
「この事はセンテ支部、ヘルサル支部が了承しています。また、王都にある中央冒険者ギルドの統括ギルドマスターからの指示でもありますので」
「マティルデさんが?」
統括ギルドマスター、つまりアテトリア王国における冒険者ギルドのトップはマティルデさんだ。
「はい。本日追って中央冒険者ギルドより連絡があり、そのようにと。本部の審査に関しては問題なく通るからとも。そもそも、リク様ほどの実績、街の者達に慕われている様子、私達がそれぞれリク様と接して確認した人となりも問題ない事から、審査を通らないようなら冒険者ギルドの信頼すら損なわれるでしょうから」
「そ、そういうものですか」
「……まぁ、リクさんは討伐不可のレムレースすら何体も倒しているし、本来なら大量の冒険者や戦力を投入して、多大な被害をもたらしながら討伐するようなヒュドラーも、単独で複数討伐しているものね」
「そういう事です、モニカさん。これでリク様をSランクに認めなければ、それこそ冒険者ギルドのランク制自体の存在意義すら問われるか、意味をなさなくなってしまいます。それ程の事をリク様は成し遂げたのですから。レムレースなどは、Sランク冒険者であっても討伐は不可なのですし」
ま、まぁ、そうか……。
AランクやBランクが大量に、もしくは少ないSランクの冒険者も投入して、それでも被害を出してまでようやく討伐できるヒュドラーだからね。
討伐不可のレムレースのと合わせると、実力的にSランクと認められる、昇格するのは当然って事か。
人となりに関しては自分では何とも言えないところだけど、認めてもらえているのは面映ゆいながらも嬉しくはある。
「とりあえず、そういう事なら受け取っておきます」
「はい。リク様にはそれでも足りないくらいの実績がありますから。それと、これで手続きは全て終わりましたが……」
「はい?」
そうだった、口座に関する手続きが主目的だった……思わぬカードが出されて、ちょっと頭の中からすっぽ抜けていたよ。
ただ、続く話をしようとするエレノールさんは、真剣な表情。
部屋の空気もちょっとだけピリッと重くなったような気がするけど、どうしたんだろう?
クランに関する冒険者さん達への説明会や、意思確認の方で何かあったとか? いや、それだとここまで真剣になる必要はないかな。
「統括ギルドマスターからリク様に、できるだけ早く王都に戻って来るように願うとの事です」
「マティルデさんからですか? クランの関係で何かあるのかな……」
王都にか……まぁ、明日出発する予定だし、今日出発してもどうせ途中で野宿なり、深夜か朝方に到着とかになりそうだから、予定自体は変わらないかな。
「クランの方は、リク様の意思やこちらでの動きなどを伝えてありますので、向こうで準備を進めているようです。できるだけ、リク様の手を煩わせないように迅速に行うともありました」
「迅速に……」
マティルデさんとの話では、ゆっくり考えてとか余裕がありそうだったから、戻ってから話を詰めていこうと考えていたんだけど……。
0
あなたにおすすめの小説
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!
胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。
主に5大国家から成り立つ大陸である。
この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
暁刀魚
ファンタジー
社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。
食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。
そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」
コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる