ブレインダイブ

ユア教 教祖ユア

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序章・対の戦い編

1-3 3 夏希視点 緋色の心

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「はいということで、ついにやって来たよ!」

「緋色に教えてもらおうのコーナー!」(何これ…)

「わーい!」(縮地教えてもらうんだ!フッフフ~ン♪)

「わーい…」(私もしないとダメ系?)

「わーい…」(何で皆拍手してるんだろ…聞いてなかった。)

「わーいー」(折角だし色々教えてもらおー)

面白いくらいに温度差があるが気にしない事にする。

ガチャ…緋色が来たようだ。

何時もより疲れている気がするが、気のせいだろう。

「ヤッホー…」(休んだのに休んでない日より疲れてんの腹立つわ…)

気のせいでは無かった。しかし、作戦は中断しない。

先に後輩から攻める。

「緋色先輩!」(何か緊張するな~)

「どうしたの?」(珍しい…)

「あの…!輪廻っていう技教えて欲しいです!」(これしか覚えてない…)

「マイナーな技を…良いよ!」(まあ、あまり使わないけど便利だし。)

すかさず第二弾。

「私縮地が教えて欲しいです!」(大丈夫かな…?)

「良いよ~」(何か凄い寄ってくるんだけど皆如何した?で、どうせ夏希もでしょ…)

バレている。

「私はね…何を覚えたらいい?」

「知らんがな。」(鎌鼬しか覚えてないし…真面目に考えると資格取るまでは武器生成は絶対に必要…ついでに隼と余裕があれば閃律…ヤベッ…バレた………)

言う言葉に反してとても考えている。

ずっと能天気だと思っていたが思ったより賢いかもしれない。

確かに、ところどころ頭の切れるアイディアを出すところがあった。

もしかしたら偶々では無く、元々の賢さから来る物だったと感じた。

そして、香露音が発言する。

「縮地とか、電光石火とかじゃない?」(速いし。)

「う~ん。先に武器生成と隼かな。縮地持っても与えるダメージが少なかったら、カウンター食らうだけだし。」(あーーーーーーー黙れーーーーー思い出すなーーあーあー聞こえないーあーーー!!!!)

緋色は何かあったのだろう。

それにしても緋色は心の中が誰よりも煩い。

今まで…自分の意見を言わなかったからか、言えなかったからか。

それとも言える人が居なかったのか。

緋色の世界を見てから、緋色の闇がよく分かる。

あの黒い世界を少しでも良い。明るい世界にしてあげたい。

「ふーん。じゃあそれでいいんじゃない?」(絶対に縮地でしょ…)

心なしか思っていたが香露音と緋色はもしかしたら仲が悪いかもしれない。

「と言う事で始めまーす!」(面倒いけどやりますか!)

そして一時間程レクチャーした。

「全くできなーーい!」

「当たり前だーーー!」(こっちは早くても三ヶ月かかるんだぞー!)

「難しい…」(本当に大変…緋色先輩が羨ましい…)

「でも、智花ちゃんは割とすぐに出来ると思うよ。」(大体習得スピードが私の三倍だし…既に。本気で羨ましいわ~能力者って~)

「本当ですか!」(絶対にお世辞だと思うんだよなー)

後輩の一人である粟森 智花あわもり ともかと緋色の会話を見るとやはりお世辞と見られている。
 
緋色は決して才能では無く努力で能力を手に入れたようだ。

それを隠している。緋色の世界はあの扉の様に閉ざされている。

夏希はそう感じていた。

夏希は家に帰り、黙々と練習を続けた。

そして三日後…

「で、出来た…!ハァ…ハァ…」

意地で武器生成と隼を習得した。

緋色が三ヶ月で手に入る能力を、三日で手に入れられるとは我ながら恐ろしい。

次の日…この日は部活が休みなので、緋色に内緒で部室に集合する。

「流石にね、緋色も三日で習得出来るなんて思っていない筈!」

「いくら何でも早すぎる!」(どういう手段を使ったのか!)

「ということでもう一度入っていきます!」

「頑張ってください!」(凄いなーー)

夏希は唱える。

「我は肉体なり。汝は心なり。今、同体と成りて、精神世界に赴かん。」



「お久しぶり。なんで来たの?」

その声に夏希は目覚める。緋色の目は恐ろしく暗い。緋色は門の上で座っている。

「本物の貴方を探しに来たの。」

「……本物は居ない。夏希。一番良く知ってるでしょ。」

「うん。」

「ハッ!じゃあ帰れば?ここに居ても夏希の性格が歪むだけ。無駄無駄。」

「………本物の緋色は貴女。ここに居る全員。全員が本物。」

緋色は止まる。

「馬鹿な私も性格悪い私も。全部本物なのは認めるわ。」

「知識に富む貴女も優しい貴女も本物の緋色だよ。」

すると、緋色が五人くらいに増えて全員が笑い始めた。

「アーハッハッハ!ハハ…フフ!ハハハ!」

「ヒー!な訳無いでしょ!何馬鹿な事言ってるの!」

「此処精神世界だよ!夏希、本音で言ってるの、本気で笑えるんだけど!」

「此処に居る誰もが、そんな事思ってない。認めてない。」

「何度足掻いても無駄。努力も無駄。優しくしたって意味無いわ。」

五人は自分をこれでもかというほど軽蔑している。

「………本気でそんな事言ってるの?」

「当たり前。もう一回言うよ?ここは…」

「知ってる!精神世界だよ!心の中の本音しか言えない場所!私はそんなことを聞いてるんじゃない!何でそんな事…思ってるの…?悲しいよ…」

「世界がそうさせたんだ。…もう出ていってくれ!」

「それは出来ない!私は緋色を助ける為に来たから!」

「…如何助けるんだよ、言ってみろよ!そして行動で示せ!夏希!」

緋色は地面に降り立ち刃を向ける。

「どうせ、来たってことは武器生成と隼どっちも習得してるんでしょ?」

「全部お見通しなのね…!」

「そうでもしないと私に勝てないって!」

…緋色は弱かった。あれが嘘のように。

「そういえば…勝つ理由が無かったわ…」

と緋色は倒れながら呟く。

「私は弱い。」

「でも、誰かを守る為に戦う緋色はとても強いよ。緋色、あなたの中に隠してる絶望を悲しみを怒りを…!見られたくないだけ。緋色はただ強くなりたいだけなんだね。」

「私は弱い自分であっていけない。ずっと弱い位なら…」

「だから死にたいって?」

「聞いてたのかよ。」

「死なないでって言ったら困る?」

「一番言われたくない。」

「じゃあ死なないで。」

「私の話聞いてた?」

「うん。死んで欲しくないの。理由は勿論無い。」

「じゃあ何で…そんな事言われてもどうせ私は死なないし。」

「私の我儘。」

「性格悪いって言われた事なぁい?私の我儘は聞かないくせに夏希の我儘は押し通そうとするなんて。」

「性格悪いよ。私も。」

「性格悪いなら仕方無いか。」

緋色は乾いた声で笑う。

「ハハハ…ハハ…分かったよ。死なないであげるよ。」

「本当?やったー!じゃあ帰るねー!」

「扉の向こうに行かなくても良いの?夏希が見たかった場所でしょ。」

「良いよ。それに……」

夏希ははっきりと言う。

「入ったら殺す気でしょ。」

「バレた?やっぱり、私の領域を土足で入れるつもりは無いんだよねー」

「試しても、無駄だよ!またね~」

夏希は帰って行った。



「うっ…ん。あ、帰って来た。」

「おかえり!大丈夫だった?」(どうなったんだろう…?)

「うん!大丈夫だよ!緋色も、私も。」

「それなら良かった。終わったところだし家に帰る?」(結局どういう精神世界なんだろ?)

「そうする。じゃ、今日は解散!」

「はーい!」(あんまり時間が潰せなかったな~コンビニ行こ。)

「ありがとね~光ちゃん!」

「いえいえ、彼氏を待っている間時間が空いてたので。じゃ、帰ります。さようならー」(そろそろデートに誘おうかなー)

と帰っていった。相変わらず#綱川 光__つながわ_ひかる_#は、図太い性格をしている。

優しいのは間違い無いが。

という事で、夏希も家に帰る事にする。

学校の廊下を歩いていると、掲示板を見つけた。

「試験……そういえば、私でも受けれる。…ん~。戦闘向けじゃないんだよな~私ってさ…」

資格はパーティーを組んで戦う団体戦と個人戦がある。

どちらも資格が取れるが、団体戦はチームで組まないと外に出られない。

「私が個人で資格は取れないと思うけど。」

溜息をつき学校を出た。
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