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弐章・選ばれし勇者編
2-5 37 鶴視点 慣れない外の世界で
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「あの……私…資格取ってますし……何か…したいんですが………」
勇気を振り絞って言う。
あの三人は目標があるが、私はそれを達成してしまっている。
それに棚見は今までの事を忘れている。
だから…私が今でも能力を使わない人だと思っているだろう。
勿論、怖い。人前で使う事は、怖い。
決闘の時に、久しぶりに開眼した能力を使った時の恐怖は忘れられない。
それでも…前に進まないと…嘲笑われてしまう。
殺したあの人に。私を無能だと嘲笑ったあの人に…
あの時に戻ったら…今のように理性があればもっと綺麗に殺していた。
あの時は…冷静では無かった。怒りでおかしくなっていた。
色々な感情を感じ過ぎてあの時の心情を一言で言えない。
「…鶴。人を殺したお前を擁護するつもりは無いが………お前のお陰で…少し楽になったよ…悪いな…人殺しは…嫌いなんだ………」
罪人を極度に嫌う父でさえも…そんな事を言った。
確かに正当防衛だが、人を殺したことには変わらない。
父は、私に対して今でも当たりは強い。
父は私の事を娘として、人殺しとして、罪人として、自分の代わりに罪を被った人として見ているのかもしれない。
その考えをいつまで経っても拭えない。
そんな事を思っていると、緋色先輩よりも先に香露音先輩が口を開く。
「ん~…外に行く?」
そんな言葉を言って驚いていたのは緋色先輩だった。
驚いているというよりかは動揺に近い。
やはり、外の世界で何かあったようだと感じた。
「え………?えぇ………だ……大丈夫なの………?」
緋色先輩は物凄い言葉を選んでいるように見える。
選び過ぎて語彙力が無くなっている。
「獣道とか、視界がひらけてる所なら大丈夫。……それに…資格を持ったんなら誰でも通る道でしょ。私達が居るんだから。……そうでしょ。」
「…………………………………香露音が……………………言うなら………………………」
物凄く不満そうに言う。
私が信用ならないという意味は無いのだろうが不安でしかない。
一応、二人が賛同することにはなったので外の世界に行く事にした。
外の世界に行く当日。
血が騒ぐ。
父に、
「人の代わりに今度は化物を殺すのか?ハッ!大したことだ!」
と、限り無く嫌味を言われた。
母には、
「気を付けてね。……本当にね。」
と短く言われた。あの人もドライな性格をしている。
しかし、一応心配はされているようなので、無傷で済みたいところだ。
出発し、扉の前に到着する。
重々しい。目の前に巨人が睨みつけているように、威圧感がある。
「…おはようございます。」
二人に挨拶する。どうやら最後だったようだ。
…これでも、予定の30分前だが…
顔に出ていたのか、緋色先輩がフォローするかの様に言った。
「あ…大丈夫だよ。私らが早いだけだから。」
絶対に1時間前に来ただろうと言わんばかりに風で髪が乱れている。
「よし…行こうか。」
緋色先輩は目の色を変えた。さっきまでののほほんとした柔らかい目つきはもう無い。
10秒もなく、髪の毛を纏め上げた。
外の世界の扉が開く。ここから先は温室とは程遠い。
「…………頑張ります………………」
気配察知を一日中フルで使い続けても大丈夫な位には成長した。
…いや、元通りになっただけだけど。
「半径何m位、気配察知で分かる?」
緋色先輩は普通に質問してくるが、普通は気配察知を使われている事自体気付かれない。
本当に、この人は自分の領域に入って欲しくない人なんだなぁ…と思った。
…そんな事より、質問に対する返答が優先だ。
「今まで本気を出したことがないので分かりませんが………多分100m位です………」
「うんうん、大丈夫だよ。此処ならそれ位で充分使える。」
此処なら……とはどういうことか。
もっと激しい場所があるということだろうか。
それを知っている緋色先輩は…………
何となく…夏希先輩に何が起こったのか察しがついた。
「………!!!!先輩…!」
「そうだね。3体来てる。中型だ。一発では倒せないよ。」
緋色先輩はやはり分かっていたようだ。
「それに…一体ずつ…何てしたら…普通に死ぬからね。」
香露音先輩の言葉が普通に怖い。それ程…冗談が通じない世界という事だ。
私が望んだ場所だ。
……久しぶりの戦いだ。殺し合いだ。決闘とはまた違う本物の高揚感。
やっと…鮮血の戦いを味わえる。
…やはり、私は危ない人間だとつくづく思う。
そんな事を思える程の余裕は無い癖に。
視覚に入ると、自分の予想よりも気持ち悪い見た目をしているモンスターが現れ、喉を噛み斬ろうとしている。
「唐傘(中)…!」
香露音先輩が防御する。横からもう一体やってくる。
香露音先輩に向かっている。
「……私の…番………!黒の一閃(中)…!」
綺麗に目を潰した。未だ目に突き刺さっている。
「…閃律(小)…!」
そのまま、奥に突き刺し脳まで深く損傷させた。
この肉が崩れるような感覚が、初めて人を殺した感覚に似ている。
…本当に殺すのは楽しい。
しかし、殺す事には慣れてはいけない。特に人間相手には。
「縮地(中)!」
唐傘で防いだモンスターを緋色先輩は吹き飛ばす。
そして香露音先輩はもう一体に向かって攻撃する。
というか、一発では死なない言っていたが、普通にこの二人は一撃で殺せている。
……いやまぁ…私は…出来てないから………ツッコめないけど………
私なら出来ないと思ったのだろう。凄い悔しい。
本当だから何も言えないからさらに悔しい。
やはり、まだ戦いを楽しむにはまだ弱過ぎるのだろう。
この程度で楽しいと思ってしまえば、私は肝心な時に遊ばれて殺される。
更に察知した。
緋色先輩を見ると既に分かっているようだ。
「…!沢山来てます…!」
「やっぱり、サルは何処にもいるのね…」
香露音先輩は警戒し剣を構える。
「鶴ちゃん。背中を合わせて戦うよ。私達は背中を預けてる。此処で誰かが死ねば、そこから崩れていく。」
団体戦の時もそうだ。いかにどれ程長く人が生き残るかが勝敗を決める。
それはこの世界のルールにも通用する。
「私の後ろには…モンスターはいかせません………」
先輩達は私を外に連れて行ってくれた。
その成れの果てを、醜くはさせない。
大量にやってくる。10体とかのレベルじゃない。
(300体程……!)
やっと楽しいと思う暇は無い程の命懸けの戦いが始まる。
短剣を構え、気配隠蔽を消した。
「鎌鼬(中)…!」
私は暗殺者。
黒の一閃や閃律は一体だけにしか攻撃出来ない。
それに、縮地や電光石火は使えば後ろにサルと呼ばれるモンスターが行くかもしれない。
一度後ろに行かせば、ゲームオーバーと何ら変わりない。
「死線誘導・乱舞(中)!」
大量のサルを一気にバラバラにしている。
「隼(中)…!」
美しい斬撃でサルを駆逐していく。
そこには修羅の道を通った美しさがあった。
それでも、また、二人は通ろうとしている。
(…私にその美しさが無いのは………逃げていたから…)
だから、こうも醜く鈍い攻撃しか出来ない。
この二人のようになるには、自らの道に逃げる事を選択してはならない。
「輪廻(小)…!」
返り血が全くもって酷い。短剣でリーチが短いからかもしれないが。
息が上がり始めている。
それでも、サルは止まらない。
さっきから血で地面がぬかるみ始めている。
ズチャ、ズチャ…と地面を踏む度に音がしている。
「…ふぅ…ふぅ………最低……100体…!」
これが、外の世界。待ってが一切通用しない世界。
個人資格所持者達が戻ってこないなどざらにあった。
「この……!」
武器に噛みつき、刃が欠ける。
元々、あの人の形見だ。別に壊れてもどうってことがない。
しかし、戦闘中に壊されると困る。
「武器生成(小)………!!」
刃を包むように生成する。
斬れ味は異常に悪くなるが仕方無い。
まだサルは噛んでいる。
「閃律(中)…!」
そのまま貫き殺す。
その死骸を後ろに通ろうとするサルに投げた。
サルは体勢を崩し、地面に落ちる。
「行かせない…!」
眉間を突き刺した。
気配が3つになった。やっと全て殺したのだろうか。
「…はぁ………はぁ…………これで終わりですか…?」
「う~ん?まぁ…私らの事見てるけど…襲ってくる気配無いし…大丈夫なんじゃない…?」
「緋色、それってどれ位…?」
「300m先。」
淡々と言うが、そんな広範囲まで気配を察知できるのは気配察知が得意な能力者でもあまりいない。
当たり前のように話をしている手前、開眼してからでは無く無能力者からそこまでの実力があるのだろう。
(別にそれくらいの範囲は私でも出来るけど……ずっと使い続けるとなると………)
身体が保たない。
取り敢えずは血に塗れた素材を回収する。
「香露音、何時間経った?」
「1時間半。」
「え…!?そんなに…時間が……」
1日では全く足りない理由が分かる。
「そろそろ帰る…?」
「そうだね…奥に行くのも気が引けるし…」
という事で、中の世界へ帰宅する。
帰る途中でさえも気が抜けない。
しかし、特にモンスターにも襲われる事なく中の世界へ戻れた。
「問題無く終わって良かったよ…………」
緋色先輩は安堵の息を吐く。
「…素材の為に、鍛冶屋に行ってから解散だね。」
香露音先輩はそう言い、鍛冶屋に行った。
香露音先輩はもうすぐで個人の試験だ。
…先輩の強さなら大丈夫だろう。
しかし、何か嫌な予感がする。
私の予感はいつも嫌な時しか当たらないが大丈夫だろうか。
前回、緋色先輩の時も少なくとも大丈夫では無かった。
香露音先輩は基本何とかなるので、杞憂に終わるだろう。
勇気を振り絞って言う。
あの三人は目標があるが、私はそれを達成してしまっている。
それに棚見は今までの事を忘れている。
だから…私が今でも能力を使わない人だと思っているだろう。
勿論、怖い。人前で使う事は、怖い。
決闘の時に、久しぶりに開眼した能力を使った時の恐怖は忘れられない。
それでも…前に進まないと…嘲笑われてしまう。
殺したあの人に。私を無能だと嘲笑ったあの人に…
あの時に戻ったら…今のように理性があればもっと綺麗に殺していた。
あの時は…冷静では無かった。怒りでおかしくなっていた。
色々な感情を感じ過ぎてあの時の心情を一言で言えない。
「…鶴。人を殺したお前を擁護するつもりは無いが………お前のお陰で…少し楽になったよ…悪いな…人殺しは…嫌いなんだ………」
罪人を極度に嫌う父でさえも…そんな事を言った。
確かに正当防衛だが、人を殺したことには変わらない。
父は、私に対して今でも当たりは強い。
父は私の事を娘として、人殺しとして、罪人として、自分の代わりに罪を被った人として見ているのかもしれない。
その考えをいつまで経っても拭えない。
そんな事を思っていると、緋色先輩よりも先に香露音先輩が口を開く。
「ん~…外に行く?」
そんな言葉を言って驚いていたのは緋色先輩だった。
驚いているというよりかは動揺に近い。
やはり、外の世界で何かあったようだと感じた。
「え………?えぇ………だ……大丈夫なの………?」
緋色先輩は物凄い言葉を選んでいるように見える。
選び過ぎて語彙力が無くなっている。
「獣道とか、視界がひらけてる所なら大丈夫。……それに…資格を持ったんなら誰でも通る道でしょ。私達が居るんだから。……そうでしょ。」
「…………………………………香露音が……………………言うなら………………………」
物凄く不満そうに言う。
私が信用ならないという意味は無いのだろうが不安でしかない。
一応、二人が賛同することにはなったので外の世界に行く事にした。
外の世界に行く当日。
血が騒ぐ。
父に、
「人の代わりに今度は化物を殺すのか?ハッ!大したことだ!」
と、限り無く嫌味を言われた。
母には、
「気を付けてね。……本当にね。」
と短く言われた。あの人もドライな性格をしている。
しかし、一応心配はされているようなので、無傷で済みたいところだ。
出発し、扉の前に到着する。
重々しい。目の前に巨人が睨みつけているように、威圧感がある。
「…おはようございます。」
二人に挨拶する。どうやら最後だったようだ。
…これでも、予定の30分前だが…
顔に出ていたのか、緋色先輩がフォローするかの様に言った。
「あ…大丈夫だよ。私らが早いだけだから。」
絶対に1時間前に来ただろうと言わんばかりに風で髪が乱れている。
「よし…行こうか。」
緋色先輩は目の色を変えた。さっきまでののほほんとした柔らかい目つきはもう無い。
10秒もなく、髪の毛を纏め上げた。
外の世界の扉が開く。ここから先は温室とは程遠い。
「…………頑張ります………………」
気配察知を一日中フルで使い続けても大丈夫な位には成長した。
…いや、元通りになっただけだけど。
「半径何m位、気配察知で分かる?」
緋色先輩は普通に質問してくるが、普通は気配察知を使われている事自体気付かれない。
本当に、この人は自分の領域に入って欲しくない人なんだなぁ…と思った。
…そんな事より、質問に対する返答が優先だ。
「今まで本気を出したことがないので分かりませんが………多分100m位です………」
「うんうん、大丈夫だよ。此処ならそれ位で充分使える。」
此処なら……とはどういうことか。
もっと激しい場所があるということだろうか。
それを知っている緋色先輩は…………
何となく…夏希先輩に何が起こったのか察しがついた。
「………!!!!先輩…!」
「そうだね。3体来てる。中型だ。一発では倒せないよ。」
緋色先輩はやはり分かっていたようだ。
「それに…一体ずつ…何てしたら…普通に死ぬからね。」
香露音先輩の言葉が普通に怖い。それ程…冗談が通じない世界という事だ。
私が望んだ場所だ。
……久しぶりの戦いだ。殺し合いだ。決闘とはまた違う本物の高揚感。
やっと…鮮血の戦いを味わえる。
…やはり、私は危ない人間だとつくづく思う。
そんな事を思える程の余裕は無い癖に。
視覚に入ると、自分の予想よりも気持ち悪い見た目をしているモンスターが現れ、喉を噛み斬ろうとしている。
「唐傘(中)…!」
香露音先輩が防御する。横からもう一体やってくる。
香露音先輩に向かっている。
「……私の…番………!黒の一閃(中)…!」
綺麗に目を潰した。未だ目に突き刺さっている。
「…閃律(小)…!」
そのまま、奥に突き刺し脳まで深く損傷させた。
この肉が崩れるような感覚が、初めて人を殺した感覚に似ている。
…本当に殺すのは楽しい。
しかし、殺す事には慣れてはいけない。特に人間相手には。
「縮地(中)!」
唐傘で防いだモンスターを緋色先輩は吹き飛ばす。
そして香露音先輩はもう一体に向かって攻撃する。
というか、一発では死なない言っていたが、普通にこの二人は一撃で殺せている。
……いやまぁ…私は…出来てないから………ツッコめないけど………
私なら出来ないと思ったのだろう。凄い悔しい。
本当だから何も言えないからさらに悔しい。
やはり、まだ戦いを楽しむにはまだ弱過ぎるのだろう。
この程度で楽しいと思ってしまえば、私は肝心な時に遊ばれて殺される。
更に察知した。
緋色先輩を見ると既に分かっているようだ。
「…!沢山来てます…!」
「やっぱり、サルは何処にもいるのね…」
香露音先輩は警戒し剣を構える。
「鶴ちゃん。背中を合わせて戦うよ。私達は背中を預けてる。此処で誰かが死ねば、そこから崩れていく。」
団体戦の時もそうだ。いかにどれ程長く人が生き残るかが勝敗を決める。
それはこの世界のルールにも通用する。
「私の後ろには…モンスターはいかせません………」
先輩達は私を外に連れて行ってくれた。
その成れの果てを、醜くはさせない。
大量にやってくる。10体とかのレベルじゃない。
(300体程……!)
やっと楽しいと思う暇は無い程の命懸けの戦いが始まる。
短剣を構え、気配隠蔽を消した。
「鎌鼬(中)…!」
私は暗殺者。
黒の一閃や閃律は一体だけにしか攻撃出来ない。
それに、縮地や電光石火は使えば後ろにサルと呼ばれるモンスターが行くかもしれない。
一度後ろに行かせば、ゲームオーバーと何ら変わりない。
「死線誘導・乱舞(中)!」
大量のサルを一気にバラバラにしている。
「隼(中)…!」
美しい斬撃でサルを駆逐していく。
そこには修羅の道を通った美しさがあった。
それでも、また、二人は通ろうとしている。
(…私にその美しさが無いのは………逃げていたから…)
だから、こうも醜く鈍い攻撃しか出来ない。
この二人のようになるには、自らの道に逃げる事を選択してはならない。
「輪廻(小)…!」
返り血が全くもって酷い。短剣でリーチが短いからかもしれないが。
息が上がり始めている。
それでも、サルは止まらない。
さっきから血で地面がぬかるみ始めている。
ズチャ、ズチャ…と地面を踏む度に音がしている。
「…ふぅ…ふぅ………最低……100体…!」
これが、外の世界。待ってが一切通用しない世界。
個人資格所持者達が戻ってこないなどざらにあった。
「この……!」
武器に噛みつき、刃が欠ける。
元々、あの人の形見だ。別に壊れてもどうってことがない。
しかし、戦闘中に壊されると困る。
「武器生成(小)………!!」
刃を包むように生成する。
斬れ味は異常に悪くなるが仕方無い。
まだサルは噛んでいる。
「閃律(中)…!」
そのまま貫き殺す。
その死骸を後ろに通ろうとするサルに投げた。
サルは体勢を崩し、地面に落ちる。
「行かせない…!」
眉間を突き刺した。
気配が3つになった。やっと全て殺したのだろうか。
「…はぁ………はぁ…………これで終わりですか…?」
「う~ん?まぁ…私らの事見てるけど…襲ってくる気配無いし…大丈夫なんじゃない…?」
「緋色、それってどれ位…?」
「300m先。」
淡々と言うが、そんな広範囲まで気配を察知できるのは気配察知が得意な能力者でもあまりいない。
当たり前のように話をしている手前、開眼してからでは無く無能力者からそこまでの実力があるのだろう。
(別にそれくらいの範囲は私でも出来るけど……ずっと使い続けるとなると………)
身体が保たない。
取り敢えずは血に塗れた素材を回収する。
「香露音、何時間経った?」
「1時間半。」
「え…!?そんなに…時間が……」
1日では全く足りない理由が分かる。
「そろそろ帰る…?」
「そうだね…奥に行くのも気が引けるし…」
という事で、中の世界へ帰宅する。
帰る途中でさえも気が抜けない。
しかし、特にモンスターにも襲われる事なく中の世界へ戻れた。
「問題無く終わって良かったよ…………」
緋色先輩は安堵の息を吐く。
「…素材の為に、鍛冶屋に行ってから解散だね。」
香露音先輩はそう言い、鍛冶屋に行った。
香露音先輩はもうすぐで個人の試験だ。
…先輩の強さなら大丈夫だろう。
しかし、何か嫌な予感がする。
私の予感はいつも嫌な時しか当たらないが大丈夫だろうか。
前回、緋色先輩の時も少なくとも大丈夫では無かった。
香露音先輩は基本何とかなるので、杞憂に終わるだろう。
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