ブレインダイブ

ユア教 教祖ユア

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序章・対の戦い編

1-12 12 緋色視点 何よりも怖い自分

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試合がもうすぐで始まる。緋色は自分の番まで待っていた。

しかし、居心地がとても悪い。

(気持ち悪いな…皆感情が単調だ。)

「それに、私の世界を舐られた気がする。本当に…気持ち悪い………」

言っていることは人によって違う。でも、言葉は違うが、意味は同じ。

「もしかして!……大地の涙!洗脳しやがったって事ね…!ここの…全員を…!」

しかし、自分に出来ることはない。

(う~ん…この中でも洗脳されてない人…居るよね。して無さそうな目星はついてる。…何とかなったらいいんだけどさ。)

勝敗が決まる。

(とりあえず。対戦相手だけでも洗脳を解かないと。大地の涙が開き直って無効にしたがる確率は結構高いかも。洗脳使われてるんだから、無効よ!ってね。)

「……とりま殴って何とかする。」

世界はただの草原だ。我にかえらせるのは多分簡単。

「殺してやるーー!」

凄い棒読みで襲ってくる。どうせ恨みを表に出るようにしたのだろう。

「煩い。」

思い切り平手打ちをした。何かの靄を弾く様に。

「いって!何すんだ………よ…あれ…もう始まって…?」

治ったようだ。

「洗脳されてる状態で戦えないでしょう。準備は良いですか?」

意味が分からないようだが、彼も戦闘態勢に入る。

…結果として彼には勝った。半分以上のライフを削られたが。

それ以外の人も僅差で勝っていった。平手打ちで洗脳を解きながら。

もちろん、強くかかっていた人もいたがその人は気絶させた。





しかし、ここまでが順調だった。

また、リングに上がる。緋色は目を見開いた。

「………!お前は………!柊…」

柊 真冬ひいらぎ まふゆ。小学園の時のゴミだ。

「殺すーー…」

「私を知らないのか…?」

「誰?知らないわ。」

「なんだよ…恨みが緋色に無いなら…私の事を今まで何も思ってなかったって言うのね………フン…!散々コケにしてくれたくせにさ!」

世界が変わりコングが鳴った。

拳を握り締める。

「………取り敢えず…ぶん殴ってからだな。」

(少なくとも…ライフを減らしてしまったらこの戦闘が不正にされてしまう。相手の証拠がいる。一応、対戦相手にはこの戦いが平等であるという証言をしてくれるという約束はしてある。勿論、ちゃんとした約束契約をね。)

相手が能力を使ってきても避けていく。

ヤクザのように殴り過ぎるとライフが減るので、手加減はしておく。

「ふっ………たぁ!」

重心となる場所を突き姿勢を崩してから顎を突く。

柊は宙に浮き、吹き飛んだ。

「いったたた…10人以内に入って、並んで…そこから…」

「もう、決闘は始まってるよ。。」

柊は驚いた顔をしている。

「………え?…ああ、久しぶり~!緋色ちゃん。無能が良くここまで行けたのね。運が良かったね!」

この下衆い目が緋色は嫌いだ。

「そうなんだよ~…運が良くて。まさか…美冬ちゃんに当たると思わなかった…」

「私も~!また…遊ぼうね!緋色の無様で情けない醜態を久しぶりに拝めるの!楽しみだなぁ~!」

(こいつは変わらねぇな。ついでに皆洗脳されてて、今この間の事は皆覚えてねぇよ。)

緋色は構える。

「やっぱり変わらないね。緋色。とっとと、私達の犬になれば良かったのに。その目がウザいんだよ。」

「変わらないのは…お前だよ。」

緋色の正気は無くなった。自分が死んでいく。

(今…呼んでるから……早く来いよ…復讐の時間だから…)

緋色の目は濁っていった。

「本当に変わってないね…いつか負け犬になるタイプのセリフ…止めたほうがオススメだよ。ね。ゴミちゃん。」

「あ?てめえいつから私をゴミ呼ばわりしていいって言った?」

ゴミの能力は烈火の華。炎を扱う能力だ。

「お前に拒否権がある訳無い…武器生成(小)。」

剣を生成する。

「私はこの時を…ずっと待ってた。縮地(小)。」

「紅蓮・華(中)!」

広範囲に渡り爆発する能力だ。爆発する威力も凄まじいが、何よりもタイミングが縮地より早い。

緋色は咄嗟に電光石火き切り替える。焼けるかどうかのすれすれで避け続ける。

「避けるなんて、成長したね。子犬から何処まで成長したか見せてよ!紅蓮・剣(中)!」

炎の剣が生成され緋色に襲い掛かる。あまりの熱さに剣が溶けそうだ。

緋色は刃こぼれした部分を生成し直し続ける。

「縮地(小)…」

速さをみきられ防がれる。

能力も強いが柊本人の自体が使いこなしている。以前より強くなっているだろう。

アナライズしてみても分かるが以前よりステータスが上のようだ。

「電光石火(小)…」

死角がまるでない。何処から行っても防がれる。

「あっはは!基礎能力程度で!私に勝てるなんて無いじゃん!必死に足掻いちゃって…カワイソー!紅蓮・狼(中)!」

炎の狼が二匹現れ緋色に噛み付く。

「………輪廻(小)。」

狼を避け、カウンターで一気に二匹仕留める。

「スゴーイスゴーイ!でも、同族殺しってサイテー!」

「煩い。」

一瞬で柊に近付いた。

「確か…3分だよね。遊ばせてたのって。」

「は?…ああ…そうだよ。フフ…もう一分追加してあげようか?アッハハ!」

「もう…終わったからいいよ。死線誘導・回帰(中)…」

一瞬の内に死線が柊に絡みつき、緋色は思い切り能力を使う。

ここからが、最大の楽しみだ。

「は…?何を…」

柊は床に伏せた。そして汚い悲鳴をあげる。

「ああ…初めてか。足斬られて逃げれなくなるの。私はあるよ。あんたが3分経ったら…私にこれするよね。」

「あ゙あ゙あ゙…!!!!!いだい!イ゙ダイ゙!アア………!!!!!」

「煩いなぁ…!」

思い切り鳩尾を蹴り飛ばす。今は死線で止血をしているので、直ぐには死なない筈だ。

何より決闘の状態で肉体的に死ぬ訳がない。

「ガハッ………!!!ああ…!!!」

緋色は柊の前髪を掴み、微笑んで言う。

「今まで…私がされた事全部してあげるね!真冬ちゃん!まずは…」

「嫌…!助けて……!」

「そうやって助けを求めている口に炎を突っ込んでたよね!でも炎が使えないから私の能力でやるね!変わりが口を縫うくらいだけど…許してね!」

満面の笑みをこぼし、口を死線で縫う。

「次は…」

「ハフヘヘ!ハフヘヘ!ハハハフハハ!」

「何言ってるのか分かんなーい!ハハハ!変なの!」

そのまま顔をぶん殴る。

「ああ…私の目の前で私の斬られた足をズタズタにしてたね!」

目の前で両足を柊に見せる。とびきりの笑顔でそれをバラバラに切り裂いた。

そこに緋色の理性は存在していない。

「ヒハ!ヒハ!ヒヘハヒヘ!ハフベホフハホホホ!」

「アッハハハハ!何その変な顔!嬉しい?嬉しいよね!前、言ったよね!私達に構ってもらってるだけ感謝しろって。美冬ちゃん!私にあんな事しといて構ってもらってるだけ感謝しろって。はい。有難うは?」

「フーーー…!フーーーーー!」

「早く言えよ。」

思い切りぶん殴る。バキッと音がした。鼻がひん曲がっている。

「ホヘンハハ…!ホヘヘンハハヒ…!」

また殴る。

「そういう時はハ・ヒ・ハ・ホ・フでしょ?多分。どうぞ。そういうお礼大事だって、先生言ってたでしょ?早く言ってよ。」

「ハヒハホフ!ハヒハホフ!」

「良く出来ました!」

緋色は立ち上がり顔を蹴る。血が飛び散っている。

これでも決闘が終わったら傷などない。これが決闘の世界。

「で…次は何だっけ…?」

「フーーーー!フーーー!」

「待てないの?そんなに嬉しいの?仕方無いなぁ…次は左腕ね!死線誘導・折損(小)!」

左腕を引っ掛けて、粉砕する。バキバキバキッ……!と音が鳴る。

「…!!!!!!!!」

あまりの痛さなのか失神してしまった。

「あ~あ。弱いなぁ。美冬ちゃん。起きろって!アハハハ!」

思い切り殴るとまた目が覚めたようだ。

「私さ、両腕折られても、失神しなかったよ。何で美冬ちゃんは出来ないの?そんな事くらい我慢してよ。死線誘導・折損(小)。」

片方もズタズタに折る。

「何で我慢するだけなのに出来ないの?そっちのほうが無能だね。私…ずっと我慢してたんだよ。だから美冬ちゃんも我慢できるよね!」

思い切り右腕を踏みつけた。煩い声が響く。

「私さ、そっちみたいに悲鳴が好きじゃないんだよね。黙ってもらって良い?絶叫よりもその恐怖に怯える顔が大好きなの。」

もう一回踏みつけた。さらにパキパキと音がする。

「ああ…もう黙れって。あー…ライフがあと500しかないのかー。せいぜい、粘っても5分しか持たないな~!残念。」

「ナイフでお腹を斬りつけよう!切り裂かれた経験無いでしょ?貴重な経験積んだ方が良いよ!」

無理矢理起こす。

「さあ、いっくよー!」

剣をゆっくりと刺して上に引き上げる。

「はい、パッカーン!あ~あ。ごめんね…下手くそで一気に350も削っちゃった。」

もう、叫ぶ力が無いのか、ブルブルと震えている。

緋色は拘束をすべて解いた。緋色は小さな銃を生成する。

「た…け………たす………」

「ねえ!さっきは寒そうに震えてたね…可哀想に。貴方の好きな炎で暖まったら?」

柊は緋色に目を向ける。

「烈かっ…」

「つまんないの。いつ私に攻撃していいって言ったの?」

緋色は眉間に撃ち込んだ。



元の世界に戻った。緋色は死んだ顔をしている柊に近付いた。

「ねぇ。決闘の事でさ、私に不正が無かったって言っといてくれる?」

「そんな事…言うわけ…!」

「もう一回やってあげようか?どっちが上か、もう一度教えてあげようか。」

「………!!!!!!!」

「少なくとも、ゴミであるお前に拒否権は無い。ついでに言うと、洗脳された状態を解いてやったのは私。しかもライフを1ミリも削ってない状態で。」

「でも…あんな拷問みたいな!」

「ちゃんとルール守ってたでしょう?それに君が私にやってあげてた事を…私がお前にやってあげてただけだよ。どの口が言ってんの?どうする?もう一回…する?」

「わかった!分かった!言うよ…!」

「おけ。契約ね。勿論破った場合は即斬首。」

そして血を使い契約する。

「なっ…!一方的な契約無効よ!」

「1秒でも遅れたら四肢骨折。私はそんな契約を約束もしていない決闘に使われてた。3回くらいは折れたよ。私。一週間に一回。それを休み無く3年間。合計、いくつだと思う?契約の数。」

「え…えぇと…」

「1年間は53週。知らねぇのかよ。馬鹿だな。159回。馬鹿な契約をされた。159回されたんだからそれぐらいの契約簡単だろ。言えば良いんだから。」

「何だ私がこんな………!」

「もう一回しようか。分からないか。お前みたいな馬鹿はそんな事しないと駄目?」

「…………」

「死にたけりゃあ、私に金輪際話しかけないでね。」

緋色は鼻で嘲笑いリングから降りた。

これで全ての決闘は終わった。しかし、全く誰も反応しない。

緋色が資格を取れないと思ってその先を考えてないか…

「もしくは、それどころじゃないかもね。」

そして、出口に緋色は出た。






無事に大地の涙は洗脳を解除した。

勿論皆が平等に、不正無く決闘した…と言ってくれた。

一人は滑稽にそう言ってたが。

やはり、春斗は何かしら気付いていた。しかし緋色はしらを切った。

(こんな…私を晒す訳にはいかないよ。)

出来る事なら全員にやってやりたい。

でも、通常の緋色には出来ない。

(精神世界に繋げたからできたこと。理性があった状態で出来るかよ…)

しかし少し興奮している。この高揚感をあの人達は私をダシに得たのだろう。

それでもあの悲鳴の何処が良いか分からない。さっさと黙らせる方法ばっかり考えていた。

しかし、試験は終わり資格を取った。その事実は変わらない。

緋色は冷たい夜風にあたりながらそんな事を考えていた。
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