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序章・対の戦い編
1-25 25 香露音視点 先輩
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「うーーーーーーーー………………」
「どうするーーーーーーーー?」
「はぁ………」
三人はとても重い空気に苛まれている。
「鶴ちゃんとするのかぁ………」
「しかも、暗殺者だったのかぁ…」
「しかも、棚見君が英雄に開眼したとか…」
考えるだけで嫌な気持ちになる。
「雷神、暗殺者、英雄……」
「その面子…嫌だわぁ…三色団子も嫌だけどさぁ…ここはもっと嫌。」
「夏希はどうしよう…少なくとも洗脳出来ないよね…」
「そうだね…あの時のこともあるし、少なからず洗脳の耐性はちゃんとあるし…棚見君もあるし…雷神君もねぇ…」
「私は雷神無理だよ。流石に不利すぎる。」
「そうだよね。能力的に駄目だもんね。」
「私が棚見君かなぁ…」
「じゃあ、私は暗殺者かぁ…」
「消去法で雷神なのぉ………?」
「頑張って…夏希………」
「そんなに気にすることないんじゃない…?一応資格は取れたし…」
と、香露音は言うが不安で仕方ない。
「まぁ、確かに?次はどうやら例の三人ではないようね。」
「あ、そうなの?……だからといって勝てるどうかは別の話だけどね…」
どうやら順番は回ってきたようだ。
今から九組と戦わないといけないが、尺の都合上ダイレクトカットする。
恨むなら作者にして欲しい。
8組の結果は以下の通りだ。
1組目 アーチャー、ハンター、守護者
椿 戦闘不能 相手全滅 勝利
2組目 僧侶、ウィザード、ウィザード
相手全滅 勝利
3組目 蒼の太刀、戦士、ハンター
夏希、香露音 戦闘不能 相手全滅 勝利
4組目 疾風の旅人、雷神、烈火の華
夏希、椿 戦闘不能 相手全滅 勝利
5組目 Ⅰ暗殺者、Ⅱ暗殺者、Ⅲ暗殺者
味方全滅 Ⅱ暗殺者 戦闘不能 敗北 1位確定
6組目 氷結、蒼の太刀、暗殺者
相手全滅 勝利
7組目 守護者、夜の騎士、アーチャー
香露音 戦闘不能 相手全滅 勝利
8組目 Ⅰ鍛冶屋、Ⅱ鍛冶屋、Ⅲ鍛冶屋
相手全滅 勝利
となった。
「うにゅーーーー……次は、例の三人かぁ…」
「3位以上確定かー…」
「順位次で決まるらしいよ…2位か3位か…どっちも一敗してるらしいね…」
「暗殺者三人は流石に無理…」
「ずっと黒煙使われて…見えないのに殺されて…」
「本当に夏希良く一人倒せたと思うよ…」
「でも、あれで大体分かった。………もう、黒煙で死なない。」
「本当に!?香露音凄くない!?」
「絶対の保障できないけど。限界の限界まで…見切る。」
そして、リングに上がる。
(悪いけど………鶴ちゃんに鶴ちゃんのチームに勝たせてもらうわ。)
世界が変形する。
「て…天空か~~~~~~…」
椿は高所が得意ではなさそうだ。
お互いがお互いを睨みつけている。
「皆…頼むよ。縮地(中)!」
香露音は棚見君に突っ込んでいく。
「武器生成(中)………!」
棚見君は盾を生成し防いだ。
武器生成は無能力者であれば短剣に近い剣や銃しか作れない。
能力者であっても能力の専用武器でないと作れない。
英雄の専用武器は長剣。しかし、特殊で盾も作れてしまう。
想像では鶴ちゃんは椿の所に吹っかけていくと思ったが、どうやら違うようだ。
「……鎌鼬(中)!」
「唐傘(中)!」
しっかり守り、攻撃に転じる。
「隼(中)…………!」
そして、椿も応援に入る。
「誘導撃ち(大)!」
「輪廻(小)……!」
椿の矢を一瞬にして破壊する。
(私達が想像していたより…強い!)
さすが暗殺者だ。
どれほど強いかというと、暗殺者に開眼すれば個人でも団体でも資格が取れると言われている。
一時期、暗殺者に開眼した時点で資格が取得出来る法律が出来かけたくらいだ。
「黒の一閃(小)………」
鋭い一撃が香露音を襲う。しかし、軽々と捌いていく。
すると、雷の一撃が大地を壊す。流れ弾のようだ。
(派手にやるわね………)
土煙の中に自ら入りに行く。
「縮地(中)!」
一瞬にして鶴ちゃんに近付き攻撃を仕掛ける。
「うぅ……!閃律(中)………」
あの早さからの奇襲にも関わらず反応している。
(本当………私の後輩…強い人ばっかり!)
すると、鶴ちゃんの顔色が変わる。
「……!!!」
夏希の精神掌握とタイミングが同じだ。周りも同じ顔をしている。
どうやって気付くのかよく分からない。
「あらよっと!雷鳴・黒(大)!」
急に乱入してきた。
高火力で焼ける。至る隙間から熱と痺れが入ってくる。
「この……!」
「悪夢殺し(大)!!」
雷神から黒い靄が溢れる。
その靄が雷神を纏わり付き離れない、その靄に引くこまれるように夏希は突っ込んでいく。
「ハハハ!当たってねぇのにクソ痛え!雷鳴・赫(大)!」
二つの技が衝突する。
「英炎の剣(大)!!!」
今度は棚見君が香露音に攻撃してくる。
「乱闘ね!正義の神罰(大)!」
高火力と高火力がぶつかり合い、爆発した。
その煙幕から鶴ちゃんが奇襲に来た。
「黒の一閃(大)!!」
「私を忘れないでよ……!閃光矢・五月雨(中)!!」
椿は鶴ちゃんの心臓を目掛けて射抜く。
鶴ちゃんは咄嗟に攻撃を止めて避けた。
もしやめなかったら、香露音か椿が倒せてただろう。
(本当に戦闘慣れしてる…!)
「きゃあ!」
夏希が悲鳴を発し、吹き飛んで来た。左腕が酷く欠損している。
「夏希!」
雷神も負傷している。
「大丈夫……じゃない…かも……」
激痛に違いないのに、フラフラと立ち上がる。
「もうすぐで、死ぬ…でも…」
夏希は構える。
「ただでは死なないよ…!!!」
一瞬で消えた。
「縮地(小)…閃律(小)……!」
お腹に剣が貫かれている。しかし、まだ死んでいない。
「ガハッ……!特攻かよ…!いいぜ!乗ってやるよ!」
「…悪夢殺し(中)…!」
「雷鳴・神(大)!!!」
能力のタイミングは同時だった。しかし、安否確認などする余裕は与えてくれないようだ。
「黒煙(大)…」
一瞬にして光が落ちる。
「騎士の喝采(大)…………!さあ…来なさい!」
二振りの刃が飛び交う。
「栄光の剣(中)!!」
「黒の一閃(中)!」
タイミングを見計らって攻撃する。細心の注意を払わなければ、確実に殺られる。
「隼(中)!」
瞬速の剣で二人の攻撃を振り払う。反撃開始だ。
「正義の審判(大)…!」
鶴ちゃんに向ける。
「私にとっての悪に罰を………!」
正義の罰が鶴ちゃんに轟き穿つ。直撃したようだ。
「凍傷の剣(大)!」
「縮地(中)…!」
ギリギリで避けた。冷気を感じる。
「電光石火(小)…!」
(なんで、こんな暗闇に馬鹿みたいに動けるの!?)
「唐傘(中)…!」
守り、半歩後ろに下がる。
「霹靂の……!!」
「閃光矢・一矢(大)。」
顳顬に貫通する。完璧なタイミングだ。確かに狙っていたが、椿の腕が良過ぎる。
棚見君が消え、残りは多分だが鶴ちゃんだけだ。
雷神に関しては夏希を信用するしかない。
少し黒煙が晴れかけている。
音しか頼れない。香露音は既に鶴ちゃんを見失っている。
(防いでも、また隠れられる…黒煙晴れた後は後でブースト使われる可能性がある。私のブーストは未完成だし、椿はさっきから返事が無い…!)
「やるしかない…」
限界の限界まで耳を澄ませる。
右から音がする。
「縮地(中)…!黒の一閃(大)!」
(集中!集中……!この一太刀に込める!)
「斬鉄剣(小)…!」
短剣に向けて振りかざす。
(小)威力しかない為下手に打てば自分の武器が壊れてしまう。
パキン!
壊れる音が響く。
「なっ…………!」
壊れたのは鶴ちゃんの短剣だった。黒煙が完全に晴れる。
「これでとどめ!」
とどめを刺し世界が元に戻る。
やはり、夏希は倒していた。
「いや~僕やられちゃいましたね。少し慢心していました。」
「俺も悪いよ。俺の実力不足だよ。」
「わ、私もです…………」
三人は落ち込んでいるようだ。
「流石、香露音だねー!」
椿が飛び込んできた。
「やっぱり?相手がイケメンだからといってねー負けない訳にはいかないよねー」
夏希もやってきた。
「やっぱり、香露音は凄いなぁ!」
「いいや、皆のお陰に決まってるでしょ!」
香露音達は喜びあった。
団体のみの資格が貰え、試験会場を出ると真っ暗だ。
「じゃあ、私帰るねー!バイバーイ!」
椿は早々に帰っていった。
棚見君と鶴ちゃんが、話しているところを見つけた。
「…確か、そろそろ…だと思う…緋色先輩、帰ってくるの。」
「そうだよね。近いし、もしかしたら会えるかも。」
(そういえば、緋色、そんな事言ってた気がする…?)
「ねぇねぇ!鶴ちゃん。私達も一緒に行っていい?」
夏希が鶴ちゃんに話しかけた。珍しいと思いつつ、4人で扉の前に来た。
「まあ…来ないと思うけどねー…」
「流石に偶然だよねー。」
すると、10分も経たないうちに扉が開いた。緋色だ。
緋色は香露音達を見つけると、微笑んだ。
「………ただいま。」
ヘトヘトに疲れていたのか、身体はフラフラとしていて、ほのかに異様な匂いと雰囲気を感じた。
「……皆、いるんだね。…試験、お疲れ様。」
皆、緋色についての事が言えない。何も無かったと思えない。
「う、うん。そっちも…お疲れ様…」
夏希の言葉がここにいる皆が言える限界だった。
「春斗、鶴ちゃん。見てたよ、昨日。かっこよかったよ。」
「は、はい…」
棚見君だって、英雄に開眼した事を報告したいに違いない。
それでも、異様な何かによって言えない。
「はい。頑張りました。…樫妻先輩も戻って来たことだし……帰りましょうか。」
「…?私を待ってくれたの?」
「そうですよ。試験が終わった時に丁度、樫妻先輩の帰る予定だったので。」
棚見君は何も聞かずにただ優しく声をかけている。
「そうなんだ。ありがとう。」
全員で帰った。ただひたすらに緋色の背中は何か重い物を背負っているようだった。
「どうするーーーーーーーー?」
「はぁ………」
三人はとても重い空気に苛まれている。
「鶴ちゃんとするのかぁ………」
「しかも、暗殺者だったのかぁ…」
「しかも、棚見君が英雄に開眼したとか…」
考えるだけで嫌な気持ちになる。
「雷神、暗殺者、英雄……」
「その面子…嫌だわぁ…三色団子も嫌だけどさぁ…ここはもっと嫌。」
「夏希はどうしよう…少なくとも洗脳出来ないよね…」
「そうだね…あの時のこともあるし、少なからず洗脳の耐性はちゃんとあるし…棚見君もあるし…雷神君もねぇ…」
「私は雷神無理だよ。流石に不利すぎる。」
「そうだよね。能力的に駄目だもんね。」
「私が棚見君かなぁ…」
「じゃあ、私は暗殺者かぁ…」
「消去法で雷神なのぉ………?」
「頑張って…夏希………」
「そんなに気にすることないんじゃない…?一応資格は取れたし…」
と、香露音は言うが不安で仕方ない。
「まぁ、確かに?次はどうやら例の三人ではないようね。」
「あ、そうなの?……だからといって勝てるどうかは別の話だけどね…」
どうやら順番は回ってきたようだ。
今から九組と戦わないといけないが、尺の都合上ダイレクトカットする。
恨むなら作者にして欲しい。
8組の結果は以下の通りだ。
1組目 アーチャー、ハンター、守護者
椿 戦闘不能 相手全滅 勝利
2組目 僧侶、ウィザード、ウィザード
相手全滅 勝利
3組目 蒼の太刀、戦士、ハンター
夏希、香露音 戦闘不能 相手全滅 勝利
4組目 疾風の旅人、雷神、烈火の華
夏希、椿 戦闘不能 相手全滅 勝利
5組目 Ⅰ暗殺者、Ⅱ暗殺者、Ⅲ暗殺者
味方全滅 Ⅱ暗殺者 戦闘不能 敗北 1位確定
6組目 氷結、蒼の太刀、暗殺者
相手全滅 勝利
7組目 守護者、夜の騎士、アーチャー
香露音 戦闘不能 相手全滅 勝利
8組目 Ⅰ鍛冶屋、Ⅱ鍛冶屋、Ⅲ鍛冶屋
相手全滅 勝利
となった。
「うにゅーーーー……次は、例の三人かぁ…」
「3位以上確定かー…」
「順位次で決まるらしいよ…2位か3位か…どっちも一敗してるらしいね…」
「暗殺者三人は流石に無理…」
「ずっと黒煙使われて…見えないのに殺されて…」
「本当に夏希良く一人倒せたと思うよ…」
「でも、あれで大体分かった。………もう、黒煙で死なない。」
「本当に!?香露音凄くない!?」
「絶対の保障できないけど。限界の限界まで…見切る。」
そして、リングに上がる。
(悪いけど………鶴ちゃんに鶴ちゃんのチームに勝たせてもらうわ。)
世界が変形する。
「て…天空か~~~~~~…」
椿は高所が得意ではなさそうだ。
お互いがお互いを睨みつけている。
「皆…頼むよ。縮地(中)!」
香露音は棚見君に突っ込んでいく。
「武器生成(中)………!」
棚見君は盾を生成し防いだ。
武器生成は無能力者であれば短剣に近い剣や銃しか作れない。
能力者であっても能力の専用武器でないと作れない。
英雄の専用武器は長剣。しかし、特殊で盾も作れてしまう。
想像では鶴ちゃんは椿の所に吹っかけていくと思ったが、どうやら違うようだ。
「……鎌鼬(中)!」
「唐傘(中)!」
しっかり守り、攻撃に転じる。
「隼(中)…………!」
そして、椿も応援に入る。
「誘導撃ち(大)!」
「輪廻(小)……!」
椿の矢を一瞬にして破壊する。
(私達が想像していたより…強い!)
さすが暗殺者だ。
どれほど強いかというと、暗殺者に開眼すれば個人でも団体でも資格が取れると言われている。
一時期、暗殺者に開眼した時点で資格が取得出来る法律が出来かけたくらいだ。
「黒の一閃(小)………」
鋭い一撃が香露音を襲う。しかし、軽々と捌いていく。
すると、雷の一撃が大地を壊す。流れ弾のようだ。
(派手にやるわね………)
土煙の中に自ら入りに行く。
「縮地(中)!」
一瞬にして鶴ちゃんに近付き攻撃を仕掛ける。
「うぅ……!閃律(中)………」
あの早さからの奇襲にも関わらず反応している。
(本当………私の後輩…強い人ばっかり!)
すると、鶴ちゃんの顔色が変わる。
「……!!!」
夏希の精神掌握とタイミングが同じだ。周りも同じ顔をしている。
どうやって気付くのかよく分からない。
「あらよっと!雷鳴・黒(大)!」
急に乱入してきた。
高火力で焼ける。至る隙間から熱と痺れが入ってくる。
「この……!」
「悪夢殺し(大)!!」
雷神から黒い靄が溢れる。
その靄が雷神を纏わり付き離れない、その靄に引くこまれるように夏希は突っ込んでいく。
「ハハハ!当たってねぇのにクソ痛え!雷鳴・赫(大)!」
二つの技が衝突する。
「英炎の剣(大)!!!」
今度は棚見君が香露音に攻撃してくる。
「乱闘ね!正義の神罰(大)!」
高火力と高火力がぶつかり合い、爆発した。
その煙幕から鶴ちゃんが奇襲に来た。
「黒の一閃(大)!!」
「私を忘れないでよ……!閃光矢・五月雨(中)!!」
椿は鶴ちゃんの心臓を目掛けて射抜く。
鶴ちゃんは咄嗟に攻撃を止めて避けた。
もしやめなかったら、香露音か椿が倒せてただろう。
(本当に戦闘慣れしてる…!)
「きゃあ!」
夏希が悲鳴を発し、吹き飛んで来た。左腕が酷く欠損している。
「夏希!」
雷神も負傷している。
「大丈夫……じゃない…かも……」
激痛に違いないのに、フラフラと立ち上がる。
「もうすぐで、死ぬ…でも…」
夏希は構える。
「ただでは死なないよ…!!!」
一瞬で消えた。
「縮地(小)…閃律(小)……!」
お腹に剣が貫かれている。しかし、まだ死んでいない。
「ガハッ……!特攻かよ…!いいぜ!乗ってやるよ!」
「…悪夢殺し(中)…!」
「雷鳴・神(大)!!!」
能力のタイミングは同時だった。しかし、安否確認などする余裕は与えてくれないようだ。
「黒煙(大)…」
一瞬にして光が落ちる。
「騎士の喝采(大)…………!さあ…来なさい!」
二振りの刃が飛び交う。
「栄光の剣(中)!!」
「黒の一閃(中)!」
タイミングを見計らって攻撃する。細心の注意を払わなければ、確実に殺られる。
「隼(中)!」
瞬速の剣で二人の攻撃を振り払う。反撃開始だ。
「正義の審判(大)…!」
鶴ちゃんに向ける。
「私にとっての悪に罰を………!」
正義の罰が鶴ちゃんに轟き穿つ。直撃したようだ。
「凍傷の剣(大)!」
「縮地(中)…!」
ギリギリで避けた。冷気を感じる。
「電光石火(小)…!」
(なんで、こんな暗闇に馬鹿みたいに動けるの!?)
「唐傘(中)…!」
守り、半歩後ろに下がる。
「霹靂の……!!」
「閃光矢・一矢(大)。」
顳顬に貫通する。完璧なタイミングだ。確かに狙っていたが、椿の腕が良過ぎる。
棚見君が消え、残りは多分だが鶴ちゃんだけだ。
雷神に関しては夏希を信用するしかない。
少し黒煙が晴れかけている。
音しか頼れない。香露音は既に鶴ちゃんを見失っている。
(防いでも、また隠れられる…黒煙晴れた後は後でブースト使われる可能性がある。私のブーストは未完成だし、椿はさっきから返事が無い…!)
「やるしかない…」
限界の限界まで耳を澄ませる。
右から音がする。
「縮地(中)…!黒の一閃(大)!」
(集中!集中……!この一太刀に込める!)
「斬鉄剣(小)…!」
短剣に向けて振りかざす。
(小)威力しかない為下手に打てば自分の武器が壊れてしまう。
パキン!
壊れる音が響く。
「なっ…………!」
壊れたのは鶴ちゃんの短剣だった。黒煙が完全に晴れる。
「これでとどめ!」
とどめを刺し世界が元に戻る。
やはり、夏希は倒していた。
「いや~僕やられちゃいましたね。少し慢心していました。」
「俺も悪いよ。俺の実力不足だよ。」
「わ、私もです…………」
三人は落ち込んでいるようだ。
「流石、香露音だねー!」
椿が飛び込んできた。
「やっぱり?相手がイケメンだからといってねー負けない訳にはいかないよねー」
夏希もやってきた。
「やっぱり、香露音は凄いなぁ!」
「いいや、皆のお陰に決まってるでしょ!」
香露音達は喜びあった。
団体のみの資格が貰え、試験会場を出ると真っ暗だ。
「じゃあ、私帰るねー!バイバーイ!」
椿は早々に帰っていった。
棚見君と鶴ちゃんが、話しているところを見つけた。
「…確か、そろそろ…だと思う…緋色先輩、帰ってくるの。」
「そうだよね。近いし、もしかしたら会えるかも。」
(そういえば、緋色、そんな事言ってた気がする…?)
「ねぇねぇ!鶴ちゃん。私達も一緒に行っていい?」
夏希が鶴ちゃんに話しかけた。珍しいと思いつつ、4人で扉の前に来た。
「まあ…来ないと思うけどねー…」
「流石に偶然だよねー。」
すると、10分も経たないうちに扉が開いた。緋色だ。
緋色は香露音達を見つけると、微笑んだ。
「………ただいま。」
ヘトヘトに疲れていたのか、身体はフラフラとしていて、ほのかに異様な匂いと雰囲気を感じた。
「……皆、いるんだね。…試験、お疲れ様。」
皆、緋色についての事が言えない。何も無かったと思えない。
「う、うん。そっちも…お疲れ様…」
夏希の言葉がここにいる皆が言える限界だった。
「春斗、鶴ちゃん。見てたよ、昨日。かっこよかったよ。」
「は、はい…」
棚見君だって、英雄に開眼した事を報告したいに違いない。
それでも、異様な何かによって言えない。
「はい。頑張りました。…樫妻先輩も戻って来たことだし……帰りましょうか。」
「…?私を待ってくれたの?」
「そうですよ。試験が終わった時に丁度、樫妻先輩の帰る予定だったので。」
棚見君は何も聞かずにただ優しく声をかけている。
「そうなんだ。ありがとう。」
全員で帰った。ただひたすらに緋色の背中は何か重い物を背負っているようだった。
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